女性活躍推進法の成立・施行でWeb・IT業界はどう変わるの?
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- 2018/01/26
結婚や子育てを機に仕事を離れた女性の中には、復職や再就職を希望しながらも仕事へのブランクや保育園の問題などを抱え、「仕事をしたいのにできない」という方も少なくありません。
しかし、近年では日本の経済成長を担う存在として女性の活躍に期待が高まり、平成28年4月1日には「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」が施行されました。
女性の働き方は今後どのように変わっていくのでしょうか。今回は女性活躍推進法がWeb・IT業界に及ぼす影響について考察します。
IT業界まるわかりガイドは、日本初Web専門スクールのインターネット・アカデミーが運営する業界情報メディアです。最新の業界情報を、初心者にも分かりやすくご紹介しています。
目次
就労場所にとらわれないWeb・IT業界の仕事
Web・IT業界は在宅でできる仕事が他の業界よりも多く、働く場所の自由度が高いため、女性が長く働きやすい業界といわれています。例えば、WebデザインやWebサイト構築、プログラミング、システム設計などは、在宅ワークがしやすい仕事です。
結婚を機に引っ越しを余儀なくされたり、子どもが小さく家から離れられなかったりする状況でも、パソコンとインターネット環境があれば仕事ができるWeb・IT業界では、今後ますます女性の活躍が期待されています。
また、技術力が物を言う業界のため、スキルさえあれば女性でもフリーランスとして活躍することが可能です。特にWebデザインスキル、HTMLやJavaScriptなどのコーディングスキルを習得し、フリーランスとして活躍している女性も数多くいます。環境が変わっても即戦力として仕事をして行くことができるスキルを身に付けることは、キャリアアップにつながるだけでなく、将来フレキシブルに働ける可能性も高まるのです。
Web・IT業界のダイバーシティ化
「ダイバーシティ(diversity)」とは、多様性という意味です。そして、「ダイバーシティ経営」とは、「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」(平成26年度「ダイバーシティ経営企業100選」)のことです。
経済産業省が平成24年度からダイバーシティ経営で企業価値を向上させた企業を表彰する制度「ダイバーシティ経営企業100選」を設けるなど、新たな働き方として近年注目されています。
現在は、このダイバーシティ経営の一環として、子どものお迎えや通院などに合わせて勤務時間を変更したり、週の半分を在宅で行ったりするなど、子育て中の女性が抱える問題点を解決する手段を模索している段階です。
多様な価値観を必要とし産業構造そのものが変化し続けるWeb・IT業界は、「ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれる企業も多く、ダイバーシティ経営に積極的に取り組んでいます。なお、経済産業省が平成28年6月に発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、現在IT人材の4分の1は女性が占めています。
「一億総活躍社会」実現のための働く女性支援
政府は国民一人一人が輝ける「一億総活躍社会」実現のため、働く女性に対して国を挙げた支援を行っています。
育休の取得や時短勤務、出産や育児を理由とする解雇やその他不利益扱いを禁止する育児休業等両立支援制度や、時短制度の導入や働く女性の両立支援に取り組む企業への助成金、表彰制度なども行われています。
また、独立・起業したい女性に対して、政府100%出資の政策金融機関である日本政策金融公庫は「女性、若者/シニア起業家支援資金(新企業育成貸付)」を通じて、女性の新規開業を手助けしています。フリーランスのWebデザイナーとして独立・開業したい方は、積極的にこのような制度を利用しましょう。
おわりに
女性活躍推進法施行により、結婚や出産などのライフタイムイベントによって仕事から離れた女性が再び仕事で活躍できる機会が増えることでしょう。Web・IT業界は他の業界と比較して就労時間や就労場所にとらわれずに仕事ができる領域が広く、女性が働きやすい環境づくりに積極的です。
子育てや介護など、さまざまな環境の中で長く仕事を続けるために、Web・IT業界に必要なスキルを身に付けてみてはいかがでしょうか。