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2020.08.06
「Linux入門!Linuxを学んで資格取得を目指そう」レポート

Linux入門!Linuxを学んで資格取得を目指そう

Linuxの技術を証明する世界的な資格試験「LPIC」を提供しているLPIより伊藤 健二様をお招きし「Linux入門!Linuxを学んで資格取得を目指そう」ウェビナーを開催しました。

ここでは、講演の一部を紹介します。

LPI日本支部の講演

講演者LPI日本支部
伊藤 健二 様

前半のセッションは、LPI日本支部の伊藤 健二様より、オープンソースソフトウェア(OSS)を取り巻く現状や、Linuxやエンジニアのニーズ、LPIC資格を取得するメリットについてお話をいただきました。

OSS・Linuxの動向

オープンソースソフトウェア(OSS)の定義として、Open Sourse Intiativeでは「自由な再配布ができること」「ソースコードを入手できること」「派生物が存在でき、派生物に同じライセンスを適用できること」「技術的な中立を保っていること」などを定めています。

要約すると、次のような特徴があるといえます。

  • オープンソースとは著作権が放棄されたソフトウェアではなくオープンソースのコミュニティで運用されて著作権が守られているソフトウェアである
  • ソースコードがインターネットなどで公開されている
  • 再配布と改変の自由がある

主なOSSとしては、OSの分野ではLinux、スマートフォンではAndroid、データベースではMySQL、PostgreSQLなどが当てはまります。一方の商用ソフトウェアとしてはWindowsやMac OS、Oracleなどが該当します。

OSSの利用の幅は広がっており、利用率の上位には「Linux(63.8%)」「Tomcat(35.9%)」「Samba(29.1%)」「MySQL(26.5%)」「OpenLDAP(15.5%)」が登場しています。(※1)

近年では日本国内におけるサーバーOS市場でもOSSの採用が広がってきており、1999年はWindowsがサーバーOS出荷本数シェアで81.3%を占めていましたが、2019年はLinux/Unixが69%、Windowsが31%とシェアが逆転しています。たとえば、AWSやAzure、Google Cloudなどの主要なクラウドにおいてもLinuxの利用が加速してきています。最近の話題だと、SpaceXの打ち上げのシステムにもLinuxが利用されています。
(※1)IDC Japan 2016より

エンジニアの人材需要

経済産業省によると、今後はIT人材の不足が進んでいき2030年では最大で79万人が不足すると言われています。また、「2025年の崖」という問題も懸念されています。

これは、今、さまざまな企業が将来のビジネスの成長や競争力強化のためにDXの重要性を理解し、取り組もうとしていますが、DX化が実現できなければ、2025年以降に毎年12兆円の経済損失が生じる可能性があるという問題です。

そして企業のDXを阻害している要因がシステムの老朽化です。これまで多くの企業のシステムはSIerによって開発されてきましたが、事業部門ごとに構築されていたり、過剰なカスタマイズがされているなどシステム全体が複雑化、ブラックボックス化しており、修正が難しくなっているという現状があります。

今後、DX化が進むにつれて、ユーザー企業にエンジニアが移動していくのではという見方も出てきています。こうした背景もあり、オープンソースのスキルを有した人材を求めている企業も増えてきています。

LPIC資格取得とメリット

LPIではLinuxを始めとしたオープンソースの資格試験を提供しています。特にLPICの資格は企業のニーズも高く、日経xTECHの「昇給や昇進に役立つIT資格トップ20」ではLPICが民間資格では4位にランクインしています。

また、最近はLPICの入門資格として提供をはじめた「Linux Essential」も受験者が増えてきています。

LPIは国際的な非営利団体として活動しており、LPICの資格は世界中のエンジニアが共通の基準で認定されています。そのため、就職や転職をする際のスキルの証明として強力な武器になります。また、LPIコミュニティのメンバーとしてのメリットを享受できます。

インターネット・アカデミーの講演

講演者インターネット・アカデミー
金正煒

後半のセッションでは、インターネット・アカデミーの金正煒より、サーバーの基礎知識を紹介し、インターネット・アカデミーのライブ授業で行っているサーバー講座の実習を紹介しました。ここでは、サーバーの基礎知識についての講演の一部を紹介します。

サーバーの役割

ECサイトを使うケースを例にサーバーについて説明します。ここではクライアントとサーバーの概念が登場します。クライアントとは、普段、私たちがスマートフォンやPCで使っているブラウザが該当します。サーバーについては、映画などにも良く出てくるこのような写真をイメージするとわかりやすいと思います。

たとえば、ECサイトで商品を検索すると、商品の候補が表示されます。この検索をした時に、スマートフォンからサーバーにリクエストが発生します。そして、サーバーからはそのリクエストに応じたレスポンス、つまり検索結果などの情報を返します。このサーバー側では、ログインのシステムや商品検索のシステムなどを構築しているプログラムが動いており、これらをサーバーサイドスクリプトと呼んでいます。また、顧客データや商品データを管理しているデータベースもサーバーで動作しています。

私たちの日常生活では、さまざまなWebサービスを使っています。そして、これらのサービスを支えているのがサーバーで、Linuxはその中でも高いシェアを誇っています。

GUIとCUI

私たちが使っているPCもサーバーも同じコンピューターですが、インターフェースに大きな違いがあります。

PCやスマートフォンはGUI(Graphical User Interface)という視覚的に、直感的な操作ができるインターフェースが特徴です。一方のサーバーマシンではCUI(Character User Interface)というインターフェースです。Characterとは「文字」という意味の単語です。つまり、文字だけ、つまりコマンド入力で操作をしていくインターフェースです。

サーバーマシンでもGUIで操作することもできますが、一般的にはエンジニアはCUIで操作をします。それでは、なぜエンジニアはビジュアルでわかりやすいGUIではなく、コマンドベースのCUIを使っているのでしょうか。

それは、GUIではアイコンなどの画像の描画処理にメモリを使ってしまい、マシンの処理が重くなってしまうからです。サーバーには同時に多くのアクセスが集中することも予想されますが、GUIでメモリを使ってしまうと、サーバーの処理速度に影響が出てしまう可能性があるため、一般的にはエンジニアはCUIで操作をしていきます。

インターネット・アカデミーのサーバー講座

今回の授業で紹介した知識や実演は全12回の授業の導入部分です。この授業では、サーバーの運用管理で活用する様々なコマンドを、実際に打ち込んで操作しながら学習していきます。また、TCP/IPなどのネットワークについての知識や、不正なアクセスを遮断するために必要なパケットフィルタリング、実際のサーバーを運用する際に生じる様々なトラブルへの対応方法などを学習していきます。LPICの資格に向けた対策も行いますので、LPICの資格を検討している方は、ぜひこの講座の受講も検討してみてください。

Linuxの運用ノウハウから資格取得まで「サーバー講座」
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