データサイエンティストが支えるビッグデータ・オープンデータの活用事例

ビッグデータとは、従来のデータベースでは扱うことが難しい膨大なデータのことです。ビッグデータを収集・分析することで株価予測や売り上げ向上、コスト削減に役立てることができます。また、企業はビッグデータと併せて、誰でも自由に利用可能なオープンデータの活用も進めています。
ビッグデータやオープンデータの分析・活用には、専門知識を持つデータサイエンティストの存在が欠かせません。今回はデータサイエンティストが支えるビッグデータやオープンデータの活用事例についてご紹介します。
IT業界まるわかりガイドは、日本初Web専門スクールのインターネット・アカデミーが運営する業界情報メディアです。最新の業界情報を、初心者にも分かりやすくご紹介しています。
目次
急成長するビッグデータ市場

IT技術の進歩により、取り扱えるデータの種類が増え、膨大なデータの管理および迅速な処理が低コストで可能となり、ビッグデータの市場が急速に拡大しています。
IDC Japanが2016年6月に発表した「国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場予測」によると、2015年の国内ビッグデータの市場規模は前年比32.3%増の947億7,600万円です。同社はビッグデータの国内市場規模は年間平均成長率25.0%で拡大し、2020年には2,889億円に達すると予測しています。
政府も個人情報をはじめとしたビッグデータの活用を検討しており、プライバシー保護の基準策定が進めるなど、ビッグデータが社会に大きな変化をもたらすことは間違いありません。 また、国や自治体はさまざまな公共データを一般に向けてオープンデータとして開示しています。オープンデータは社会発展に寄与するため公開されたデータで、最近ではインフラ事業や防災などに活用されています。
政府はオープンデータの取り組みの一環として、2013年12月にデータカタログサイト「DATA.GO.JP」試行版の運用を開始し、2014年10月に本格版に移行しました。
データサイエンティストの必要性

ビッグデータはその名の通り、膨大なデータの集まりですが、ビッグデータ分析のためには、専門の知識やノウハウを必要とします。このようなデータ分析の専門家が、データサイエンティストです。現状ではデータサイエンティストは高いニーズがあるにもかかわらず、人材が不足しています。
データサイエンティストの仕事は「データを分析し、事業に反映させる」ことであり、必要とされるスキルは統計学や数学、業界ごとの専門知識、膨大なデータを操るIT技術と多岐にわたります。
将来性の高さから、データサイエンティストに興味をお持ちの方も多いでしょう。しかし、最初からデータサイエンティストを目指すことは大変であるため、まずは必須とされるIT技術から身に付けることをおすすめします。 データ処理に用いられるSQLやPHP、Javaなどを学ぶことにより、マーケティングに関するデータ収集の仕組みが作れるようになります。まずは、データベース関連の技術から学び、徐々にマーケティングデータを分析し、企業の意思決定などに活かせるようになりましょう。
国内におけるビッグデータの活用事例
【活用事例1】道路交通

東京ゲートブリッジでは、橋を通過する車両の重量を算出することで過積載などを監視し、橋への負担や事故のもととなる車両の走行を防ぐためにビッグデータを利用しています。
【活用事例2】航空機
ANAは旅客や荷物の重量などの搭載予定情報を瞬時に収集し、機内への搭載物の配置を瞬時に割り付けることで、運航の安全性と燃費効率の改善を果たしています。
【活用事例3】マーケティング
楽天は顧客の商品購入や履歴データを分析、顧客特性に応じた広告配信を行うことで、サービス利用者の増加やクリック率および購買率向上を実現しました。
おわりに
企業の意思決定にビッグデータやオープンデータは重要な役割を担いますが、データの有効活用のためには、データ活用のスペシャリストであるデータサイエンティストの存在が不可欠です。
インターネット・アカデミーでは、ビッグデータの扱いが容易なデータベース管理システム「NoSQL」を学べる「ビッグデータ講座」を設けている他、企業研修も承っています。 過去には、NTTコミュニケーションズ様の企業研修として、Webアプリ開発を中心としたカリキュラムの中で、ビッグデータやビッグデータの取り扱いに欠かせないデータベースについても取り上げました。研修内容はご要望に応じてカスタマイズ可能ですので、お気軽にご相談ください。