スマホにおける トロイの木馬とウイルスの違い
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- 2016/04/04
スマートフォンに感染し、情報漏えいなど数々の悪さを働くとされる「ウイルス」。 しかし、一般的には「ウイルス」と呼ばれているものの多くが、実は正確には「トロイの木馬」というマルウェアに分類されるのです。
何故こんな名前で呼ばれているのでしょうか? また、トロイの木馬と普通のウイルスの違いとは何なのでしょうか?
今回は、スマートフォンで被害が増えているトロイの木馬についてご紹介します。
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目次
トロイの木馬の由来
トロイの木馬は、元々はギリシア神話に登場する装置に由来して付けられた名前でした。トロイを滅ぼそうと戦ったギリシア人たちは、なかなかトロイが陥落しないのである策を練りました。大きな木馬を作り、これを置き去りにして、船で立ち去ったふりをしたのです。トロイの人々はギリシア人が去ったことを喜び、木馬を女神に捧げるものだと考え、市内に引き入れました。夜、トロイの人々が寝静まると、木馬に隠れていたギリシア人が出てきて、島に隠れていた味方の船に合図を送り、トロイ市内に味方の軍勢を引き入れました。こうして侵入したギリシア人によりトロイは滅亡したのです。
この故事以来、無害なものを装って相手を罠に陥れることを「トロイの木馬」と呼ぶようになりました。
トロイの木馬は有益なアプリを装う
悪意あるソフトウェア(マルウェア)としてのトロイの木馬も、一見無害で、有益そうなアプリを装っています。中でも、スマートフォンに感染するトロイの木馬は、無害なアプリを装って被害者にダウンロードさせ、情報漏えいなどの被害をもたらすケースがほとんどです。
トロイの木馬と普通のウイルスとの違い
普通のウイルスとトロイの木馬はどう違うのでしょうか。 ウイルスというのは、悪意あるソフトウェア全体を指す言葉としてしばしば使われますが、厳密には悪意あるソフトウェア(マルウェア)のうちの一種類です。ウイルスとトロイの木馬には以下のような性質上の違いがあります。
トロイの木馬は感染するための宿主(ファイル)を必要としない
ウイルスは、身体に感染する病気のウイルスと同じく、宿主が必要です。 コンピュータウイルスの場合、正常なファイルに感染することで、初めて活動することができます。
これに対し、トロイの木馬は単体でソフトウェアとして活動可能なため、宿主となるファイルが必要ありません。
トロイの木馬は自己複製しない
ウイルスは、自分自身を複製し増殖する機能を備えています。 この特性により世界的な大規模感染を引き起こすことがあります。
しかし、トロイの木馬は原則として自己増殖機能を持ちません。 これは一見悪性が低いようですが、その代わり、トロイの木馬に感染していることをスマートフォンの持ち主に悟られることなく、密かに情報を盗み出すなどの活動が可能です。
トロイの木馬に感染しないために
OSのアップデートは忘れずに
アップデートを行わずに放置しておくと、脆弱性を利用した攻撃をされるおそれがあります。 アップデートの際は、スマートフォン本体のバッテリーが途中で切れないよう、十分な残量がある状態で行うか、アダプタでコンセントに繋いでから行うようにします。
セキュリティソフトをインストールしましょう。
セキュリティソフトを入れておかないと、スマートフォンがトロイの木馬に感染しても気付かずに放置するおそれがあります。
アプリのダウンロードは慎重に
公式サイトならば比較的安全ですが、インターネットで知り合ったよく知らない人からのおすすめなど、不審なアプリはダウンロードしないようにします。
知らない人からのURLや添付ファイルには気を付けましょう。
知らない人からのeメールやSNSに書かれているリンクなど、不審なURLを不用意にクリックしたり、添付ファイルを開いたりしないようにしましょう。
まとめ
トロイの木馬は原則として、スマートフォンの使用者自身がアプリなどをインストールすることで感染します。従って、セキュリティに関する知識と適切な対処法さえ知っていれば、被害を未然に防ぐことができるのです。 セキュリティの知識を深め、スマートフォンを楽しく使いこなしインターネットライフを楽しみましょう。