業務自動化(RPA)の波に乗るには?導入にIT研修が効く理由
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- 2021/09/13
業務自動化が、労働力不足により増加する1人1人の負担を減らす手段として活用されるようになっています。特にAI(人工知能)やチャットボット、RPAは、業務自動化を実現する代表的な技術として挙げることができます。
なかでも、これから注目すべきなのがRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)(Robotic Process Automation)です。まだ、聞きなれていない方も多いのではないでしょうか。
RPAは単純なPC業務の自動化への取り組みを意味しますが、その注目度は年々高まっており、2016年度には85億円だったRPA市場規模が2021年度には1020億円まで伸長し、5年間でおよそ10倍以上に成長すると予測されています。今回はRPAに対する疑問から、導入に際してのポイントまでをご紹介します。
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目次
業務自動化(RPA)とは?
RPAは、ソフトウェアロボットを使って定型的なPC作業の自動化をはかる取り組みを指します。これまで人が行ってきた単純作業を効率化するイメージです。 ビジネスにおけるデジタル化の波や、少子高齢化社会で労働者が減少していく中で、本当に必要な業務に専念したり、少ない人数でも生産性を高めたりすることを目的としてRPAの導入が進められています。
企業において最も重視すべきテクノロジー(1~3位の合計)
矢野経済研究所のRPAに関する予測では、2021年度以降も中期的に成長は継続し、2023年度のRPA市場規模は事業者売上高ベースで1,520億円まで拡大すると予測されています。
RPA導入のメリットとは?
業務自動化と聞くと、AIの導入やIoTという先端技術を大がかりに導入するイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。もちろん、現在使用しているITシステムそのものを効率化のために刷新する方法もありますが、コストや時間をネックに感じる担当者も多いのが現状です。
RPAによる業務効率化は、システムの大幅な変更に比べると比較的短期間かつ低コストで済みます。短期的な改善策として適しており、人手不足が特に深刻化している中小企業でも手軽に導入できるというメリットがあります。また、ロボットが作業を代替することで人為的なミスを減らし、精度を高めることができるというメリットも挙げられます。
自動化できる業務とは?
では、現在の業務にはRPAが導入できるのか気になるところですよね。ソフトウェアロボットが主に担うのは、PC上の単純な操作が中心です。例えば「Excelのデータをシステムに入力する」等、ワークフローが定まっている事務作業です。そのため、バックオフィスの業務改革での活用(具体的には帳簿入力や伝票作成、ダイレクトメールの発送業務、経費チェック、顧客データの管理、ERP(基幹系情報システム)、SFA(営業支援システム)へのデータ入力、定期的な情報収集など)が様々な業界で期待されています。
RPAの三段階の自動化レベル
RPAには三段階の自動化レベルがあります。前述した「ソフトウェアロボットが主に担うPC上の単純な操作」というのは、レベル1の「定型業務の自動化」にあたります。三段階目の「高度な自律化」に該当するような製品やサービスはまだ存在していませんが、ポテンシャルを感じるものは登場していて、市場の期待も大きい分野です。
- 定型業務の自動化(情報取得・読み取り・入力作業など)
- 非定型業務の自動化(知識ベース活用の問い合わせ回答)
- 高度な自律化(問題発見・意思決定・高度な分析)
ホワイトカラー業務が得意な「ソフトウェアロボット」とは?
RPAにおいて単純なルーチーンワークを自動化するのが、ソフトウェアロボットです。組み立て作業など手足の動きを代行する産業用ロボットに対して、キーボード入力などのPC操作を代行します。また、データを参照して判断するような作業も担うことができます。 プログラミングで業務を自動処理するアプリケーションを開発するよりも、簡単に設定することが可能です。
自動化の仕組みとは?
手軽に導入できるRPAツールは様々なものが開発されており、それらの仕組みも多種多様ですが、基本的な自動化の流れは以下の通りです。
- 自動化する作業ルールを所定の方法でRPAツールに入力
- 入力内容をもとに操作手順のプログラムが作成される
- プログラムが動作する
さらに、RPAツールに中にも大きく分けて以下の2種類があるので簡単にご紹介します。
テンプレート型RPA
自動化の設定にプログラミングが不要なので、手軽さが人気のツールです。単純な定型作業を自動化するときに向いています。
画像認識を使って作業を指定する、座標指定によって作業を認識させる、作業対象をHTMLなどの情報から構造的に把握するといった方法で、自動化する作業をソフトウェアロボットに認識させます。
開発型RPA
Ruby やJAVA、PHP、C# などの汎用的なプログラミング言語を使って、ソフトウェアロボットを作成できます。比較的簡単に開発・管理・維持ができるフレームワークであり、顧客特有の業務フローなど、一定程度複雑な業務を自動化する際に向いています。
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業務変革の歴史
ロボットによる業務自動化というと、工場で見られる産業ロボットがイメージしやすいのではないでしょうか。RPAにつながる業務変革の歴史をここで簡単にご紹介します。
製造業において1950年代から始まった変革を皮切りに、産業界では様々な技術が登場してきました。
コンピューターが広く普及し始めた1970年代には、コンピューターとコピー機やファックスを合わせてオフィス業務の自動化が広がりました。その後も様々な業務管理システムが利用されるようになり、業務環境は変化し続けています。
そして5年程前からは、クラウドやIoT(Internet of Things)等の情報技術を活用したサービスの提供が行われるようになりました。
上記の流れの中で、今日ではデジタルレイバーと呼ばれているPC上で稼働するRPAツールが登場し、業務自動化の領域が広がりを見せています。
全体としては、人が判断しコンピューターを動かす時代から、コンピューターが自律的に判断し動くような時代へと変革が起こっているのです。
RPA導入を進める企業とは
日本においてRPAは、煩雑な手続きの多い金融機関において先行して導入され、経費精算や単純な事務作業を自動化するパターンが一般的でした。金融業界が生産性の面で成果をあげたことで、現在では異なる業界へも広がりを見せています。 特に、大企業でのRPA導入が進んでおり、生産性向上の効果を得ている事例もあります。 NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社の「働き方に関する調査」によると、働き方改革を実施し生産性向上を実感したと回答した企業の40%以上がRPAをはじめとしたテクノロジーを活用しているとしています。
IT活用と生産性の向上 (N=78)
RPAなどのテクノロジーの活用が、生産性向上において大きな鍵となってくることが分かります。
RPA導入、そして生産性向上を成功させるためのポイント
業務内容は会社によって大きく異なるので、導入にあたっては業務の洗い出しや手順の細かな設定が必要となります。必ずそれぞれの現場に即したカスタマイズが必要になるということです。導入後も不具合があれば微調整を行うことがあるので、ただ依頼するのではなく社員も主体的に関わることが重要となります。
RPA導入に失敗しないためにも、やっておくべき施策をご紹介します。
施策1.現場担当者をRPA担当者に任命する
実際に現場で行われている事務作業というのは、すべてがマニュアル化されているわけではありません。業務の洗い出しや選定の際は特に、効率化できる業務を最も知り尽くす現場の業務担当者が主導して行うことをオススメします。
施策2.現場担当者のITリテラシーを高める
担当者や関係社員がRPAに関わるIT知識を身につけておくことをオススメします。それによって業務改革をスムーズで効果的に実施でき、長期的に利用・管理していく作業を任せられるというメリットがあります。実際に、知識の浅い社員にRPA導入を任せたことで混乱が生じるケースもあります。
失敗を防ぐにはRPAに関わるITスキルを事前に学んで理解し、「そもそもどのような業務が自動化できるのか」等を主体的に提案・実行できるようになることが望ましいと言えます。 また、ITリテラシーを身につけることで導入後の細かな変更に対しても社内で柔軟に対応でき、専門の業者に毎回依頼するよりもコストを抑えることが可能です。ITスキルを高めるためには、社内または専門の教育機関で事前にIT研修を実施することをオススメします。
施策3.ITコンサルティングを依頼する
RPA導入においては、どの業務プロセスを自動化するかを適切に選択することが大切です。導入時の業務選択を誤ってしまうことで、コスト削減や生産性向上など本来の目的が未達成になることもあります。業務改革開始時には、ITのプロにコンサルティングを依頼するのが確実な方法だといえます。
IT研修を、もっと自由に。御社に合わせた内容・期間・費用でご提案します。
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おわりに
業務自動化ツールの1つ、RPAの全体像をご紹介しました。RPAについてのイメージと導入に向けたイメージはついたでしょうか。
RPAの導入にあたっては、自動化に適した業務とそうでない業務、導入によって確実にコストが下がる業務を適切に見極めることが重要となります。
社内での導入事例や、技術の蓄積が不足している場合は、IT研修に加えてコンサルティングを依頼するのも効果的でしょう。
業務改革をご検討の方へ
インターネット・アカデミーでは、ご要望や社内の課題に応じて、ITスキル研修のご提案はもちろん、実際に導入するにあたってコンサルティングのご相談にも対応しています。
また、業務自動化の導入や、その後の人材づくりにメリットとなるサポートもご用意しております。全員のITスキルを底上げするために、社員のITスキルに差がある場合でも、研修内容に準じたオリジナルのテストを実施し一人一人の課題を具体化したり、研修受講者に対する評価分析表を作成し、研修後の成長度やITのスキルレベルを把握できるようになっております。
RPA導入をご検討の方や、導入に際して社員のITリテラシーを底上げしたいとお考えの方は、IT研修のご相談はもちろん、適切な導入によって成果を得るためのコンサルティングについても、お気軽にお問い合わせください。
参考URL
総務省|RPA(働き方改革:業務自動化による生産性向上) 働き方改革2018 テクノロジーの活用と労働時間に対する意識 ~働き方改革に取り組む企業は年々上昇し38.9% 働き方改革に取り組んでいる企業の従業員は、エンゲイジメントされている環境で働きがいを高めている~|2018年7月12日|ニュースリリース|NTTデータ経営研究所 RPA(Robotic Process Automation) 概説 2018 RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)市場の実態と展望 | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所 仮想知的労働者(Digital Labor・RPA)が変える企業オペレーションとホワイトカラーのあり方関連講座
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RPAはいっときブームでしたが、今はその熱が冷めて利用拡大フェーズへ移っています。一方で、RPAを導入したけれどうまくいかない、という企業も多いようです。RPAで業務効率化の成果を出すためにはどうしたらいいのか、記事の中でご紹介していきます。