情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)とは?需要の高さやメリット、試験概要を解説!
- ツイート
-
- 2023/10/31
総務省は、日本へのサイバー攻撃通信数は、2018年から2021年の3年間で、2.4倍にも増加したと発表しています。社会全体のIT化が進み、サイバー攻撃も増えている中で、サイバーセキュリティに特化した情報処理安全確保支援士、通称「登録セキスぺ」が今注目されています。
増加に伴い、国内の情報セキュリティ強化が早急に求められています。今回は、情報セキュリティに特化した情報処理安全確保支援士についてご紹介します。
目次
情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)とはどんな資格?
情報セキュリティに特化した国家資格
「情報処理安全確保支援士」は情報系の資格として唯一の登録制「士業」であり、サイバーセキュリティに関する唯一の国家試験です。
不足する情報セキュリティ人材を増やすことを目的として、国は登録制である「情報処理安全確保支援士」をつくりました。情報セキュリティのスペシャリストとして、セキュリティシステムの構築・運用や安全なインターネットサービスの提供などの場面で活躍が期待されています。
資格取得には、情報処理安全確保支援士試験の合格後、IPAへ登録申請を行う必要があることから「登録セキスペ」とも呼ばれています。
試験概要
情報処理安全確保支援士試験の概要は以下の通りです。
実施時期 | 年2回 (春期の4月と秋期の10月) |
---|---|
試験時間 | 午前Ⅰ・Ⅱ/午後Ⅰ・Ⅱの4部制。(9:30~16:30) |
試験範囲 | テクノロジ系(基礎理論,コンピュータシステム,技術要素,開発技術),マネジメント系(プロジェクトマネジメント,サービスマネジメント),ストラテジ系(システム戦略,経営戦略,企業と法務など) |
受験料 | 7,500円(非課税) |
合格率 | 20%未満 (2022年度春期のデータでは19.2%) |
一度合格し、IPAに登録したとしても、資格を維持するためには定期的に講習を受けることが義務付けられています。毎年受ける「オンライン講習」に2万円、3年に1度受ける「実践講習」には8万円の費用がかかります。
難易度
情報処理安全確保支援士試験は、合格率が20%未満であることからもわかる通り、かなり難易度が高い試験です。IPAが実施する国家試験の中でも最高レベルに位置するスキルレベル4とされています。
ただし、同レベルの他試験とは違い、試験が年に2回実施されるため挑戦しやすいともいえるでしょう。
なぜ情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)が注目されているの?
冒頭でも述べたように、日本の情報セキュリティの重要性は増しています。
総務省によると、NICTが運用している大規模サイバー攻撃観測網(NICTER)が2021年に観測したサイバー攻撃関連通信数は、3年前の2018年に比べ2.4倍、2016年と比べると3.7倍に増加しているとされています。また、2021年に観測されたサイバー攻撃関連通信数は各IPアドレスに対して18秒に1回攻撃関連通信が行われていることに匹敵します。
また、株式会社ノートンライフロックの調査では、2021年度の国内消費者のサイバー犯罪被害額は前年度より約100億円増加し、推定約320億円とされています。
さらにサイバー攻撃による被害金額が1000万円を超えた国内企業は全体の33.5%とされており、年間平均被害総額は1億4800万円にものぼります。
情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)を取得するメリットは?
情報処理安全確保支援士を取得するメリットは以下の4つです。
専門知識の可視化ができ、希望する職種への転職に有利
サイバー攻撃に関する唯一の国家資格である情報処理安全確保支援士を取得することで、サイバーセキュリティに関する専門家であることが証明できます。
また、情報処理安全確保支援士は情報系の資格として唯一の登録制「士業」です。資格保持者は、サイバーセキュリティ分野に関連した高度な知識があるという確実な評価を得ることができます。
名称独占資格であるため、取得することで社会的に需要の高いIT人材として評価され、転職にも有利に働きます。
定期講習により、最新の知識にアップデートし続けられる
前述した通り、情報処理安全確保支援士の資格を維持するには、定期的に講習を受ける必要があります。資格維持には多少の費用が必要ですが、定期的に最新の知識をアップデートするため、自身の能力・知見も常に最新の状態に保てます。また、それだけ資格保持に手間がかかることも、情報処理安全確保支援士が名称独占資格であり、高く評価される理由のひとつでしょう。
情報セキュリティ監査人補の資格も取得可能
情報処理安全確保支援士登録者は、研修コースのテキスト購入と、RISSトレーニングコース修了で「情報セキュリティ監査人補」の資格を取得することができます。
その後、実務経験を積んで、試験に合格すると、「情報セキュリティ監査人」になることができます。情報セキュリティ監査人は、企業などの「当該組織体が現時点において適切な情報セキュリティ対策を講じているかどうか」といった点に加え、環境変化に応じた適切な対策が取られているか」を監査することが主な仕事です。
昇進や資格手当の要件に該当する場合も
IT系企業では、資格取得を奨励する企業が多く、情報処理安全確保支援士の資格を取得すると資格手当が支給される場合があります。企業によって金額は異なりますが、資格手当として月20,000円〜50,000円ほど基本給与にプラスされる場合もあります。
また、昇進や求人の要件として、情報処理安全確保支援士の資格保有が設定されている企業もあります。
情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)を生かせる職種は?
以下で紹介する職業は、どれも需要が高まっています。情報処理安全確保支援士資格を取得することで、よりセキュリティ人材としての信頼獲得につながります!
システムエンジニア (SE)
ITの普及にともない、システム開発分野の需要は高まり続けています。そこに欠かせない存在がシステムエンジニア(SE)です。主にソフトウェアの設計・開発を行います。 システムの開発については、運用や保守も行う場合が多いため、システムを作って終わりではなく、一つのサービスに企画から運用まで長く関わります。要望をもとに業務用システムを開発する仕事なので、システムのセキュリティ対策には万全なものが求められます。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃の脅威が増す現代において重要な役割を果たす職業の1つです。システムエンジニアよりも豊富なセキュリティ知識が求められ、万全なセキュリティ対策を構築し、企業の価値を上げユーザーの安全安心を守ることが主な役割です。
情報セキュリティのプロフェッショナルであるセキュリティエンジニアにとって、情報安全確保支援士は最適な資格と言えます。国家資格であることや秘密保持義務が課せられているため、クライアントからの信頼も高まるでしょう。
サイバー捜査官
コンピュータやネットワーク等の高度なITスキルを有する警察官で、サイバー犯罪の捜査、抑止対策や情報機器の解析等を行います。サイバー捜査官は応募資格として、情報処理安全確保支援士や高度情報処理技術者試験の合格が必要となります。
おわりに
今回は、情報処理安全確保支援士についてご紹介しました。この資格を取得できれば、セキュリティに関する専門的な職業はもちろんのこと、システムエンジニアなどの需要の高い職業にも知見を生かすことができます。今後ITはますます進化し、それに伴って新たな技術や脅威も生まれてくるでしょう。そんな中、今後も需要が増えつづけるITに関して知見を持つことで、自身の可能性を広げたり、スキルアップにつなげることも可能になります。
インターネット・アカデミーでは、セキュリティに関する情報や、AIやIoTなどの最先端技術についても学ぶことができます。もちろんエンジニアになるための知識も学べるので、WebやITに関して興味のある方は、ぜひ一度無料カウンセリングにてご相談ください。 また、法人様向けにオーダーメイドでの研修も実施しています。情報処理安全確保支援士の取得に向けた対策のための研修を実施することも可能です。研修実施をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
「Linux」の運用ノウハウから資格取得まで
ITエンジニア入門コース本来、Web制作会社が持っているノウハウは門外不出のもの。しかしインターネット・アカデミーの母体は「気象庁」や「東京藝術大学」などの実績をもつ超一流のWeb制作会社。Webサイトの見積書から企画書の作成法までそのノウハウをおしみなくカリキュラム化しています。それが初心者から独立を目指す方や企業のWeb担当者に人気がある理由です。
サイバー攻撃ってそんなに増えてるんだね...!