7年連続!開発者に最も愛される言語「Rust」とは?その特徴と事例をご紹介!
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- 2023/12/16
Rustは、2016年から2022年にかけてStack Overflowが行った調査で、「開発者がもっとも愛するプログラミング言語」1位に選ばれています。Rustは、MicrosoftやGoogleなどの大手企業においても導入されており、エンジニアが習得したいプログラミング言語として、近年注目を集めている言語です。
Rustは現在、徐々に採用が増えている段階ですが、今後多くの分野で活用されることが期待されている言語です。
目次
Rustとは
Rustとは、2006年に開発が始まったオープンソースのプログラミング言語です。オープンソースで開発されているため、誰もが自由に利用することができます。
Stack Overflowが180ヶ国7万3,000人以上の開発者を対象に行った調査「Stack Overflow Developer Survey 2022」によると、Rustは7年連続で「開発者が最も愛するプログラミング言語」として選ばれています。
なぜ注目さているのか
Rustは、高い安全性や高パフォーマンスを発揮できることから、MicrosoftやGoogle、Amazonなど様々な大企業のプロジェクトで採用されています。
業界をリードする大手企業に採用されることで、ほかの企業からも注目され、採用されることによってトレンドになる傾向があります。Rustも同様に、IT業界をリードする大手企業が導入していることで、世界的に注目を集めています。
また、定期的にリリースされ、新しい機能が公開されていることからも、これからさらに伸びていく開発言語だと言えるでしょう。 現在、国内でRustを活用した開発案件はPython、PHP、Go、C#、Javaなどと比べると多くありませんが、今後案件が増加していくと考えられています。
Rustは多くのプログラマーに支持されているほか、大手企業が採用を進めたことで年々ポピュラーになっています。
プログラミング言語のポピュラーさをランキングしているTIOBE Indexが発表したランキング(2023)によると、前年に比べ0.16%ほど増えていて、ランキング内にある50言語のうち、20位に位置していることが分かります。
Rustの特徴
- 高い安全性
- 処理速度が速い
- 並行処理が可能
高い安全性
Rustの大きな特徴の一つが、高い安全性です。
C言語などメモリ管理を開発者にすべて委ねている言語では、メモリ内容を誤って破壊してしまう恐れがあり、「バッファオーバーフローの脆弱性」を生む温床になっていました。「バッファオーバーフローの脆弱性」とは、プログラムが入力されたデータを適切に扱わない場合、確保したメモリの領域を超えて領域外のメモリを上書きされ、意図しないコードを実行してしまう可能性があるという問題です。 PHPなどの言語で懸念されることがあります。
一方、Rustは言語そのものにメモリ破壊を防止する機能が備わっているため、誤ったコードを書くと開発段階でエラーとして検出されます。
さらにRustは、互換性の保証はもちろん、容量・速度の点でも高い効率性を備えていると言えます。高速さを掲げる言語はRust以外にもありますが、高性能なCPUを買ってもセキュリティを担保するのは難しく、大手IT企業が長年セキュリティ対策に悩まされ多大な資金を投じていることから、安全性を言語の段階から担保してくれるRustはIT企業のコスト削減にも役立つ技術です。
処理速度が速い
処理速度の速さもRustの特徴です。Rustはメモリ管理に関する言語デザインに独自のルールを導入し、ほかのプログラミング言語に比べ、メモリ空間を効率よく使えるように設計されているため、高速処理が可能になっています。
また、Rustはネイティブコンパイラ言語と呼ばれる、ターゲットCPUが直接解釈できる機械語に変換できる言語です。そのため、実行時に変換が必要ありません。
このことからも、コンパクトさと高速性において、Rustは他の言語よりも優れていると言えるでしょう。
並行処理が可能
近年のCPUは「マルチコアプロセッサー」と呼ばれる1つのCPUの中に複数のコアが入っているものが増え、一つのプログラムのなかで多数の処理フローを複数並行に処理して速度や反応性を高める傾向にあります。
こうした並列処理は正しく設計しないとデータを破損したり意図せぬ順序で処理がおこなわれたりなど問題が起こりやすく、開発者にとって少々やっかいとされてきました。
Rustでは、開発当初から並列処理に重きが置かれており、各種の並列処理に使用可能な機能を標準ライブラリとして装備しています。また、未然にデータの競合を防止することができることも特徴です。
Rustの活用事例
ここからは実際にRustが活用されている事例を紹介します。
Firefox
そもそも、RustはFirefoxを提供しているMozilla社が支援する公式プロジェクトとして開発が進められました。最新のFirefoxがマルチコア対応で先行するChromeに対抗すべく、Firefoxのブラウザエンジンの「Servo」が開発されました。この際、「Servo」を開発しつつRustを進化させるといったように、同時並行的に開発されていきました。
現在は、「Firefox Quantum」の一部コンポーネントが、従来のレンダリングエンジンである「Gecko」から、Rustで開発された「Servo」へと置き換えられています。
Dropbox
Dropboxでも、Rustの活用が進められています。Dropboxでは、中核となるファイルストレージシステムの複数の部品をRustで書くことで、広大なネットワークを構築し直しました。この活用は、データセンターの効率性を高めることを目的に行われました。
現在、Rustを活用して再構築されたネットワークは、すべてのDropboxストレージで使用されています。
Cookpad(クックパッド)
CookpadにもRustが活用されています。Cookpadでは、マイクロサービス化を進めたことで、プッシュ通知が複数のアプリケーションから配信されるようになってしまいました。プッシュ通知のロジックが散らばってしまうため、プッシュ通知配信基盤をRustを活用して改善し、より安全にマルチコアのパワーを活かせるソフトウェアが開発されました。
おわりに
Rustは、高いメモリ安全性が評価されているプログラミング言語です。今後、より幅広い分野で開発に採用されていくことが期待されています。Microsoft社で、「C言語やC++言語に代わる、最有力のプログラミング言語だ」と評価されるなど、注目が集まっています。
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