2013.08.16
最新のWebフォント活用方法セミナー

フォント選びのコツ

前半は、株式会社モリサワの阪本圭太郎様からフォントの選び方のコツについてお話をしていただきました。

デザインにおいてフォントは声のような働きをします。たとえば、「こんばんは」という言葉を書いたときに、そこに用いたフォントの太さや形によって、落ち着いた印象にも元気な印象にもなります。デザインで表現したい雰囲気に合わせてフォントを選ぶと効果的とのことです。

フォントの雰囲気は、文字の骨格の形によって変わってきます。たとえば、文字のふところ(空間)が広いフォントはモダンな印象を与えやすく、狭いものものは古風な印象を与える傾向にあります。また、文字の重心が高いフォントは格調高い印象になり、重心が低いフォントは親しみやすさを与えやすくなります。こうした文字のもつ印象をもとに適切なフォントを選んでいきます。

しかし、実際には雰囲気だけではなく、ユーザーへの情報伝達のしやすさも考慮しながら選ぶ必要があります。道路標識のフォントをお洒落だけど読みにくいフォントにしてしまうと、重要な情報を届けることができなくなってしまう可能性があるので、遠くからでも読みやすいフォントを使うのが一般的です。

このようにフォントを選ぶときは、そのフォントがデザインで表現したい雰囲気に合っているかということと、そのデザインがどのような場面で使われるかということを考慮すると良いそうです。

また、最後にフォントのサービスについてお話をいただきました。フォントには様々な製品やサービスがあり、用途に適したものを選ぶことが大切です。Webフォントを使うときに役立つクラウドフォントサービス『TypeSquare』を紹介していただきました。

講演者

デジタルフォント、組版ソフトウェア、オンデマンド印刷機などの開発・販売、文字に関するソリューションを提供する日本有数のフォントメーカー。モリサワのフォントは市場シェア第一位を誇っている。昨年から、さまざまな書体をWebフォントとして利用できるクラウドフォントサービス「TypeSquare」を展開している。

クラウドフォントサービス「TypeSquare」

実践！Webフォントデザイン

後半はクックパッド株式会社のデザイナーである元山和之様から2013年のWebフォント事情や、Webフォントを用いた実践的なデザイン手法についてお話いただきました。

Webフォントはフォントサーバーからデータを配信することでユーザーのデバイスにインストールされていないフォントを表示させる機能です。本来はユーザーのデバイスにインストールされているフォントしか表示することができませんが、Webフォントを用いることで環境を問わず様々なフォントが表示できるようになります。

これまではWebフォントを導入するのにデータの読み込みが重いなどのさまざまな課題もありました。しかし、2013年に入り、Webフォントとの連携を前提にしたWeb制作ツールがリリースされたり、TypeSquareをはじめとしたWebフォントサービスの充実、無料の日本語Webフォントが作られるようになるなど、Webフォントを使うための環境が整ってきているそうです。

また、元山様がWebフォントを用いたデザインを行うときに活用しているテクニックについても紹介をしていただきました。

Webフォントをそのまま使うだけではデザインのクオリティを高めるには不十分です。ただ文字を打ち込んだだけだと文字のバランスが良くないので、文字間隔などのバランスを美しく見えるように調整することが大切です。こうしたタイポグラフィについてのお話をしていただいた後に、それをCSS3・JavaScriptで表現するためのテクニックを、実際のソースコードと照らし合わせながら解説をしていただきました。

講演者

1985年生まれ。名古屋市立大学芸術工学部卒業後、広告代理店の制作を経て株式会社はてなでデザイナーとして勤務。はてなブックマークのメインデザイナーなどとして務めた後、2013年3月よりクックパッドにデザイナーとして入社。

元山和之様のWebサイト(くらげだらけ)

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