ビライ校でHEMSセミナーを開催しました。
2015年1月12日
先日、インターネット・アカデミーのビライ校で、HEMSセミナーを開催しました。
セミナー講師は、インターネット・アカデミー顧問で、HEMS(ECHONET Lite)認証支援センターの所長を務める一色正男教授(神奈川工科大学教授/慶應義塾大学特任教授)が担当しました。
多数のエンジニア大学の関係者をお招きし、パネルディスカッションによる活発な意見交換も行われました。
当日の様子は、英字新聞として世界最大の発行部数を誇る「ザ・タイムズ・オブ・インディア(The Times of India)」でも紹介されました。
・関連ニュース
http://www.internetacademy.co.in/news/2014/20141230.html
http://www.internetacademy.co.in/news/2014/20141229.html
HEMS(ヘムス)とは、Home Energy Management System(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の略で、節電やそれにともなうCO2削減のために電力使用量を可視化したり、家電や各種電気設備の機器制御を行うためのエネルギー監視システムのことです。
日本では、政府のエネルギー政策のなかでもこのHEMSが重要な役割を担うと考えられており、経済産業省主導のもと、HEMS対応機器の推進が図られ、家電メーカー各社や、住宅メーカー、自動車メーカーなどを中心に、多くの産業を巻き込んでの展開が進められています。
このHEMSのコンセプトが普及すると、私たちの環境は様変わりします。
たとえば、現在日本の各家庭に設置されている電力メーターは、電力会社の検針員が各戸を周り直接電気使用量を測っています。これが2016年には8割、2024年までに全家庭にスマートメーターと呼ばれる通信機能がついた電力メーターに置き換わります。これらがHEMSとつながることで、人々は自宅の電力使用状況をリアルタイムに把握し、制御ができるようになります。
上記はHEMS活用の一例ですが、HEMSはあらゆる家電や住宅設備とつながることで、夏の暑い日に外出先からスマホの簡単な操作で帰宅前にエアコンをつけたり、外出先から鍵の閉め忘れやコタツの消し忘れをチェックしたりといったことができるようになります。
さらには、一人暮らしの高齢者の自宅の電気使用状況を遠隔監視することで、安否確認に役立てたり、はたまた節電するとポイントが溜まっていくスマホゲームなどエンターテインメント向けの商品やサービスなども今後増えてくることでしょう。
日本発のHEMS規格は、現在、世界標準規格として広めようと様々な活動が国内外で行われています。
インターネット・アカデミーでは、日本の約9倍の国土面積を持ち、人口10倍の巨大市場インドにHEMSコンセプトをいち早く持ち込むことで、日印経済協力の新たな可能性を探る機会にもなると考え、今回のセミナー実施に至りました。
最近では、IoT(Internet of Things/モノのインターネット)という言葉も盛んに使われているほど、今後インターネットは、PCやスマートフォンの世界を飛び出して、あらゆるものと繋がっていきます。
日本の技術力や、先進的なサービスは、必ずやインドの発展にも寄与できるものと思います。
しかし、それにとどまらずに最近ではリバース・イノベーションと呼ばれるような、新興国で生まれた製品やサービスが、先進国に普及していくという現象も珍しくありません。
これは単純に安価な労働力での製品開発ということにとどまらず、先進国では見逃されていたニーズが、まったく環境の異なる新興国市場において着目され、その価値が先進国に受け入れられていくということも含まれます。
日印間における技術者や有識者の交流の場が増えていくことによって、お互いの国にとって有益な新たな価値が創造されていく契機になるはずです。
インターネットとあらゆるモノをつなぎ、日本とインドをはじめとした世界各国をつないでいくことで、少しでも世の中に良い変化を与えられるように、私たちも微力ながら貢献していきたいと思います。
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