G検定とは?難易度・出題範囲・勉強法をわかりやすく解説
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- 2026/11/04

AI関連の資格を調べていると、必ず名前が挙がるのがG検定です。
ただ、「エンジニア向けの難しい試験なのでは」「文系の自分でも受かるのか」というイメージがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際のG検定は、AIを作る側ではなく使う側のための試験です。プログラミングの実技はなく、受験資格の制限もありません。
この記事では、G検定の試験概要から難易度、出題範囲、勉強法までをまとめて解説します。E資格との違いや、取得後に何が変わるのかもあわせて整理しました。

G検定は違います。コードを書く試験ではなく、「AIで何ができて、何ができないか」を判断する能力を問う試験です。
むしろ企画職や営業職の方が受験するケースも多いので、プログラミング未経験の方にもおすすめです。
目次
G検定とは
G検定とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、AI・ディープラーニングの活用に関する知識を問う検定試験です。
正式名称は「JDLA Deep Learning for GENERAL」。
名称の「GENERAL(ジェネラリスト)」が示すとおり、AIを開発する技術者ではなく、事業のなかでAIを活用する人材を対象としています。
主催団体と検定の位置づけ
JDLAは、ディープラーニング技術によって日本の産業競争力を高めることを目的とした団体です。
G検定は2017年12月に第1回が実施され、以降オンライン試験を中心に定期開催されてきました。
なお、G検定は経済産業省がオブザーバーとして参加するデジタルリテラシー協議会が推進する「Di-Lite」の推奨資格のひとつに位置づけられています。
ITパスポート、DS検定(データサイエンティスト検定)と並び、デジタル人材の土台となる知識を示す資格として扱われている、ということです。
何が問われる試験なのか
G検定で問われるのは、実装スキルではなく判断のための知識です。
具体的には、AIやディープラーニングの仕組み、社会実装の進め方、そして法律・倫理・ガバナンスといった領域が出題されます。「この課題はAIで解けるのか」「導入するとどんなリスクがあるのか」を自分で判断できる状態を目指す試験、と捉えるとイメージしやすいでしょう。
そのため、受験者はエンジニアに限りません。企画、営業、人事、経営企画といった、AI導入を検討する立場の方が多く受験しています。

G検定の試験概要
G検定の基本情報を整理します。制度は改訂されることがあるため、受験を決めたら必ず公式サイトで最新の情報を確認してください。
【表1】G検定の試験概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | JDLA Deep Learning for GENERAL |
| 主催 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA) |
| 受験資格 | 制限なし |
| 受験料 | 一般13,200円(税込)/学生5,500円(税込) |
| 試験時間 | オンライン試験:100分/会場試験:120分 |
| 出題数 | 小問145問程度 |
| 出題形式 | 多肢選択式 |
| 受験形式 | オンライン試験(自宅受験)/会場試験 |
| 開催回数 | オンライン試験年6回/会場試験年3回(2026年) |
| 出題範囲 | JDLA公式シラバス |
受験料と試験形式
受験料は一般13,200円(税込)、学生5,500円(税込)です。学生割引の幅が大きいため、在学中の受験を検討する価値はあります。
受験形式は2種類あります。長らくオンライン試験(自宅での受験)のみでしたが、2025年10月から全国の指定会場で受験できる会場試験が導入され、2026年も継続されています。
なお、2026年の第1回から試験時間と出題数が変更されています。オンライン試験は100分、会場試験は120分で、いずれも小問145問程度です。以前の情報が載っている記事や書籍を参考にする場合は注意してください。
開催スケジュール
2026年は、1月から11月にかけて計6回実施され、次回は11月6日・7日(申込は10月29日まで)です。
申込受付は試験日の約2か月前に始まり、締切は試験日の1週間ほど前となるのが通例です。年6回あるとはいえ、申込期間を逃すと2か月前後待つことになるため、受験を決めたら早めに日程を確認しておきましょう。
受験資格
受験資格に制限はありません。年齢、学歴、実務経験、いずれも問われません。前提となる資格も不要です。
G検定の難易度と合格率
合格率は例年高め
G検定の合格率は、回によって変動しますが、おおむね70〜80%台で推移しています。2026年第5回(2026年9月実施)では、受験者14,908名に対して合格者11,475名、合格率は76.97%でした。(JDLA、2026年9月時点)会場試験に限ると合格率は62.56%で、オンライン試験の79.93%を下回りました(JDLA、2026年9月時点)。
数字だけを見ると易しい試験に見えますが、注意すべき点が2つあります。ひとつは、受験形式によって差が出ることです。上記のとおり、同じ回でも会場試験のほうが10ポイント以上低くなっています。もうひとつは、受験者層に偏りがあることです。情報処理・提供サービス業やソフトウェア業といったIT系の受験者が多く(JDLA受験者アンケート、2026年)、もともと一定の前提知識がある人が多いのです。
累計では、受験者数が23万人を超え、合格者数は16万人を上回っています(2026年第5回時点(JDLA、2026年9月時点))。
合格ラインは公表されていない
G検定は、合格ラインが公表されていません。そのため「何割取れば合格」という明確な目標が置けません。学習の目安としては、問題演習で安定して「7割以上を取れる状態」を目指しておくのが安全です。
難しいと感じる理由
合格率が高い一方で、受験者が苦戦するポイントは大きく3つです。
1つ目:出題数の多さ
100分で145問程度、単純計算で1問あたり40秒ほどしかありません。知識を思い出しながら考えていると時間が足りなくなります。判断に迷った問題は飛ばし、後で戻る前提で進める必要があります。
2つ目:範囲の広さ
技術の仕組みから法律・倫理まで、性質の異なる領域が含まれます。技術に強い人が法律で落とす、その逆もある、という試験です。
3つ目:用語の量
手法名、モデル名、法令名、ガイドライン名と、覚えるべき固有名詞が多く、暗記の負荷が高くなります。
G検定を取ると何が変わるのか
学習を始める前に、取得後に何が得られるのかを確認しておきましょう。
G検定で得られるものは、主に次のような変化があります。
- デジタル人材としての客観的な証明(DX推進パスポートのオープンバッジ)
- AI導入の可否を自分で判断できる知識
- 社内でAIについて議論するための共通言語
デジタル人材としての証明になる
G検定に合格すると、デジタルリテラシー協議会が発行する「DX推進パスポート」のオープンバッジを取得できます。ITパスポート、DS検定と組み合わせることで、デジタルリテラシーの証明として活用できる仕組みです。
社内でAI関連の役割を任される場面や、DX推進の担当になる場面で、知識の裏づけを客観的に示せる点は実務的なメリットになります。
業務でどう効くか
資格そのものより、学習の過程で得られる判断軸のほうが実務では効きます。
- AIで解ける課題と解けない課題を切り分けられる
- ベンダーの提案内容を評価できる
- 生成AIを使う際の法的リスクを事前に検討できる
- 社内でAIに関する共通言語を持てる
とくに最後の点は見落とされがちですが、AI導入の議論が噛み合わない原因の多くは、参加者の前提知識がそろっていないことにあります。
過度な期待は避ける
一方で、注意しておきたい点もあります。G検定は転職や昇給を保証するものではありません。
AI関連の求人で「G検定保有者歓迎」と記載されるケースは増えていますが、必須要件として扱われることはまだ多くありません。資格単体で評価が決まるというより、実務経験や職種の文脈と組み合わせて初めて意味を持つ、と捉えておくのが現実的です。
G検定とE資格の違い
ここまでを踏まえて、「そもそも自分が受けるべきはG検定なのか」を確認しておきましょう。
JDLAはG検定のほかにE資格も実施しています。名前が似ているうえ、同じ団体が主催しているため混同されやすいのですが、対象も難易度もまったく異なる試験です。
【表2】G検定とE資格の比較
| 項目 | G検定 | E資格 |
|---|---|---|
| 対象 | AIを活用する人材 | AIを実装する人材 |
| 問われる力 | 判断・活用のための知識 | 実装のための理論と技術 |
| 受験資格 | 制限なし | JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していることが必要 |
| プログラミング | 不要 | 必要 |
| 数学の要求水準 | 基礎的な理解 | 確率・統計、情報理論 |
| 向いている人 | 企画・営業・管理職・これから学ぶ人 | エンジニア・データサイエンティスト |
最も大きな違いは受験資格です。E資格は誰でも受けられる試験ではなく、JDLAが認定した講座を修了していることが受験の条件になります。そのため、受験までに費用と期間の準備が必要です。
順序としては、まずG検定で全体像を押さえ、実装まで進みたい場合にE資格へ、という流れが一般的です。ただし、実装を担わない職種であれば、G検定で十分に目的を果たせます。
G検定の出題範囲
受けるべき試験が定まったところで、ここからは具体的な学習内容に入ります。まず「何が出るのか」を押さえ、次の章で「どう勉強するか」を見ていきます。
2024年11月の改訂で大きく変わった
現在適用されているシラバスは、2024年11月実施の回(G2024 #6)から導入された改訂版です。2026年の試験もこのシラバスにもとづいて出題されています。
改訂の方向性は明確で、「歴史」から「現在の実務」への重心移動です。
| 拡充された領域 | 体系が見直された領域 |
|---|---|
| 生成AI(仕組み・活用・リスク) | AIの歴史に関する事項 |
| AI倫理・ガバナンス | ディープラーニングに関する知識の体系 |
| 法規制・ガイドライン |
生成AIについては、基盤モデルや言語モデルといった技術に加え、生成AIを利用する際の著作権・個人情報といった論点まで問われます。AIを「作る」知識より、「使う」ときに必要な判断の知識が重視されるようになった、と理解しておくとよいでしょう。
主な出題分野
公式シラバスは複数の項目で構成されていますが、学習の単位としては次のように捉えると整理しやすくなります。
人工知能の定義と動向
AIとは何か、これまでどのような技術的な流れがあったか。改訂で体系が見直されましたが、用語の前提として押さえておく必要があります。
機械学習の具体的手法
教師あり学習・教師なし学習・強化学習といった分類と、代表的な手法の考え方。数式を解く必要はありませんが、何をしている手法なのかは説明できる必要があります。
ディープラーニングの概要と要素技術
ニューラルネットワークの基本構造、学習の仕組み、代表的なモデル。G検定の中核にあたる分野です。
ディープラーニングの応用例と生成AI
画像認識、自然言語処理、音声処理といった応用領域と、生成AI関連の技術。改訂で最も拡充された分野です。
AIの社会実装
AIプロジェクトの進め方、データの収集と加工、運用時の課題。実務に近い視点が問われます。
法律・倫理・ガバナンス
個人情報保護法、著作権法、プライバシー、公平性、透明性、国内外のガイドライン。技術系の受験者が取りこぼしやすい分野です。
数理・統計の基礎
確率・統計の基本的な考え方。高度な計算は問われません。
シラバスは改訂される可能性があるため、学習を始める前に必ずJDLA公式サイトで最新版を確認してください。
G検定の勉強法
前章で見た出題範囲を、どの順番で、どれくらいの時間をかけて押さえていくかを整理します。

範囲が広いと聞くと不安です。どれくらい勉強すれば届きますか?

前提知識によりますが、まったくの未経験なら30〜50時間が一つの目安です。ただし時間より、進め方のほうが効きます。最初から完璧に覚えようとすると、間違いなく途中で止まります。

学習の進め方
ステップ1:シラバスで全体像をつかむ
まずJDLA公式のシラバスに目を通し、どんな分野があるのかを把握します。この段階では理解できなくて構いません。地図を持たずに歩き始めるのがいちばんの遠回りです。
ステップ2:公式テキストで用語を押さえる
現行シラバスに対応した公式テキストが刊行されています。1周目は完璧を目指さず、通読して用語に慣れることを優先してください。わからない箇所で止まらないことが重要です。
ステップ3:問題演習で穴を見つける
問題集や模擬試験に取り組みます。G検定の学習時間のうち、最も長い時間をここに充てるべきです。テキストを読んで理解したつもりでも、選択肢を前にすると判断できないことは頻繁に起こります。
ステップ4:間違えた分野を集中的に補強する
演習で明らかになった弱点分野に絞って、テキストに戻ります。全分野を均等に復習する必要はありません。
つまずきやすい4つのポイント
1.時間配分の練習をしていない
最も多い失敗です。1問40秒という配分は、練習なしでは体感できません。必ず時間を計った演習を1回は行ってください。
2.法律・倫理分野を後回しにする
技術分野に比べて地味なため後回しにされがちですが、出題比重は小さくありません。改訂で強化された分野でもあります。
3.古い教材を使ってしまう
2024年11月の改訂前の教材には、現行シラバスと合わない内容が含まれる場合があります。購入前に対応シラバスを必ず確認してください。
4.暗記だけで乗り切ろうとする
用語の丸暗記では、言い換えられた選択肢に対応できません。「なぜそうなるのか」を説明できる状態を目指してください。
独学とスクール、どちらで学ぶか

独学とスクール、どちらがいいんでしょうか?

目的次第です。合格だけが目的なら独学で十分に届きます。ただ、業務で実際にAIを扱うところまで見据えるなら、体系的に学べる環境のほうが結果的に早いことは多いです。
独学が向いているケース
- すでにIT分野の基礎知識がある
- 学習を自分で計画・継続できる
- 費用を抑えたい
- 目的が合格そのものにある
G検定は独学での合格者が多い試験です。公式テキストと問題集が揃っており、教材面で困ることはありません。
スクールが向いているケース
- AI分野そのものが初めてで、何から手をつけるか判断できない
- 用語の意味を調べるだけで時間が溶けてしまう
- 合格後、実務でAIを活用するところまで見据えている
- 学習の継続に不安がある
とくに「合格の先」を見ている場合は、独学との差が出ます。
試験対策だけを最短で行うと、合格はできても業務での応用に結びつかないことがあるためです。
また、企業の研修としてG検定対策を導入するケースも増えています。
個人の学習ではなく、チーム全体の共通言語を作ることが目的であれば、集合研修という選択肢も検討する価値があります。
おわりに
G検定は、AIを「作る」ためではなく「使う」ための検定です。
受験資格の制限はなく、プログラミングの実技も問われません。
- G検定はJDLAが実施する、AI活用のための知識を問う検定
- 受験資格に制限はなく、年6回のオンライン試験を中心に開催
- 合格率は例年高めだが、出題数の多さと範囲の広さで苦戦しやすい
- 2024年11月の改訂で、生成AIとAI倫理・法規制が大きく拡充された
- 学習の中心は問題演習。時間を計った練習を必ず行う
生成AIの業務活用が広がるほど、「AIで何ができて、何ができないか」を判断できる人材の価値は高まります。
資格の取得そのものより、その判断軸を持つことに意味がある、という視点で取り組むことをおすすめします。

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AIの資格って、プログラミングができないと合格できないのかな...。