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2014.09.13
Amazon担当者が語るクラウド入門セミナー

10/16(木)にクラウドビジネスに興味がある方を対象にしたBOHRミーティングを開催しました。

Amazon担当者が語るクラウド入門セミナー

今回のBOHRミーティングでは、アマゾン データ サービス ジャパン株式会社技術本部の吉荒祐一様をお招きし、クラウドの基礎知識やAmazonのクラウドサービスであるAmazon Web Services(AWS)を踏まえたクラウド活用例をお話し頂きました。本セミナーには、受講生の方のみならず、法人担当者の方も参加され、「クラウドサービスについての理解が深まりました」「実際現場で仕事をされている方の話なので、実践的で勉強になります」などのお声を頂きました。

クライドコンピューティングとは

Amazonがクラウドに取り組む理由

Amazonがクラウドに取り組む理由

一言でクラウドといっても、Amazon、Google、Microsoftなど多くの企業が様々なクラウドサービスを展開しています。

クラウドの技術解説の前に、まずはAmazonが何故クラウドサービスを始めたのかを、歴史を踏まえてお話し頂きました。

「1995年に通信販売企業として創設したAmazonは品揃えと価格を徹底的に追求するビジネスモデルが功を奏し、急激に成長しました。しかし、急激に成長したためにAmazonは複数の課題を抱えることになりました。

課題を解決するためにAmazonは継続的な改善を行ってきました。例えば、2001年頃、複数のデータセンターを使うアーキテクチャ(ハードウェアやソフトウェアなどの基本設計や設計思想)を採用したことです。しかし、これは確かに堅牢性(システムやデータの壊れにくさのこと)や可用性(システムが継続して稼動すること)が向上しましたが、データセンターごとにハードウェアを購入するため、多額の費用がかかりました。また、この頃Linuxやオープンソースへシフトを行い、商用製品ではなく自前でシステムを組むように徐々に移行しました。

そしてついに2006年に大改革が行われました。まずはインフラ技術者とアプリ技術者の打ち合わせを禁止しました。アプリ技術者がサーバーやストレージなどのインフラを調達したいとき、インフラ技術者に申請してインフラを用意するのではなく、APIを利用してプログラムを入力することにより、サーバーやストレージが用意される、そういう仕組みを作りました。

また、スケールアップ(1台のサーバーの機能や性能を強化すること)からスケールアウト方式(サーバの台数を増やし、1台の処理負荷を減らすこと)への転換を行いました。APIを入力するだけで必要なインフラが手に入るので、アプリ開発のスピードも向上しました。

2006年に大改革が行われた結果として、自分達のビジネスを加速的に成長させてくれるITサービスは他の企業の役にも立つのではないか、こうしたところから始まったのがAWSというAmazonが提供するクラウドサービスです。

このように、Amazonの社内において発生したビジネスの課題を解決するために、ビジネスの基幹システムを支えるクラウドとして、AWSは生まれました」

クラウドの利便性

クラウドの利便性

データを保存するためのオンラインストレージ、自社システムの補完や補強のためのホスティングサービス、アプリケーション開発・利用のためのプラットフォームなど、クラウドは様々な場面で活用することができます。企業はクラウドをビジネスに導入することで業務の効率化、費用の削減などの恩恵を受けることができます。

「クラウド(コンピューティング)の特徴は、初期投資が不要であること、低額な変動価格で扱えること、そして実際の使用分のみ支払えばいいことです。また、新しいインフラが必要になったらセルフサービスですぐに手に入ること、スケールアップ、ダウンが容易なこと、そしてサービスの市場投入と俊敏性の改善に役立つことがあげられます。ビジネスを加速する、それがクラウド・コンピューティングの役割です」

Amazon Web Servicesで見るクラウドサービス

クラウドを構成するAmazonの製品群

クラウドを構成するAmazonの製品群

数々の恩恵をもたらすクラウドですが、実際に企業がクラウドを導入する際にどういうサービスを選べばいいのでしょうか。セッション2では、その具体例として、Amazonの展開するクラウドサービスAWSの具体的な製品についてご紹介頂きました。

「AmazonはAmazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)という、規模の変更が可能なクラウド上の仮想サーバを提供しています。これは数分で起動可能であり、1時間ごとの従量課金です。サーバーに何か処理をさせたいとき、Amazonのサービスを利用すれば、ユーザーはパーツを買ってきてゼロからサーバーを組み立てる必要がありません。また、スケールアップ・ダウン、スケールアウト・インが即座に可能であり、WindowsやLinuxなど多様なOSを使うことができ、お手持ちのソフトを仮想サーバでそのまま利用することができます。

また、EC2のオートスケール機能も非常に特徴的です。これは負荷に応じて、EC2の台数を増やしたり減らしたりできる機能です。例えば、CPU負荷が80%が5分間続いたらサーバを1台増やす、CPU負荷が30%が15分間続いたらサーバを1台減らす、最小台数は2台で、最大台数は5台とするといったルールを決めて運用することにより、ピーク対応が楽になるだけでなく、必要な分だけサーバーに費用を掛けることになるので、コストを最小化することができます。例えば、テレビショッピングを営む企業は、急激なアクセスに自動的に対応するために、EC2を導入しています。

Amazonの提供するクラウドストレージサービスとしてAmazon Simple Storage Service(Amazon S3)があります。これはAmazon初期から提供しているサービスですが、データを書き込むと、3つ以上のデータセンターにデータを自動複製してくれます。どこかのデータセンターのデータが壊れてもデータは消えません。設計上のデータ耐久性は、99.999999999%です。また、従量課金で1GB当たり約3.3円と非常に安いです。これをWebサーバーとして利用すれば、5円と掛からずWebサイトを維持することもできます。

また、Amazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)ではクラウド内にプライベートネットワークを構築可能することができたり、Amazon Relational Database Service(Amazon RDS)を活用するとクラウド上でデータベースを構築でき、Amazon Redshiftを使うとデータ分析も行うことができます。このようにAmazonは非常に多くのサービスがありますので、ユーザーはレゴを組み立てるようにシステムを作っていくことができます」

戦略に必要な3つの要素

AWS導入のメリット

「企業がAWSを導入するメリットは3つあります。

一つ目のメリットはセキュリティです。よくクラウドはセキュリティが危ないと言われていますが、AWSは強固なセキュリティを実現しています。サービスを提供するAmazon自体が個人情報を大量に扱うため、セキュリティやコンプライアンスを非常に大事にしているからです。Amazonが培ってきたセキュリティの考え方や技術をAWSに活用しているため、ユーザーのシステムとアプリケーションで非常に高度なセキュリティが確保されています。金融機関や保険会社など、高度なセキュリティが求められる組織でもAmazonのクラウドサービスは活用されています。

二つ目は性能です。予算に応じて最適な性能を持ったサーバーを利用していただくことができます。

三つ目として、冗長性(一部の設備が故障しても、サービスを継続して提供することができること)のある強固なインフラというのも特徴です。AWSではデータセンターはグローバルに設置されており、自分以外の全てのマシンは拡張用であるため、どこかのサーバーに障害が発生したとしても別のサーバーが動きます。また、メンテナンスや通信帯域の確保などはAmazonが行いますので、管理も楽です。トラブルが発生しても余裕を持って動かすことができます」

最後に

最後に本講演の締めくくりとして、クラウド活用のメリットをまとめて頂きました。

「クラウドの世界では、サービスを使った分だけお金を支払えばいいのでコストコントロールが容易になります。また、物理的なサーバーを自社内に置く必要がなくなるため、盗難などのリスクも減少します。さらには、複数のデータセンターを利用することにより冗長性も向上します。

企業がクラウドを導入することにより、新しい分野へのヒト・モノ・カネを投資することが可能になります。ぜひクラウドを活用し、皆様のビジネスの加速にお役立て頂ければと思います」

講演者プロフィール

アマゾン データ サービス ジャパン株式会社
吉荒 祐一 氏

1985年3月東京大学法学部卒業。1985年4月日本アイ・ビー・エム株式会社入社。SEとして金融、製造業等のお客様を担当。1994年1月同社退職。1994年2月ソフトウェア開発、SEサービス事業を創業。製造業、公共機関等をお客様とし、グループウェア、Webから防災システムまで幅広いシステムを構築。2013年2月アマゾン データ サービス ジャパン株式会社入社。技術本部 公共担当ソリューションアーキテクト所属。

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