ChatGPT-4o(GPT-4o)、何がアップデートされた？無料ユーザーが使える機能を詳しくご紹介！

2024年5月、OpenAIは「GPT-4 Omni」（GPT-4o）を発表しました。Omniのは「総合的な」という意味を持ち、GPT-4oではテキスト・画面・音声などのすべての認識能力がさらに向上しています。この記事では、GPT-4oのアップデート内容や、無料で利用できる機能を詳しくご紹介します。

最近、X(旧Twitter)でGPT-4oを使ってみた人のつぶやきをたくさん見る気がする！

GPT-4oは無料で使える機能も拡張されたことで、利用者の増加も期待されています。

GPT-4oは無料で使える？

GPT-4o(有料版)は通常月額20ドル、日本円で約3000円程度かかりますが、一部無料で利用できます。

無料版のサービス内容を以下にまとめました。

無料で使える機能

連続利用（制限あり）

連続して10回/5時間までの利用が可能です。

Web検索機能

最新のニュースや情報をリアルタイムで取得できます。

ファイル読み込み

文書の内容を解析し、情報を抽出して活用できます。

写真読み込み

画像から情報を抽出して活用することが可能です。

無料で使えない機能

長時間・多量の連続利用

有料版では最大80回/3時間おきに制限なのに対し、無料版は連続して10回/5時間の利用が限界です。

高度な機能の制限

メモリー機能、GPTストア、画像生成、音声会話といった高度な機能は無料で利用できません。

GPT-4oの登場により無料ユーザーの利用範囲が拡大され、大幅な利用率の増加が期待できます。

大きなアップデート項目は4つ

GPT-4oは、従来のモデルに比べて、以下４つの機能で大きくアップデートされています。

音声認識機能
画像生成機能
20言語で新しいトークナイザーが導入
データ分析機能

音声認識機能

「GPT-4o」は既存モデルと比較して、Voice Modeが大幅に強化されました。

人間の会話の応答時間とほぼ同じ速度で応答ができる

以前の音声モードは音声をテキストに変換し、再び音声に変換するプロセスを3つのモデルで行っていました。GPT-4oではこれが単一のモデルで行われるため、情報の損失が減少し、音声のトーンや背景音も含めた高度な処理が可能となります。
音声入力は最短232ミリ秒、平均320ミリ秒で応答可能で、人間の会話の応答時間とほぼ同じとされます。

ユーザーの感情を察知して対話が可能

さらにGPT-4oでは会話の割り込みや背景ノイズ、複数の声、声のトーンなど、複雑な対話の要素を理解できるようになりました。声色や文脈からユーザーの感情を察知し、状況に合わせて応答する能力が向上しました。例えば、ユーザーがストレスを感じていると察知すれば落ち着かせるような応答を生成する、といった対応が可能です。応答時間と理解力のアップデートでより人間らしい対話が可能になり、カスタマーサポートや教育分野での活躍が期待されています。

実際に楽天はカスタマーサポートの自動化にGPT-4を導入しました。顧客からの問い合わせに迅速かつ正確に対応することで、顧客満足度を向上させる狙いがあります。また同社では業務効率の向上を目的とし、内部報告の自動化にもGPT-4を利用しています。

実際どんな風に使えるのかな？

こちらはユーザーがGPT-4oに対し、「もっと感情的に話して」「もっと機械的に話して」などと指示をしているOpenAIのデモ動画です。気になる方はぜひ見てみてください。

画像生成機能

GPT-4oは、画像生成機能もアップデートされました。
例えば、複数枚の画像からなるストーリーを生成することができます。従来の画像生成では、生成した画像に一貫性を持たせることが難しく、画像が崩壊してしまうことも多々ありました。
今回のアップデートでは、複数の画像からなるストーリー生成時の一貫性が大幅に改善されています。

以下は、OpenAIの公式サイトにある「ロボットがタイプライターで日記を記す様子」というサンプル例です。

出典：Hello GPT-4o | OpenAI

翻訳機能

多言語間も高速に理解・応答が可能で、OpenAIが公開しているデモ動画では、英語で話した内容をGPT-4oがリアルタイムでイタリア語に翻訳しています。開発者向けのAPIはGPT-4 Turboよりも2倍速くなっています。

出典：Hello GPT-4o | OpenAI

20言語で新しいトークナイザーが導入

GPT-4oでは、日本語を含む20言語で新しいトークナイザーが導入されました。これにより、データの安全性と処理効率が向上したとともに、ユーザーのプライバシー保護、高速かつ安全なデータ処理が可能になりました。

トークナイゼーションとは、暗号化以上に元のデータを第三者に不正取得されにくいセキュリティ対策です。クレジットカードやマイナンバーなど、重要な情報を長期保存する仕組みとして利用されています。チャットGPTでは、入力した情報が第三者に流出してしまうことが懸念の一つとされていました。特に、英語以外の言語ではトークナイザーの導入が進んでおらず不安視する声もありましたが、GPT-4oでは日本語のトークナイザーも導入され、セキュリティ面での改善も期待されています。

データ分析機能

GPT-4oの有料プランでは、AzureやGoogle Driveのファイルと連携してデータ分析を行うことができます。 Azureと連携することで、データ分析に加えて画像解析も可能になりました。縦書き文字、設計図や3D画像の読み込み、画像のキャプション生成などもできるようになっています。またGoogleDriveとの連携では、主にGoogleスプレッドシート、スライド、ドキュメントやMicrosoft Word、Excel、PowerPointなど多くのファイルからデータ分析・資料作成ができます。

出典：Improvements to data analysis in ChatGPT | OpenAI

Models - OpenAI API

ChatGPTって、これまでに何度もアップデートしているよね。どんな風に変化してきたのかな？

AIちゃんいい質問ですね。GPT3.5から最新のGPT-4oまでの特徴を比較してみましょう。

ChatGPTのバージョンごとの特徴

	GPT-3.5	GPT-4.0	GPT-4o
トレーニングデータ	~2021年まで	2021年以降も含む	最新まで
自然言語理解	高度な言語理解	より高度な言語理解	最適化された性能
対話スキル	高い	自然で流暢	自然かつ最適な速度
応答精度	高い	非常に高い	精度と効率双方を重視
想定される利用例	一般的な質問	専門的な質問	高度な言語タスクリアルタイムの応答
計算リソース	多い	さらに多い	効率重視

従来のモデルに比べ、GPT-4oは精度と応答速度が向上し、より自然で一貫性のある対話ができるようになっています。また、トレーニングデータが最新まで対応されている点もユーザーにとって嬉しい変更点です。ChatGPTを使っていると、「私のトレーニングデータは2021年9月までのものであり、回答できません」のような回答を受け取った経験がある方もいるのではないでしょうか。GPT-4oでは、リアルタイムの最新情報も使った回答が可能になりました。

Apple Interligence にもGPT-4oが搭載

Appleは2024年6月10日（米国時間）、PhoneなどのApple製品にOpenAIのAIチャット「ChatGPT」を統合すると発表しました。GPT-4o」が音声アシスタント「Siri」などと連携され、ChatGPTのアプリなどを立ち上げずに、iPhoneのホーム画面から直接起動できる仕組みになっています。Appleが提供する今回の Apple Intelligenceでは追加料金なし(無料)で、新たにOpenAIのアカウントを作成する必要もなく、誰でも簡単にChatGPTの機能を使うことができます。

出典：Apple Intelligence Preview

おわりに

今回は、ChatGPTの新モデルGPT-4oについて詳しく解説しました。無料ユーザーでも利用できる機能が増え、セキュリティ面のアップデートもされたことで利用率の増加が期待されます。ビジネスシーンでの利用も増えてきています。本記事で紹介した楽天に加え、JAL、アサヒビール、ソフトバンクなど、さまざまな業界で活用されていることを示しており、その可能性は無限大です。AIを仕事で扱うと聞くと、開発側のエンジニア職などイメージする方もいるかもしれませんが、開発されたAIで新しいサービスを考えたり、既存業務の効率化を図るなどその使い方も実に多岐にわたります。AIを学ぶ人は国も給付金制度により支援しています。条件に合う方であれば、「Reスキル講座」を受講することで、受講料の最大70％の給付金を受給することができます。

インターネット・アカデミーでは、給付金の支給対象であるReスキル講座を多数ご用意しています。ITの基礎知識からAI、IoTなど最新トレンドに関する知識までを身に着けることができ、ITに精通していない、苦手意識がある方でも、ビジネスで活用できるレベルでITリテラシーを引き上げることが可能です。ご自身が給付金を受け取る条件を満たしているか気になる方、AIなど最先端技術を学びたい方は、まずはお気軽に無料カウンセリングにご参加ください。専門知識を持ったキャリアプロデューサーがお客様にぴったりの講座や学習プランをご提案いたします。