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社会人スキルアップの必須知識!ITSS(ITスキル標準)とは?

  • 2023/02/17
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IT人材が慢性的に不足する現代において、ITスキルの向上を図りたいと考えている方は多いのではないでしょうか。今回は、IT技術の向上を図る上で必ず知っておきたい「ITSS(ITスキル標準)」についてご紹介します。ITのスキルアップをしたいと考えている方は、どこかで耳にする可能性が高い用語ですので、ぜひ本記事を参考にしてください。

目次

ITSS(ITスキル標準)って何?

ITSSとは、2002年に経済産業省が策定したIT人材のスキル体系のことです。ITサービスに関わるプロフェッショナルの教育・訓練などに、IT業界として有用な「ものさし」を提供するものとして定められました。現在は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によって管理されています。

ITSSを用いることで、現状の保有スキルを客観化することができ、伸ばすべきスキルを明確にすることができます。

ITSSは英国のスキル標準であるSFIA(Skill Framework for the Information)をベースに7段階のレベルが設定されています。レベル1~2を「エントリレベル」、レベル3~4を「ミドルレベル」、レベル5~7を「ハイレベル」と定められています。数字が上がるほどより高度なスキルを持っていると言えます。

ITスキル標準では、IT領域のサービス提供に必要なスキルを明確にし、体系化しています。ITスキル標準における「スキル」とは、特定の分野における技能ではなく、自らの業務課題を満足に実現できる「実務能力」とされています。

また、IT領域の職種を11種類に分類し、そのうえで能力に応じた7段階のレベルを設定しています。

高いレベルのスキルを有していることは、顧客やプロジェクトメンバーなどに対して、プロフェッショナルとして高い価値を提供できるということを意味します。そのため、単に技能的なスキルが高いだけでなく、コミュニケーション能力やマネジメント能力の高さも要求されるのです。

ITスキル標準は、スキルに応じた7段階の評価があります。ITスキル標準の7段階のレベル評価について、それぞれ見ていきましょう。

ITスキル標準(ITSS)の7段階のレベル評価

レベル1

エントリーレベルです。IT企業における実務未経験者や新入社員などが該当します。IPAは「情報技術に携わる者に最低限必要な基礎知識を有する。スキル開発においては、自らのキャリアパス実現に向けて積極的なスキルの研鑽が求められる」段階であると定義しています。

レベル2

ミドルレベルであり、一定範囲の作業であれば独力で担当することができるレベルです。

IPAは「上位者の指導の下に、要求された作業を担当する。プロフェッショナルとなるために必要な基本的知識・技能を有する。スキル開発においては、自らのキャリアパス実現に向けて積極的なスキルの研鑽が求められる」段階であると定義しています。

レベル3

ミドルレベルであり、高度IT人材としてのスキルを有していると評価される段階です。IPAは「要求された作業を全て独力で遂行する。スキルの専門分野確立を目指し、プロフェッショナルとなるために必要な応用的知識・技能を有する。スキル開発においても自らのスキルの研鑽を継続することが求められる」レベルと定義しています。

レベル4

よりハイレベルな、高度IT人材に該当するレベルです。

IPAは「プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、自らのスキルを活用することによって、独力で業務上の課題の発見と解決をリードするレベル。社内において、プロフェッショナルとして求められる経験の知識化とその応用(後進育成)に貢献しており、ハイレベルのプレーヤとして認められる。スキル開発においても自らのスキルに研鑽を継続することが求められる」段階であると定義しています。

レベル5

ハイレベルな高度IT人材のなかでも、上位に該当するレベルです。

IPAは「プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、社内においてテクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードするレベル。社内において、プロフェッショナルとして自他共に経験と実績を有しており、企業内のハイエンドプレイヤーとして認められる」レベルと定義しています。

レベル6

高度IT人材のスーパーハイレベルに該当する評価です。

IPAは「プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、社内外において、テクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードするレベル。社内だけでなく市場においても、プロフェッショナルとして経験と実績を有しており、国内のハイエンドプレイヤーとして認められる」レベルと定義しています。

レベル7

高度IT人材において、最も高いスキルレベルの評価です。

IPAはレベル7を次のように定義しています。

プロフェッショナルとしてスキルの専門分野を確立し、社内外において、テクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードするレベル。市場全体から見ても、先進的なサービスの開拓や市場化をリードした経験と実績を有しており、世界で通用するプレーヤーとして認められる

ITSS(ITスキル標準)の資格を取得するメリットとは?

自分のITスキルを客観的に知ることができる

ITSSに認定されたIT資格を取得する1つ目のメリットとして、目指すキャリアパスを明確にしやすくなることが挙げられます。。必要なスキル項目や目指す職種、スキル向上の指針を立てやすくなるということが挙げられます。ITSSで現状の保有スキルが数値化されるので、目標レベルや全体平均とのギャップを自分で把握することができ、今後自分が強化するべきスキルを知ることができます。

会社での評価につなげることができる

ITSSに認定されたIT資格を取得する2つ目のメリットとして、会社での評価を上げることができるということがあります。近年ではITSSを人事評価に取り入れている会社が増えてきているため、ITSSに認定されたIT資格を取得することで昇進に繋がるケースも増えています。例えば、NTTデータは2005年からITSSと連動させた人事評価制度を取り入れています。また、ITベンダー各社は、自社の人事制度や研修制度にITSSを取り入れて、評価を行っています。将来的には、一般的に採用されている職能等級制とITSSが置き換えられ、報酬と連動させる仕組みがより多くの会社で取り入れられることが考えられます。

初心者におすすめのITSS資格とは?

ITSSの資格は非常にたくさんあります。その中でも特に、初心者の方がキャリアアップしていく際におすすめの資格をご紹介します。

【ITSS準拠資格体系図】

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ITパスポート

まず1つ目におすすめの資格は、ITパスポートです。ITパスポートは、社会人が仕事を行う上で必要となる基本的なIT知識を網羅した国家資格であり、ITSSのレベル1に該当します。ITを活用する上で必須となる幅広い知識を身に付けることができるため、これからITの勉強を始めるという方やIT業界以外の業種の仕事をしている方にもおすすめの資格です。

基本情報技術者試験

ITエンジニアを志す方であれば、ITパスポート合格後に基本情報技術者試験に挑戦するとよいでしょう。というのも、ITエンジニアのキャリアを歩むうえで欠かせない内容が網羅された認定試験だからです。この試験はITSSのレベル2にあたります。出題分野はITパスポートとほとんど同じですが、テクノロジ系の分野ではより深い知識と発展的な内容が問われます。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験もITエンジニアの認定資格として有名です。基本情報技術者試験をITエンジニアとしてキャリアを歩む入口だとすれば、応用情報技術者試験はITエンジニアとしてステップアップするための関門だと言えます。ITSSのレベルを見てもレベル3に位置しています。試験の一部は記述式で問われるなど、これまでの試験以上に試験内容を体系的に理解し論じる必要があります。

応用情報技術者試験も合格できれば、マネジメント系とエンジニア系に大別された個々の専門試験にも挑戦することが可能です。例えば、マネジメント系ではITストラテジスト、プロジェクトマネージャーの試験があり、エンジニア系ではシステムアーキテクト、ネットワークスペシャリストなどを対象にそれぞれの試験を実施しています。 今回ご紹介した専門職の試験は一部ですので、ご自身の志望する専門職を見据えて資格勉強を進めるのがよいでしょう。

ITSS準拠の民間資格

ITSSに則っているのは、国家資格ではありません。企業や技術者認定機構が運営するような民間資格も含まれています。
ここではPHP技術者認定試験とOracle認定Java資格についてご紹介していきます。

PHP技術者認定試験

PHP技術者認定試験は、「一般社団法人PHP技術者認定機構」が運営する民間資格であり、Webデザイナーやプログラマーを目指す方の登竜門となる試験です。初級試験、上級試験、認定ウィザードの3つのレベルに分かれていて、それぞれITSSのレベル1、レベル2、レベル3に該当します。

Oracle認定Java資格

Oracle認定Java資格は、「日本オラクル社」が認定する資格です。プログラミング言語「Java」の知識技能をBronze、Silver、Goldの3段階で認定しています。アプリケーションから業務システム開発まで幅広い分野での活躍を目指す方には外せない資格でしょう。ITSSにおいて、BronzeはITSSの前段階のレベル0、Silverはレベル1、Goldはレベル2に対応しています。

PHP技術者認定試験とOracle認定Java資格のどちらも、学生や社会人1、2年目の方も資格対策を始めやすいレベル別の受験が用意されており、プログラマーのキャリアアップを意識しやすくなっています。

まとめ

今回はIT人材のスキル体系であるITSSについてご紹介しました。IT人材としてのキャリアを考えているのであればITSSのレベルに合わせてIT資格を取得することをぜひご検討ください。
とはいえ、一人でITの勉強を始めるのはなかなか難しいという方も多いのではないでしょうか。Web・IT専門スクールであるインターネット・アカデミーでは、お1人お1人の将来のビジョンに合わせたスキルアッププランのご案内や適職診断をプロのキャリアプロデューサーが無料で行っています。
また、インターネット・アカデミーはPHP技術者認定試験の運営団体であるPHP技術者認定機構の認定を受けたスクールでもあります。ITの勉強を始めたいと考えている方は、毎日無料体験レッスンも開催しておりますのでぜひそちらにご参加ください。

参考

ITSSまるわかりガイド shl 人事改革、各社の試み ITスキル標準はやわかり IPA カオナビ ITSSとは?UISS・ETSS・CCSFとの違いとエンジニアに必要なスキル ProEngineer 【PHP資格】PHP技術者認定試験の難易度と勉強時間の目安

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