メタバースってなに?VR/AR/MR/DR/SRとの違いや魅力についてご紹介
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- 2024/04/16
豊かなコミュニケーションや多様な体験を実現できるオンライン空間として期待されている「メタバース」。いろいろなところで聞くけど、実はよく知らないという方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな「メタバース」についてご紹介していきます。
「メタバース」という言葉には決まった定義があるわけではないので、掴みどころがないように感じますよね。ですが加速度的に発展している分野なので、一緒に学んでいきましょう。
目次
メタバースとは
メタバースという用語は、「Meta」+「Universe」、つまり「仮想」や「超越」を意味する「メタ(meta)」と「世界」や「宇宙」を表す「ユニバース(universe)」の合成語で、「仮想世界」とか「仮想空間」と訳されます。
一般的に、「メタバース」という言葉は「自身のアバターが活動できるインターネット上の仮想空間」のように認識されています。SNSの未来形のひとつとも言われており、仮想空間を提供するサービスを総称するキーワードとしても使われ始めるなど、その人それぞれの立場や主張によって「メタバース」という言葉が表す範囲や意味は変わってきます。
この言葉は元々、1992年に出版されたニール・スティーブンソンの小説『スノウクラッシュ』からきています。作中では、登場人物たちがコンピューターによって生成された世界にアクセスして現実世界よりも長い時間をそこで過ごす様が描かれており、在宅での生活や仕事が日常化した今の私たちとも重なる部分があるのではないでしょうか。
COVID-19パンデミックの影響で物理空間に近いオンライン交流の需要が増し、メタバースはゲームや音楽ライブなどを通して普及していきました。豊かなコミュニケーションや多様な体験を実現できる空間として、今後もメタバースが期待されています。
メタバースの種類
「メタバース」は、しばしばVRゲームなどと関連した言葉として認知されています。しかし、それらはメタバースの網羅する領域のほんの一部分にすぎません。近年では、ヘルスケア、教育、医療、流通など幅広い分野で活用が見込まれています。
そこで、まずはメタバースの種類を大きく5つにわけて解説します。
1)VR
VRとは「Virtual Reality(バーチャル・リアリティー)」の略で、「仮想現実」とも言われます。VRの特徴は名前の通り、「目の前にある現実とは違う仮想空間を、まるで現実かのように現実を体験できる」ことです。視覚のみならず、嗅覚や触覚、聴覚、味覚など五感にも訴えかけることで、没入感が得られる点に特徴があると言えます。
近年では、津波の学習の際によりリアルに地震や津波が発生するメカニズムを学んだり、世界史の授業で臨場感たっぷりに異国を学んだり、教育の現場にもVRは積極的に導入されています。
2)AR
ARは「Augmented Reality(オーグメンテッド・リアリティー)」の略で「拡張現実」と訳されます。VRと違うポイントは「現実空間世界に新しいデジタル情報を追加する」という点です。
ARの活用事例として、「日経AR」をご存知の方も多いのではないしょうか。専用アプリをインストールし、新聞にスマホデバイスをかざすと、自動車の部品が立体映像になってまるで飛び出ているかのような仕組みを体験することができます。
3)MR
「Mixed Reality(ミクスド・リアリティ)」の略で「複合現実」と訳されます。Microsoftのホロ・レンズに代表されるように、現実世界の中に仮想世界の情報や映像を投影し、今まさにそこに存在するように見せるものです。
ARと似ていますが、その大きな違いは直接触れて操作できるか否かです。ARは自分の手を動かして仮想のものに触れることはできず、かざしたデバイス上でしか操作できません。一方、MRは自分の手で直接仮想のものに触れ、操作することができます。
4)DR
DRとは「Diminished Reality(ディミニッシュド・リアリティ)」の略で、「減損現実」とも呼ばれます。これは現実世界に存在するものを消して見えなくする技術で、ARの反対のものだと定義できます。
DRは私たちにとって身近な画像加工アプリなどに活用されています。また、ARと組み合わせることでさらに画期的なサービスを提供することができます。たとえば新しい家具を買いたい際に、部屋を撮影し、DRで既存の家具を消去してARで購買予定の家具を表示すると、家具が部屋にあうかどうか簡単に確認できます。
5)SR
SRとは「Substitutional Reality(サブスティテューショナル・リアリティ)」の略で、「代替現実」と訳されます。過去の実際の情報(映像や音など)を仮想空間に反映させることで、あたかも仮想空間が現実空間であるかのように錯覚させる技術です。
SRは上記の技術の中でも特に新しい技術なので、実用化された例はほとんどありません。今後実用化される可能性としては、トラウマを抱えている患者にトラウマの原因となった出来事をやり直させて治療する、などの例が考えられます。対象者に現実だと錯覚させる必要があるため、SRは実用化がまだ難しいとされていますが、上記の技術の中で最も伸び代がある領域だとも考えられています。
VRやARなどの技術の掛け算が「XR」
以上、VR・AR・MR・DR・SRの5つをまとめると、以下の表のようになります。
名称 | 概要 | 端末 |
---|---|---|
VR (Vertual Reality) 仮想現実 |
完全な仮想空間を現実のように体験できる | グラス、ヘッドマウントディスプレイ |
AR (Augumented Reality) 拡張現実 |
現実世界にバーチャル情報を出現させる(直接は操作できない) | スマホ、タブレット、グラスなど |
MR (Mixed Reality) 複合現実 |
現実世界を仮想空間に反映させて仮想のものを直接操作できる | スマホ、ヘッドマウントディスプレイ |
DR (Diminished Reality) 減損現実 |
現実世界に存在するものを消して見えなくする | スマホ、タブレット、グラスなど |
SR (Substitutional Reality) 代替現実 |
現実世界に過去の実際の情報を重ね合わせることで体験者に錯覚を起こす | ヘッドマウントディスプレイ |
また、上記のすべてを総称して「XR」つまり「Cross Reality(クロスリアリティ)/Extended Reality (エクステンデッドリアリティ) 」とも呼びます。
最近では、VRとARを組み合わせたり、ARとDRを組み合わせたサービスが登場しており、それぞれの技術は明確に線引きされているわけではありません。そのため、これらの総称をXRとし、技術の掛け算で提供されるサービスはXRのサービスとして定義されるようになりました。
メタバースの特徴
前項で挙げた5点に共通する特徴があります。それは、ユーザーが自由に探検しながら構成要素を自由に変えられるようデザインされた「オープンワールド性」、ユーザーに高い創作可能性を与えることで、アイデアさえあれば独自のゲームや空間を創ることができる「サンドボックス性」、ユーザーが自ら生産し共有する「クリエイター・エコノミー性」です。
これらの特徴によって、いまや私たちはコンサートを楽しんだり、財(アイテム)の取引を行ったり、ビジネスシーンでの活用の促進が可能になっているのです。
2018年にアメリカで公開されたスティーブン・スピルバーグのSF映画「レディ・プレイヤー1(Ready Player One)」では、メタバースの概念や仮想世界での消費活動の様子、メタバースと現実の世界とのつながりが詳細に描かれていました。今まさにそれが現実になろうとしているのではないでしょうか。
Meta(旧Facebook)のメタバース
Meta社(旧Facebook社)の提供するメタバースアプリ、「Horizon Worlds」をご存知でしょうか。このアプリは、ビジネスにおけるミーティングスペースとして、あるいはイベント開催場所としてなど、ユーザーが作成した様々な世界を自由に体験することができるメタバースプラットフォームとなっています。Meta社のVRヘッドセット、「Meta Quest」を装着することでその世界を堪能することができ、仮想空間における没入感を味わえます。
アバターでイベント参加できるVRChat(ブイアールチャット)
「VRChat」とは、VRChat Inc.が運営する、世界最大のメタバースプラットフォームです。ここでは、自分の分身としてアバターを作成して活動することができます。例えば、世界中のユーザーとコミュニケーションをとったり、イベントに参加したり、ワールドと呼ばれるさまざまな場所に出かけたりできます。
2024年2月19日から3月17日まで、「SANRIO Virtual Festival 2024 in Sanrio Puroland」がVRChatをメイン会場として開催していました。このようにVRChatはさまざまな分野とコラボレーションすることで人気を獲得しています。
おわりに
事業の中心軸をメタバースへ転換すると発表したMeta(旧Facebook)をはじめ、GoogleやMicrosoft、Apple、Samsungなど、世界的大企業が軒並み注目する「メタバース」。その理由は、消費活動において大きな構造変革がこのメタバースによって起きると、多くの指導者や経営者が確信しているからです。
今後この流れはますます幅広い業界に波及してくると言われています。メタバースを事業戦略やマーケティング戦略に活用する企業も増えてきていますので、今活用できるスキルを学んでおけば、希少な人材になれる可能性があります。
メタバースプラットフォームで利用されるプログラミング、デザインを作るUI/UX、プロジェクトマネジメントなど、メタバーススキルとして活かせるものは様々。積極的にスキルを磨いていけば、チャンスは広がります。
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