AI資格まとめ|生成AIパスポート・G検定・E資格の違いと選び方

「生成AIの資格を取ってみよう」と考えて調べ始めると、思ったより種類が多いことに気づきます。名前も似ていて、どれが自分に合っているのか判断がつきません。
結論から言えば、主要な資格は3つです。そしてこの3つは、難易度が違うだけでなく、目指している方向がそれぞれ違います。
この記事では、生成AIパスポート・G検定・E資格の3つを軸に、それぞれの違いと目的別の選び方を整理します。

その迷いは自然だと思います。ただ、探す順番を少しだけ変えてみてください。
自分がAIを使う側なのか、作る側なのか。そこが決まれば、選択肢は絞られます。
目次
主要なAI資格の全体像
主要資格を並べて比較します。まず確認したいポイントは「受験資格(対象)」です。
【表1】主要なAI資格の比較(2026年9月時点)
| 項目 | 生成AIパスポート | G検定 | E資格 |
|---|---|---|---|
| 実施団体 | GUGA | JDLA | JDLA |
| 対象 | 生成AIを使い始める人 | AIを活用する人 | AIを実装する人 |
| 何が問われるか | 生成AIの使い方とリスク | AI全般の知識と社会実装 | 実装の理論と技術 |
| 受験資格 | 制限なし | 制限なし | 認定講座の修了が必要 |
| 受験料(一般) | 11,000円 | 13,200円 | 33,000円 |
| 受験料(学生) | 5,500円 | 5,500円 | 22,000円 |
| 試験形式 | オンライン | オンライン/会場 | 会場 |
| 試験時間 | 60分 | オンライン100分/会場120分 | 120分 |
| 出題数 | 60問 | 145問程度 | 100問程度 |
| 開催回数 | 年5回 | 年6回(うち3回は会場併催) | 年2回 |
| プログラミング | 不要 | 不要 | 必要 |
| 直近の合格率 | 81.21% | 76.97% | 67.04% |
※受験料はいずれも税込です。合格率は生成AIパスポートが2026年8月試験、G検定が2026年第5回、E資格が2026年第2回の実績。
3つを分ける決定的な違い
- 生成AIパスポートとG検定は、誰でも受けられる
- E資格だけは、JDLAが認定した講座を修了していないと受験できない
E資格は、受験までに講座の受講期間と費用が必要になります。
思い立ってすぐ受けられる資格ではありません。ここを知らずに検討を進めると、計画が崩れます。
生成AIパスポート
生成AIパスポートは、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が実施する、生成AIを安全に使うための知識を問う検定です。
特徴
3つの中で「入り口」にあたる資格です。
生成AIの基本的な仕組みに加え、個人情報や著作権といった、業務で使う際に必要な注意点が出題されます。
- 試験時間60分、60問。オンラインで受験でき、会場に行く必要はありません。
- 受験資格の制限はなく、プログラミングの知識も不要です。
- 2026年から開催回数が拡大されています。
難易度
2026年8月に実施された回では、受験者32,877名に対して合格者26,699名、合格率は81.21%でした。同時点で、累計の受験者数は14万人を超えています。
合格ラインは公表されていませんが、受験者の約8割が合格していることから、入門的な位置づけの試験と考えてよいでしょう。
向いている人
- 生成AIをこれから業務で使い始める
- 社内でAIの利用ルールを整えたい
- まず何か一つ、形にしたい
G検定
G検定は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、AIを事業のなかで活用する人材向けの検定です。正式名称はJDLA Deep Learning for GENERALといいます。
特徴
生成AIパスポートより範囲が広く、AI全般を扱います。
ディープラーニングの仕組みから、社会実装の進め方、法律・倫理まで出題されます。
- 試験時間100分(オンラインの場合)、小問145問程度。1問あたり40秒ほどしかありません
- 受験資格の制限はなく、プログラミングも不要です
- 年6回(うち3回は会場併催)
難易度
2026年9月に実施された回では、受験者14,908名に対して合格者11,475名、合格率は76.97%でした。同時点で、累計の受験者数は23万人を超えています。
ただし、合格率の高さだけで易しいと判断するのは早計です。
範囲の広さと出題数の多さで苦戦する人は少なくありません。1問あたり40秒ほどで判断していく必要があります。
なお同じ回でも、オンライン試験の合格率が約80%だったのに対し、会場試験は約63%にとどまりました。オンラインは手元で資料を参照しながら解答できるためと考えられます。合格率の数字は受験形式によっても変わると理解しておいてください。
向いている人
- AI導入の可否を判断する立場にある
- 生成AIだけでなく、AI全般を体系的に押さえたい
- 企画・営業・管理職としてAIに関わる
E資格
E資格は、JDLAが実施する、ディープラーニングを実装するエンジニア向けの資格です。正式名称はJDLA Deep Learning for ENGINEERといいます。
特徴
3つのなかで唯一、受験資格に条件がある試験です。JDLAが認定した講座を、試験日から過去2年以内に修了している必要があります。
- 試験時間120分、100問程度。全国の指定会場で受験します
- 受験料は一般33,000円。これとは別に、認定講座の受講費用がかかります
- 開催は年2回
出題は応用数学、機械学習、深層学習、開発環境の4分野です。線形代数や微分積分といった数学の知識と、実装の経験が前提になります。
難易度
2026年8月に実施された回では、受験者1,062名に対して合格者712名、合格率は67.04%でした。同時点で、累計の合格者数は1万1千人を超えています。
合格率だけ見れば極端に低くはありませんが、受験までに認定講座を修了した人だけが受けている点に注意が必要です。実質的な難易度は数字より高くなります。
向いている人
- AIエンジニア・データサイエンティストとして働く、または目指す
- 実装まで自分で担当する
- すでにプログラミングと数学の基礎がある
そのほかのAI関連資格
主要3つ以外にも、目的によっては検討する価値のある資格があります。目的がはっきりしているなら、こちらのほうが実務に直結することもあります。
【表2】目的別・そのほかの関連資格
| 目的 | 資格の例 | 実施団体 |
|---|---|---|
| 使っているクラウド上でAIを扱う | AWS Certified AI Practitioner などクラウド各社のAI認定 | 各クラウド事業者 |
| データの分析力を証明する | DS検定(データサイエンティスト検定) | データサイエンティスト協会 |
| ITの基礎知識を証明する | ITパスポート試験 | 情報処理推進機構(IPA) |
| 実装スキルを段階的に確かめる | AI実装検定 | AI実装検定実行委員会 |
クラウド各社の認定資格は、自社が使っているクラウドが決まっているなら有力な選択肢です。汎用的な知識より、実際に使う環境での操作に直結します。
「デジタル人材」の証明という組み合わせ方
ITパスポート、DS検定、G検定の3つは、デジタルリテラシー協議会が推進する「Di-Lite」の推奨資格として位置づけられています。
3つを組み合わせて取得すると、AIだけでなくITとデータを含めた土台があることを示せます。社内でDX推進の担当になる場合など、役割の幅が広い立場では意味を持ちます。
情報が古くなっている場合があるので注意
AI関連の資格は、新設・改訂・終了が頻繁に起こります。
たとえばJDLAが実施していた「Generative AI Test」は、公式サイト上で試験終了が案内されており、次回開催の予定はありません。
しかし、資格を紹介するランキング記事などでは、いまだ上位に掲載されていることがあります。
受験を決める前に、必ず実施団体の公式サイトで最新の状況を確認してください。
紹介記事の情報だけで判断すると、すでに受験できない試験に向けて学習を始めてしまうことがあります。
目的別・どの資格を取るべきか

生成AI関連の主要資格は、3つとも取ったほうがいいのかな?

全部取りたくなる気持ちはわかります。
ただ、まずは主要資格の中の1つで十分です。実装まで担当しないならE資格は必要ありませんし、逆に実装を目指すなら生成AIパスポートは難易度が低めと言えます。
自分に合うものを1つ選ぶのがいいでしょう。

【表3】目的別の選び方
| いまの状況・目的 | 向いている資格 |
|---|---|
| 生成AIを使い始めたばかり | 生成AIパスポート |
| 社内のAI利用ルールを整えたい | 生成AIパスポート |
| AI導入を判断する立場にある | G検定 |
| AI全般を体系的に押さえたい | G検定 |
| デジタル人材としての証明がほしい | G検定(+ITパスポート・DS検定) |
| AIエンジニアを目指す | E資格 |
| 実装まで自分で担当する | E資格 |
| 何から手をつけるか決まっていない | 生成AIパスポート |
生成AIパスポートとG検定、どちらを選ぶか迷ったときは
生成AIパスポートとG検定、どちらを選ぶか迷ったときは、「AIを使う側か、作る側か」を先に決めてください。ここが決まれば、選択肢は2つか1つに絞られます。
- 使う側 → 生成AIパスポート、またはG検定
- 作る側 → E資格
使う側のなかでどちらを選ぶかは、範囲の広さで決めます。生成AIに絞るなら生成AIパスポート、AI全般を押さえるならG検定です。
順番に取る必要はない
3つは難易度順に並んでいますが、下から順に取らなければならない決まりはありません。
- G検定から受けてもOK
- 生成AIパスポートを飛ばしてもいい
- E資格は「認定講座の修了」という条件あり
「入門から順に」と考えると時間も費用もかさみます。目的の資格に直接向かうほうが早いことが多いと考えてください。
資格取得までの進め方
まず日程と費用を確認する
意外に見落とされがちですが、AI資格は開催回数が限られています。
- 生成AIパスポート:年5回
- G検定:年6回(会場試験は年3回)
- E資格:年2回
E資格は年2回しかなく、しかも受験の前に認定講座を修了しておく必要があります。
講座にも受講期間があるため、目標の時期から逆算しないと、想定よりかなり先になることがあります。認定講座の期間と費用は提供事業者によって異なるので、早めに確認してください。
学習の流れ
どの資格でも、進め方の骨格は変わりません。
公式のシラバスに目を通す
まず出題範囲を確認します。この段階で理解できなくて構いません。範囲を知らずに教材を買うと、無駄が出ます。
公式テキストを通読する
1周目は完璧を目指さず、用語に慣れることを優先します。
問題演習に時間を使う
学習時間の大半は演習に充てるべきです。
読んで理解したつもりでも、選択肢を前にすると判断できないことが頻繁に起こります。
間違えた分野を補強する
全分野を均等に復習する必要はありません。演習で見えた弱点に絞ります。
つまずきやすいポイント
古い教材を使ってしまう
AI関連の資格は、シラバスの改訂が頻繁です。生成AIやAI関連の法規制といった項目が、改訂のたびに追加されています。たとえばE資格は、2026年第2回の試験から改訂版のシラバスが適用されました。教材を選ぶ際は、受験する回に対応した版かどうかを必ず確認してください。
時間配分の練習をしない
G検定は1問あたり40秒ほどしかありません。時間を計った演習を最低1回は行ってください。
法律・倫理分野を後回しにする
技術分野に比べて地味ですが、出題比重は小さくありません。
独学とスクール、どちらで学ぶか

独学でも合格できますか?

生成AIパスポートとG検定は、独学の合格者も多くいます。ただ、E資格は認定講座の修了が必須なので独学という選択肢がそもそもありません。目的によって話が変わります。
独学が向いているケース
- 目的が合格そのものにある
- すでにIT分野の基礎知識がある
- 学習を自分で計画・継続できる
- 費用を抑えたい
生成AIパスポートとG検定は、公式テキストと問題集が揃っています。教材面で困ることはありません。
スクールが向いているケース
- E資格を目指す(認定講座の修了が必須のため、選択の余地がない)
- AI分野そのものが初めてで、何から手をつけるか判断できない
- 合格後、実務でAIを活用するところまで見据えている
- 学習の継続に不安がある
とくに「合格の先」を見ている場合は差が出ます。試験対策だけを最短で行うと、合格はできても業務での応用に結びつかないことがあるためです。
費用の考え方
E資格を目指す場合、受験料33,000円に加えて認定講座の費用がかかります。総額は決して小さくありません。
一方で、リスキリング関連の助成金や給付金の対象となる講座もあります。個人負担を抑えられる場合があるため、申し込み前に確認する価値があります。
おわりに
AI資格は種類が多く見えますが、主要なものは3つで、それぞれ目指す方向が違います。
要点を整理します。
- 生成AIパスポートは入門。生成AIを安全に使うための知識を問う
- G検定はAI全般。活用する立場で判断できる知識を問う
- E資格は実装。認定講座の修了が必要で、受験までに時間と費用がかかる
- 選ぶ基準は「AIを使う側か、作る側か」
- 複数取る必要はない。多くの人は1つで足りる
そして最後に、資格そのものより、学習の過程で得られる判断軸のほうが実務では効きます。AIで解ける課題と解けない課題を切り分けられること。この力を身につけることを目的に据えてください。
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※無理な勧誘は一切ありません
生成AI関連の資格っていろいろあるけど、結局どれを取ればいいんですか?