日本デザインセンターが考える
これからのデザイン業界で求められる企業とは
色部義昭
YOSHIAKI IROBE
日本デザインセンター
色部デザイン研究室
グラフィックデザイナー/アートディレクター/取締役
PROFILE
1959年、日本の広告デザインの発展と質的水準の向上をはかる創造集団として設立された、広告・デザイン制作会社「日本デザインセンター(以下、NDC)」。1964年の東京オリンピック、1998年の長野冬季オリンピックに関わるデザインを行うなど、戦後日本のデザイン史をリードしつづけてきた実績を持つ。今回、インターネット・アカデミーへ全社員を対象としたWebリテラシーやWebデザインの研修をご依頼頂いたことがきっかけで、同社の色部デザイン研究室室長の色部氏に話を伺った。色部氏はSDA、JAGDA、東京ADC、D&AD、One Show Designなどのデザイン賞を国内外問わず受賞する世界的なグラフィックデザイナーおよびアートディレクターであり、東京藝術大学の非常勤講師としても活躍している。
運営サイト
INTERVIEW
リテラシーとしてのWebスキルを全社員が持つべき理由
今回、全社員対象のWeb研修をお願いした背景には、Webサイト制作の知見も日本デザインセンター(以下NDC)の武器として使っていきたいという考えが社内に浸透してきた、という流れがありました。これまでの広告制作に加え、すぐさま多くの人にメッセージを届けることができるWebの知識を学ぶことで、活動の幅を広げるだけでなく、NDCの強みをより確かなものにできると考えたのです。
たとえWeb制作スキルを使って実作業を行うような立場でなかったとしても、最低限、その仕組みを理解していることが、Web社会における紙媒体での制作やブランディングの提案などに活かされるはず。そういった理由から、社員全員がリテラシーとしてWeb制作スキルを身に付けるというのが最初の研修の目的でした。
インターネット・アカデミーだから依頼できた
研修プログラム
インターネット・アカデミーに研修をお願いする決め手になったのは、NDCの現状の悩みにフォーカスし、研修内容をカスタマイズして実施することができたためです。
NDCはこれまで、紙媒体をベースとしたヴィジュアル・コミュニケーション提案を中心に承ってきたので、コンピュータの仕組みやIT業界の現状を専門的に理解できる人材が限られていました。その状況に合わせ、研修ではコンピュータの基礎から応用まで体系的にWeb制作の技能面を教えて頂きました。
また、200名近くの全社員を対象とした研修の実施にあたり、柔軟に日程を組むことができたことも大きなポイントでした。
今回の研修を通じて、インターネット・アカデミーの研修は丁寧にかつ、社員全員がもれなく、Webの仕組みを学べる場だと感じています。
研修後は、NDCが強みとしてきた紙媒体寄りのデザインだけではなく、Webデザインの分野へも理解度が深まり、確かな手応えを感じた社員が多かったはずです。もともと知識があった社員も、業務上のミーティングで今まで以上に円滑にWebデザインの議論を行うことができています。
これまでの強みとWebスキルの両立
NDCは今後、Web分野にも深く注力することで、グラフィックデザインなどこれまで行ってきた制作との強みの両立を目指していきます。すべての社員がインターネット・アカデミーでの研修を通じ、リテラシーとしてのWebスキルを身に着けたことで、NDCの制作に還元し、さらにWeb制作を含めた全方位のコミュニケーション提案が可能になると考えています。
デザイン業界では、制作したプロダクトをより多くの人が目にしたり、聞いたりすることが重要です。そのため、昨今ではWebを活用したプロモーションが欠かせないものとなってきています。ここでNDCがとるべき戦略は、Webスキルへのリテラシーの高さだけを追求するのではなく、Web分野とこれまで培ったノウハウをうまく融合して、新しい「価値」を顧客に提供することだと考えています。顧客の求める「価値」を実現する手段を、柔軟に使いこなすことのできる企業がこれから求められていくのではないでしょうか。
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