HTML5徹底リポート!

HTML5開発現場リポート

Webの最新技術が生まれる場所

HTML5をはじめ、Webの最先端の技術開発をしているのがW3Cという組織です。ここでは、W3CがどのようにしてWebの開発をしているのかをリポートするとともに、私がW3C内でどんな仕事をしているのかをご紹介します!!

W3Cとは

W3Cとは「World Wide Web Consortium」の略で、HTMLなどのWebサイト制作に必要な技術開発とその標準化を行っている、Web業界で世界最高位の団体です。 インターネット・アカデミーは、日本のスクール業界で唯一のW3Cメンバーです。(※2011年5月時点)

Web開発の中心地のひとつ、米国MIT

米国マサチューセッツ工科大学

W3Cには、3つのホストがあります。

  • 米国 MIT/CSAIL(米国マサチューセッツ工科大学/コンピュータ科学・人工知能研究所 )
  • フランス ERCIM(欧州情報処理数学研究コンソーシアム)
  • 日本 Keio-SFC(慶應義塾大学SFC研究所)

私はその中の1つ、米国のマサチューセッツ工科大学(以下MIT)で勤務をしています。MITには、HTML技術の生みの親であり、W3Cの提唱者でもあるティム・バーナーズ=リー氏が在籍しています。以前はティムはとても遠い存在でしたが、今ではすぐ近くにいて一緒にWebについて会話を交わしたり同じ会議の場で意見を言い合ったりすることができるようになりました。ティムは本当に気さくでやさしい方で、一緒に仕事ができて感激しています!

最先端の技術はどうやって生まれるのか

フランス・リヨンでのTPAC

W3Cでは世界中に運営組織や会員メンバーがちらばっているため、技術開発の議論のほとんどはメーリングリストで行っています。また、週1回、インターネット電話での会議も行っています。会議については、時差の関係で国によって開始時間が深夜や早朝になってしまうのが少し大変ですが、毎回議論は白熱しています。

そうして進めた技術開発に関する議論は、1年に1度、世界中のメンバーが1箇所に集まる「TPAC」という会議で成果発表を行います。

私はアメリカ、フランスで開催されたTPACに2年連続で参加し、先日はスペインで行われた「ACミーティング」というW3Cメンバーの代表者会議にも参加しましたが、世界中の先鋭的な技術者が集まって議論を熱く交わす現場は、何度参加しても胸が躍ります!

私のMITでの活動について

さて、そうして新しく開発された技術は、世の中に広めていくことも必要です。今までは、せっかく新しい技術を開発しても、その仕様書が難しいがために一般的に普及するまでに時間がかかっていました。

そこで私は、その課題を解決するような仕事をW3C内で行っています。たとえば、下記のようなコンテンツをW3Cのサイト内に作成し、公開しています。

HTML/Elements
HTML5の各技術の意味や使用例、使用にあたっての注意事項を含めたリファレンスページです。
HTML/Training
HTML5の技術者向けのオンライン教材です。

こういったコンテンツは、インターネット・アカデミーのカリキュラム開発のノウハウを元に作成しています。今後も、世界中のWeb技術者の役に立てるよう、これからもコンテンツの種類を増やしていきたいと考えています。