HAPS(ハップス)とは?雲の上の通信基地局について解説!
- ツイート
-
- 2024/01/15

私たちの活動範囲は地球上のあらゆる場所に広がっています。それに伴い通信の技術もより高度なものとなっている中で、次世代の通信システムとしてHAPSが注目度を増しています。インターネットの発展とともに新たな情報革命へと導くことが期待されているHAPSについてご紹介します。

HAPSは、注目を浴びている新しい通信方法です。具体的にどのような通信環境が実現できるのか見ていきましょう。
目次
HAPSとは?
HAPS(ハップス)とは、High Altitude Platform Stationの略、高高度基盤ステーションを意味します。携帯電話の基地局装置を搭載した、高高度を飛び続ける無人飛行機です。
HAPSモバイル株式会社が開発していたものであり、2023年10月1日にソフトバンク株式会社に吸収合併されて以降も、HAPS事業は継続しています。
軽量・高効率・高信頼性を実現した無人機体は、太陽光発電による動力を用いて成層圏を飛行する次世代の新たな通信インフラ技術として期待されています。HAPSは、高度約20kmの気候条件が安定している場所に飛行船を滞空させることで通信や放送などに利用できる成層圏プラットフォームの代表例です。普段私たちが利用している旅客機の飛行高度が約10㎞なので、成層圏はこの約二倍の高度ということになります。
HAPSの特色は?
天候の影響を受けにくい
従来の携帯電話基地局は、電波を発射する「アンテナ」と「送受信機」で構成されていて、形状は、広い範囲をカバーできる鉄塔型、ビルやマンションに設置されているもの、電柱などに設置されている小型基地局、地下に設置される屋内基地局などがありますが、いずれも地上に設置されているため、電波が雨水に吸収されてしまうという天候の影響を受けたり、ほかの建物などの障害物の影響で電波が遮られたりしてしまいます。
天気の移り変わりがあるのは、雲が発生する対流圏以下であり、一番高いものでも地上から高度17㎞とされています。高度20km程度の成層圏といわれるエリアを飛行するHAPSは、天候の影響を受けにくいということです。
カバー範囲が広い
地上に設置された基地局の通信できる範囲が半径数kmから十数kmであるのに対し、HAPSは一機で半径100km程度のエリアをカバーできます。約40機で日本全土をカバーできる計算になります。このように、高高度に基地局を常駐させることで地球全体の陸上をくまなくカバーする通信網を構築することができるのです。また、一機で広範囲に通信エリアを構築することが可能になれば、地上にいくつも基地局を立てる必要がなくなり、コストの削減にもつながります。
地上ネットワークと比較してカバー範囲が広いということは、建物や地面の高さなどの障害物による干渉が少なく、電波に影響が出にくいというだけでなく、導入までの時間が短く済むというメリットもあります。
安定した通信環境
さらに、HAPSはソーラーエネルギーだけで数か月一定のエリアを飛び続けることができます。成層圏は季節ごとの風速の変化が少なく穏やかな空域であり、雲よりも高いところに位置するHAPSは、翼一面のソーラーパネルに昼間は常に太陽光が当たり、長期にわたっての安定した飛行が可能な仕組みとなっています。
衛星通信網と比べて、地上から遠くないため伝送遅延が少なく、地上から離着陸可能であることで、定期的なメンテナンスを行うことができます。また、予備機の用意によって、途切れずに安定した通信を提供することができます。
HAPSによってできるようになること

HAPSからの電波は地上基地局と同じであるため、現在普及している通信機器を用いて、HAPSと地上基地局を併せて活用することができます。上空に基地局を設けることで、都会だけでなく、これまでは圏外だった場所や小型飛行機・ドローンなど上空に広がる人間の活動領域さえも広範囲に渡りカバーすることができます。
また、地上の状況に影響されないため災害時にも安定した通信ネットワークを提供することができるため救助、復旧活動を支える重要なインフラとなります。
さらに、離島などでのインフラ遠隔監視や、農業や酪農に用いられる様々なIoT機器との通信のためのツールとなります。そして、通信インフラが整っていない開発途上国にも高品質な通信環境を提供することができます。
おわりに
今回はHAPSについてご紹介しました。超広域通信網の実用化を実現することで、通信における境界はなくなり、私たちの生活はより便利で発展したものとなるでしょう。
インターネット・アカデミーでは、ITの最先端技術を学び、使うことができるコースを多数ご用意しています。「IoTエンジニア育成コース」では、高度なITの専門性を身につけることができ、プログラミングやサーバー、ネットワークの知識を習得することができます。
講座にご興味がある方は、ぜひ一度無料カウンセリングにてご相談ください。

先端技術を活用できる人材を育成する
IoTエンジニア育成コースBIoTエンジニア育成コースBでは 、ビジネスでIoTを活用できる人材を育成します。プログラミングやサーバー、ネットワークなどIoTの実装に欠かせないスキルを身につけ、実際にIoTに対応した家電製品を制御するアプリケーションの開発や、実機の操作を行います。
相談してコースを選びたい方はカウンセラーに無料で相談

※無理な勧誘は一切ありません
AI HAPSって、いったいどんなものなのかな?