収入UPの転職を目指す方へ

2016年国家予算に見るIT業界注目のキーワード

  • 2016/02/28
2016年国家予算に見るIT業界注目のキーワード

1年間の国の動向を知る上で重要な指針となるのが、国家予算です。
昨年の12月24日、政府の臨時閣議で予算案が決定されました。 医療・年金・子育て支援などの費用が膨らみ、総額96兆7218億円にも及ぶ過去最大の予算額となっています。 今回は、国家予算から読み取れるIT業界注目のキーワードについてご紹介します。

IT業界まるわかりガイドは、日本初Web専門スクールのインターネット・アカデミーが運営する業界情報メディアです。最新の業界情報を、初心者にも分かりやすくご紹介しています。

目次

一億総活躍社会に向けて

第三次安部海造内閣の目玉政策となっているのが、「一億総活躍社会」の実現です。 2016年度国家予算にもその趣旨は織り込まれ、

  • 「第一の矢・希望を生み出す強い経済」
  • 「第二の矢・夢を紡ぐ子育て支援」
  • 「第三の矢・安心につながる社会保障」

...の、新・三本の矢の方針のもとに、事業を実施することが内閣官房から発表されています。(参考:内閣官房一億総活躍推進室「平成28年度予算案の概要」より)

これら三本の矢にて強化された事業と関わりのあるキーワードで、今後検索数が増えそうな言葉をピックアップしてみましょう。

IoT・ロボット・人工知能の技術開発実証等支援

27年度の予算に比べ福島・被災地の復興・ 再生、とりわけ原子力災害からの福島の復興・再生に全力を挙げて取り組む姿勢が見受けられます。
イノベーションを生み出す環境整備に向けての体制強化、次世代の市場創造に向けて研究開発を推進していこうという姿も垣間見れるのではないでしょうか。 ここで技術開発と関わりあるキーワードを何件かご紹介させて頂きます。

IoT(モノのインターネット化)

Internet of Thingsの略で、コンピュータや通信機器だけでなく、家電など様々なモノに通信機能を持たせ、新しいサービスを生み出すという考え方。 2015年には様々な分野でIoTが加速したが、2016年にはインターネット接続によるメリットが不明瞭なものは淘汰され、ビジネスモデルが確立されていくものと考えられる。

インダストリー4.0

ドイツ政府が主導する国家プロジェクト。「第四次産業革命」を起こす取り組みと位置づけられ、工場の設備をインターネットでつなげることで革新を目指す。 これまでは大企業が先導していたが中小企業にも裾野が広がり、海外からの関心も高まっている。日本においても同様の取り組みをする工場が増加すると考えられる。

MVNO(仮想移動体通信事業者)

Mobile Virtual Network Operatorの略。自ら無線通信回線設備を用意するのではなく、NTTドコモなどのキャリアから設備を借り受けて、移動体通信サービスをリセールする事業者、またはサービスのこと。「格安スマホ」はMVNOによって提供される。

シェアリングエコノミー

ソーシャルメディアの発達により可能になった、モノや金、サービスの交換や共有を行おうとする新しい経済の仕組み。欧米を中心に広がりつつある。 例えばインターネットやスマートフォンを利用して、会員同士で車のシェアリングを行うサービス「Zipcar」(ジップカー)がある。

観光産業の振興

日本政府観光局は2014年の1年間に日本を訪れた訪日外国人の人数が前年比29.4%増の1341万4000人となったことを発表。 2014年の訪日外国人の増加について、観光庁、JNTO が実施してきたプロモーションと日本国内のインバウンド業界の機運の高まりを要因に挙げました。

それでは、観光産業に関わる知っておくべきキーワードをいくつかご紹介いたします。

インバウンド

訪日外国人旅行のこと。日本人の海外旅行はアウトバウンドという。日本はインバウンド数を高めることを目標としており、2016年までに1,800万人、2020年までに2,500万人、将来的には3,000万人を目指しインバウンド振興策を実施している。

民泊

もともとは個人宅に泊まることを総称していうが、最近では有償で短期間、旅行客に民家を提供するサービスの事を指す。 個人の自宅をホテル代わりに貸し出すサービスとしては、インターネットを利用する「Airbnb」が有名。「Airbnb」はシェアリングエコノミーの一種である。

公衆無線LAN(Wi-Fi)

公共施設やカフェなどで、無線LANを利用したインターネットへの接続を提供するサービスのこと。 外国人観光客の増加に伴い観光地などで公衆無線LANの設置・利用が進んでいる。 一方で、利用する際はセキュリティに注意する必要がある。

MICE(マイス)

Meeting(会議・研修)、Incentive(報奨・招待旅行)、ConventionまたはConference(国際会議や学術会議)、Exhibition(展示会)またはEventの頭文字をとった造語。 ビジネスイベンツともいう。一度に大人数が動き、一般の観光旅行に比べ参加者の消費額が大きいことなどから、経済波及効果が期待されている。 日本でも、自治体による海外向けの誘致活動が今後さらに盛んになると予想される。

IR(統合型リゾート)

大規模会議場などのMICE施設、ホテル、商業施設やアミューズメントパーク、スポーツ施設などに加え、カジノを設置した複合観光集客施設。 海外のIRを参考に日本でも設置の動きがあるが、現行法ではカジノが違法とされているため、法制度化が問題となっている。

女性の活躍支援

女性の活動を支援する予算関連も増加傾向にあり 今からご紹介するキーワードも今後検索数が増えるのではないでしょうか。

ワーク・ライフ・バランス

仕事と生活の調和のこと。仕事がなくても、逆に仕事がありすぎてもワーク・ライフ・バランスは実現できない。少子化や人口減少の原因の一つに、働き手(特に女性)が子育てや親の介護と仕事との両立に悩んでいることがあげられる。女性に育児や介護の負担が集中しがちな現状を見直すとともに、各自のライフスタイルに適した仕事環境を実現させることが、女性が活躍する社会の前提となる。

週休三日制

平成25年9月、東京オリンピックの担当となった下村文部科学大臣が打ち出した「夢ビジョン」の中で掲げられている取り組み。 心身ともにリフレッシュした状態で仕事に取り組めるので、勤労意欲や生産性の向上が期待できる。

一方で、週休三日制を導入した企業の中には、一週間の仕事時間を変えずに休みだけ増やす(一日の仕事量が増える)というケースもあり、忙しさは変わらないのではないかという批判もあります。

まとめ

一億総活躍社会の実現に向けて、世の中は着実に動きつつあります。 また、どの分野をとってみても、IT技術の活用が欠かせず、ますますビジネスの成功はもちろん、社会人の基礎スキルとしてIT・Web関連のキーワードを知ることが求められていることがわかります。

「先んずれば人を制す」。時代の動きを素早くキャッチして、ITの知識をつけ、新しい流れに柔軟に対応していける人材を目指しましょう。