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「セキュリティソフト」は何に効く?

  • 2015/09/06
「セキュリティソフト」は何に効く?

今回は、なかなか知られていないマルウェアとコンピューターウイルスの違いについてみていきましょう。

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目次

マルウェア対策ソフトってウイルスにも効くの?

セキュリティソフトを開発している会社には、 「御社のマルウェア対策ソフトは、ウイルスからパソコンを保護することもできますか?」 という質問が寄せられることがあるそうです。

マルウェアとウイルスの違いが、一般的にはよく認識されていないということを表す質問です。

悪意あるソフトウェアからの保護を目的としたセキュリティソフトウェアの多くには 「ウイルス対策」と「マルウェア対策」という用語が混合して用いられています。

有名セキュリティソフトウェアに「ウイルスバスター」という名前の製品があるくらいですから、 ウイルスとマルウェアの違いが曖昧になるのも無理はないかもしれません。

「ウイルス対策」と表記されているソフトウェアの方が、 「マルウェア対策」と表記されているソフトウェアよりも、 悪意あるソフトウェアの防御に対し効果的であるという、誤った認識を抱くユーザーも中にはいるようです。

悪意あるソフトウェア=ウイルス?

「悪意ある人間が、情報を盗み出したり、人のパソコンやスマホに被害をもたらすために作る悪いソフトウェア」

...世の中でいう「ウイルス」とは、大体このような認識ではないでしょうか。

このような理解もおおむね間違いではありません。 しかし、厳密に言うと上のような認識は、「マルウェア」の定義に当てはまります。

「マルウェア」とは悪意のあるソフトウェアの総称のことで、 マルウェアには、「ウイルス」の他に「トロイの木馬」「ワーム」「バックドア」「スパイウェア」など数多くの種類があります。 例えるならば「マルウェア」が「犬」という動物を表す言葉なら、 「ウイルス」は「シェパード」など、犬の中の一種類を指す言葉、というイメージでしょうか。

では、マルウェアとウイルスの具体的な違いとはいったい何なのでしょうか?

マルウェアとウイルスとの違い

ウイルスはマルウェアの代表格なので、 しばしば悪意のあるソフトウェア全体をまとめて「ウイルス」と呼ばれることがあります。 しかし、厳密にはウイルスはマルウェアの中の一種類に過ぎません。

ウイルスとは、プログラムの一部を書き換えながら自己増殖する悪意あるソフトウェアのことです。

1990年4月に旧通商産業省(現経済産業省)が定めた定義では、 以下のうち1種類以上の機能を有するものをコンピュータウイルスと呼んでいます。

  1. 自己伝染機能
  2. 潜伏機能
  3. 発病機能

マルウェアの一種としての「ウイルス」を定義する場合、 単体では存在できず、他のプログラムに寄生して内容を一部改ざんすることで存在し、 自己増殖を行うことがその特徴として上げられています。

このように寄生する宿主を必要とし、 自己増殖を行う点が病原体のウイルスとよく似ているため、 この名がついたといわれています。

マルウェアの中には、「トロイの木馬」のように寄生する宿主を必要とせず、 自己増殖を行わないソフトウェアも数多く存在します。

スマートフォンに感染する「ウイルス」といわれているものの多くは、 厳密に言えば「トロイの木馬」であってウイルスではないのです。

セキュリティソフトの購入の際にはよく確認を

最初の「ウイルス・マルウェア対策ソフト」の話に戻りますと、 実際には「ウイルス対策」と書かれていても、 包括的なマルウェア対策を行っているセキュリティソフトもありますし、 「マルウェア対策ソフト」と書かれていても、機能が限定されていて、 全てのマルウェアに対応する能力が無いソフトウェアも存在します。

セキュリティソフトを購入する際には、製品概要や説明書きをしっかり読んで、 そのソフトがどのような脅威に対し保護を提供するものであるのか、 しっかり確認することをお勧めします。