工数とは?システム開発の見積もりのために知っておこう
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- 2024/02/01
工数は作業量を表す概念です。システム開発を依頼するときなど、工数を使うことで精度の高い見積もりを出すことできるため、プロジェクトを正しく管理することができます。
そうですね。具体的な算出方法や活用方法などを詳しく見ていきましょう。
目次
工数とは
工数は、作業完了までに要する作業量のことであり、時間と人数で算出することができます。
工数の計算式は下記のようになります。
工数 = 作業時間 × 作業人数
単位は人日(にんにち)と人月(にんげつ)で、主に2種類です。 1日を8時間として1人が1日働くことを1人日、1か月を20日として1人が1か月働くことを1人月とするのが一般的です。
それぞれの単位で工数を計算するときの具体例は下図のとおりです。
人日 | 人月 | |
---|---|---|
具体例 | 開発者5人が10日間作業した場合 | 開発者5人が3か月作業した場合 |
計算式 | 5人×10日=50人日 | 5人×3か月=15人月 |
例えば人件費の見積もりを出したいとき、計算式は下記のようになります。
人件費=工数×人月単価
このようにして、工数を使うことでコストの見積もりなども簡単に計算することができるため、非常に便利です。
工数管理を使うメリット
工数を適切に管理することは、プロジェクトの可視化、効率化、生産性向上などにつながるため、結果的に利益の確保に貢献します。例えば、予算の見積もりを行う際に、見積失敗を回避することができるため損失を回避できるだけでなく効率的に計画を進めることができます。また、スケジューリングや人員配分を行う際、作業の進捗状況が把握できていれば、無駄のないリソース配分が可能になります。タスクの割り当てが適切に行われれば、モチベーションの向上も期待できます。
このように、工数管理はプロジェクトの進行に大きく役立ちます。
工数管理のポイント
正しく工数管理を行い計画を立てるにあたって、気をつけるべきポイントが3つあります。
まず1つ目は、過去のプロジェクトを参考にすることです。 過去に類似のプロジェクトがあれば、作業量や予算などを目安に計画を立てることができます。実際に達成したものであればかかるコストがどれくらいであるかというイメージがつきやすいです。また、基準値から比較評価をすることで工数管理を細分化しすぎるなどということを避けることができます。
次に2つ目は、人員の能力を考慮することです。各タスクの担当者には、そのスキルなどに応じてタスクを割り当てる必要があります。目的を明確化し、適切な人員配分を行うことが効果的です。
最後に3つめは、バッファを設けることです。作業を実際に進めていくうえで無理が生じることや、新たにタスクが追加されるなどということも考えられます。そのため、必要に応じて見直したり、途中で調整したりできるように計画に余裕を持たせることが大切です。
工数管理表の作成方法
工数管理表はスプレッドシートやExcelをつかって簡単に作ることができます。
まず、プロジェクトの見通しを立てる方法として、WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構造図)を作成し、それに基づいたガントチャートを作ります。これらは、一般的にタスク管理やプロジェクト管理に用いられることが多いです。
WBSでは、作業を段階的に細かなタスクに分解し、それぞれのタスクについて開始日と終了日を設定します。
- 作業を分解する
- タスクごとに担当者を割り振る
- タスクごとに開始日と終了日を入力する
ガントチャートは、縦軸にタスクのリストと担当者名、横軸に日程を入力することで、各作業の進捗状況が可視化されます。
- カレンダーを作成する
- タスクの日程のセルを塗りつぶし、全体を棒グラフ化する
このような手順を踏むことで工数管理表が完成します。
実際に作成した工数管理表の例は下図のようになりました。
工数管理表を作成することで、全体での作業量はどのくらいか、各タスクの進捗状況はどうなっているかなどが一目でわかるようになっています。
おわりに
今回は工数についてご紹介しました。工数について知っておくことで、プロジェクトを始める際に最適な作業計画を立てることができ、各タスクの進捗状況の管理もしやすくなるため、業務遂行の効率化に役立ちます。
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