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【Java研修】押さえておきたいフレームワークは?比較4選

アプリケーション開発をしていると、異なるアプリケーションであっても基礎の部分は同じであることが多いことに気付くでしょう。アプリケーションの開発コストを抑えるため、基礎部分にフレームワークが使用されていることがよくあります。今回はフレームワークの概要と、押さえておきたいJavaのWebアプリケーションフレームワークをご紹介します。

目次

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フレームワークとは

フレームワークとは

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フレームワークとは、ソフトウェアに必要な汎用(はんよう)的な機能や骨組みを提供するものです。
大規模なWebサイトやアプリケーションなどを制作するためには、膨大な量のプログラムを書かなくてはなりませんが、フレームワークを利用することによって、経験が浅いエンジニアでも正しいプログラムを作成することができます。

代表的なフレームワーク

Webアプリケーションフレームワーク

Webブラウザ上で動くアプリケーションをWebアプリケーション、Webアプリケーション作成のために用いられるフレームワークをWebアプリケーションフレームワークと呼びます。一般的にフレームワークという場合、Webアプリケーションフレームワークを指します。汎用性が高く、機能が充実しているフレームワークもあれば、軽量で機能が絞り込まれたフレームワークもあります。

ユーティリティ系フレームワーク

ユーティリティ系フレームワークは、データのソートや文字列操作、数学関数、テストなど、アプリケーションの機能や性能、操作性を向上させるためのフレームワークです。Java Collections FrameworkやGoogle Guavaなどがユーティリティ系フレームワークに該当します。

フレームワークを利用するメリット・デメリット

フレームワークを利用するメリット

作業効率改善・開発期間の短縮

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開発を行う際にフレームワークを利用する1つ目のメリットは、生産性の向上です。フレームワークは、そのままの形で利用できるテンプレートと、再利用可能なクラス、ライブラリ、APIなどで構成されているため、コーディングの手間が省け、作業効率の改善、そして開発期間の短縮につながります。機能やデザインのカスタマイズも容易であり、限られた時間で高品質なアプリケーションを開発することができます。

 

コードの統一性を保つことができる

チームで開発を行う際にコードの統一性を保ちやすい点も、フレームワークを利用するメリットとして挙げられます。コードの書き方がエンジニアごとに異なる場合、作業効率が低下しますが、フレームワークを利用すれば、エンジニアごとのコードの書き方の違いを減らし、バグの発生を抑えることができます。

 

セキュアプログラミングが可能

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Webアプリケーションは、開発者が想定しないSQL文を挿入する「SQLインジェクション」や悪意のスクリプトを挿入する「スクリプト注入」、わなが仕掛けられたWebサイトを閲覧したユーザーに対して意図しない掲示板への書き込みや商品購入を行わせる「リクエスト強要(CSRF:Cross-Site Request Forgery)」などのセキュリティ上の脅威にさらされています。しかし、フレームワークの中には、これらの脅威を回避するためのセキュアプログラミングの機能を備えているものがあります。

フレームワークを利用するデメリット

 

フレームワークに関する知識が必要

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フレームワーク利用によってさまざまなメリットを得られる反面、フレームワーク利用にはデメリットも存在することに注意しましょう。1つ目のデメリットは、フレームワークに関する知識が必要とされることです。初めて利用するフレームワークであれば、開発作業に取り掛かる前にフレームワークを学ぶところから始めなくてはならず、学習コストが発生します。

 

プログラミング言語の理解が不十分になる可能性がある

フレームワークを利用すれば、Javaなどのプログラミング言語を理解していなくてもプログラムを作成できるため、プログラミング言語の理解が不十分になる可能性があります。フレームワークに頼りきりになるのではなく、プログラミング言語の本質を押さえた上で、フレームワークを利用することが大切です。

 

プログラミングの自由度が低くなる

フレームワークは汎用的な機能や骨組みを提供するものであり、フレームワークの利用によってプログラミングの自由度が制限されます。「これまでフレームワークを使ったことがない」「利用するフレームワークと今まで使ってきたフレームワークと違う」という場合、制約の中でプログラミングを行うエンジニアは、不満を感じるかもしれません。

企業研修でフレームワークを学ぶメリット

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フレームワークを最大限活用するためには、企業研修でフレームワークを学ばれることをおすすめします。企業研修でフレームワークを学ぶメリットとして、以下の3つが挙げられます。

エンジニアのレベルを底上げできる

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エンジニアの方の中には、スキルアップへの意欲は高くても仕事を優先せざるを得ず、集中して勉強に取り組めないという方も多くいます。忙しい時間の合間をぬって自主的にフレームワークやプログラミングの学習に励むエンジニアもいますが、個人によってどうしてもスキルに差が生まれがちです。

個人でスキルを向上させるには一定のまとまった時間が必要です。企業研修でフレームワークを学ぶメリットは、学習のための時間を企業側が確保し、プロ講師が指導することによって、確実にスキル向上を図ることができる点にあります。

エンジニア同士のコミュニケーションを活性化することができる

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同じ会社のエンジニアでも職場が異なれば、他のエンジニアとは顔を合わせることがないという環境も多いのではないでしょうか。集合研修は社内のエンジニア同士のコミュニケーション不足の解消にも役立ちます。

コミュニケーションツールの導入もコミュニケーション活性化のための方法の1つですが、コミュニケーションを活性化する一番良い方法は、実際に会って交流する機会を設けることです。エンジニア同士が技術について議論をしたり、近況を話し合ったりすることで、集合研修はコミュニケーションを深める場となります。

コードの統一を図ることができる

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エンジニアが個々のやり方でプログラミングを行う場合、コードの統一性が失われます。他のエンジニアが書いたコードを解析するために時間がかかり、修正やカスタマイズが困難になります。フレームワークを導入し、コードの統一を図ると良いでしょう。

フレームワークに関する情報は書籍やインターネットで調べることも可能ですが、「得られる情報が多すぎて勉強しづらい」「フレームワークの全体像をつかみづらい」などの難点があります。独学での学習は緊張感がなく、本人は一生懸命勉強をしているつもりでも、勉強のための勉強に陥ってしまうことも考えられます。

企業研修には社員が個別に外部の研修機関に通って学ぶ通学型と、社員を集めて会社の会議室などで研修を行う集合研修の2つがあります。会社全体でコードを統一するには、集合研修をおすすめします。

おすすめのWebアプリケーションフレームワーク

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近年、新しいプログラミング言語も登場していますが、大規模Webシステムをはじめとして、Androidアプリの開発にもJavaが多く利用されています。ここでは汎用性の高いJavaのWebアプリケーションフレームワークを4つご紹介します。

JSF(JavaServer Faces)

Javaフレームワークの1つであるJSFは、ユーザーインターフェース構築のためのフレームワークです。JSFは企業向けのJavaプラットフォームJava EE(Java Platform, Enterprise Edition)に含まれているため、Java EEを利用している場合は有力な選択肢の1つになるでしょう。

JSFでは、WebアプリケーションのアーキテクチャーとしてMVC(Model-View-Controller)モデルが採用されています。MVCとは、ビジネスロジックを受け持つ「Model」、画面表示や入出力を受け持つ「View」、ModelとViewを制御する「Controller」という3つの要素に分けて設計する手法であり、機能別の分業や保守性を高めることを可能にします。

Spring Framework

DI(Dependency Injection:依存性注入)機能を備えたフレームワークとして定評があります。依存性注入とは、オブジェクトの成立に必要なコードを分離し、プログラム実行時に注入する手法です。例えば、2つのクラスの間に依存関係があり、そのうちの1つのクラスが完成していない場合、通常、完成済みのクラスをテスト(単体テスト)することはできません。しかし、依存性注入によってクラスの依存関係が解消され、完成済みクラスをテストすることができるようになります。このため、システムを改修する場合も最低限の変更で済ませることができ、開発が楽になるのです。

Play Framework

従来のフレームワークの修正だけでは解決できない問題が発生すると、新しい考え方を取り入れることで抜本的に改善しようとする動きが生じます。PlayFrameworkもこの動きの中で登場しました。
PLスクリプト言語Rubyのフレームワーク、Ruby on Railsライクなフレームワークです。Ruby on Railsは「繰り返しを避けよ(DRY:Don't Repeat Yourself)」「設定より規約(CoC:Convention over Configuration)」を基本理念としており、Play Frameworkにも受け継がれています。自動でコンパイルされるため、自分でわざわざコンパイルする必要がありません。コードを修正すると変更内容が直ちに反映されます。

Apache Struts(アパッチ・ストラッツ)

Apache Strutsは、オープンソースソフトウェアの開発を支援するApache Software Foundationによって開発されたフレームワークです。無償で提供されており、誰でも自由に利用することができ、再開発・再配布を行うことができます。
HTMLタグと同様の役割を果たす「html」、JavaBeansのプロパティやHTMLのリクエストパラメーターを取得して新しい変数として定義する「bean」、値の比較や条件分岐などを行う「logic」、画面部品の再利用を支援する「tiles」、同一オブジェクトにアクセスする際のコーディング量を減らす「nested」などの便利なタグライブラリが用意されています。

フレームワークの選び方

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さまざまなフレームワークが存在しますが、どのような基準でフレームワークを選べば良いのでしょうか。フレームワークを選定するにあたり、まずは必要な機能を備えていること、実績あるフレームワークであることがポイントになります。

 

フレームワークを選ぶポイント

必要な機能を備えているか

例えば、Spring Frameworkは汎用性が高く、機能が充実していますが、Play Frameworkは軽量で機能が絞り込まれているという違いがあります。したがって、大規模開発のために機能重視でフレームワークを選ぶ場合は、Spring Frameworkを採用することも1つの考え方です。

実績あるフレームワークであるか

次々と新しいフレームワークが生まれていますが、マイナーなフレームワークを選んでしまうと、対応できるエンジニアが少なく、学習コストや開発コスト、メンテナンスコストが余計にかかります。そのため実績あるフレームワークを選ぶことをおすすめします。有名なフレームワークであれば、開発コミュニティや日本語ドキュメントが充実しており、情報を入手しやすいというメリットもあります。

 

フレームワーク導入に合わせた研修の実施

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フレームワークを導入することでコーディング量を減らし、生産性向上を見込むことができます。その一方で、フレームワークに慣れるまでにはある程度の時間がかかります。エンジニア全体のスキル向上を図るため、フレームワーク導入に合わせて研修を実施することをおすすめします。

おわりに

フレームワークの利用によって、開発作業を効率化することができます。集合研修を実施して全体のレベルの底上げ、およびコードの統一を図る機会にされると良いでしょう。フレームワークの選定には、客観的な目線(セカンドオピニオン)があることが望ましいと言えます。研修を企画する際は、研修先にフレームワークの選定について相談することをおすすめします。

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参考URL

JavaServer Faces(Oracle)
Java EE(Oracle)
Spring Framework(Pivotal Software)
Play Framework(公式サイト)
Apache Struts(Apache Software Foundation)

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