世界のIT大国の教育事情~エストニア~
2015年7月23日

「IT大国」といわれている国の一つにエストニアがあります。 エストニアはヨーロッパの北東部に位置する「バルト三国」の一つで、人口134万人の小国です。(ちなみに、東京23区をあわせた人口が約915万人です。)
しかし、この国のIT技術と教育の質は世界でも突出しており、世界でもっともシェアの高い無料通話ツールSkypeを生んだ国でもあります。
ベンチャー企業も多いエストニア
エストニアは、Skypeの成功もあって、国をあげてベンチャー王国を築き上げようとしています。現在、発足したての新興企業は350社に登り、人口との比率で考えると、すさまじい数のベンチャー企業が乱立していることになります。 政府としては、2020年までにベンチャー企業の数を1,000社に増やすことを目指しています。
徹底して電子化をしている政府
2008年に、電子閣議を導入。閣議は紙を使わずに実施をしており、法案の草案についてはオンラインで公開して国民のコメントを求めています。
選挙では25%がオンライン投票をしていて、エストニア国民の7割以上はオンラインバンキングを利用しているとか。国内の無料Wi-Fi整備は国策として徹底しており、先進国の大都市以上の利用範囲の広さと快適さを誇っています。 (無料Wifiが利用できる場所は、「WIFI.EE」というサイトで確認できます。)
7歳から徹底したIT教育
エストニアは90年代からIT教育を開始し、2012年にはプログラミング教育を初等教育(7歳)で導入しています。 学校によっては「国防」という科目があり、インターネットセキュリティ、サイバーディフェンス、ハッキングを学ぶそうです。 学校以外の学習活動も充実していて、9~11歳を中心に子供向けプログラミング言語であるMIT Scratch、Webコンテンツ作成の学習支援ツール Mozilla Webmaker、プログラミング言語Pythonの入門などを学ぶことができます。
教育のIT化を「Edutech」と呼び、昨今では「義務教育にプログラミング教育を取り入れるべきか」についての話題が日本でも盛り上がってきています。
国が変われば競争戦略も変わってきます。そして、同時にIT教育の重要度と捉え方が大きく変わってきます。エストニアにおいて、「国防」という科目があり、IT教育がその範囲に含まれることからも、それは明らかでしょう。ただ、間違いなく言えることは、ITがこれから無関係になる国も、仕事もないということ。 だからこそ、世界のIT教育事情に目を向けることは、大事なことだな、と思う今日この頃です。
参考サイト
- ・オンラインバルト海の小国が「IT教育」に懸けるワケ- 東洋経済オンライン
- ・海外調査2014 ~英国・エストニア~ 報告書 - 国際IT財団
- ・ロシアの脅威が生んだ電子大国エストニア | Newsweek
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