インターネット・アカデミー オフィシャルブログ
About

オートリキシャを通して見るインド

2015年10月 8日

オートリキシャー(オートリキシャー)に乗る運転手と日本人、鹿野絢人

私がインドで良く利用する乗り物は、オートリキシャ(オートリクシャ)です。インドに訪れたことがある人もない人も、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。今日はそのオートリキシャについてのお話をさせていただこうと考えています。オートリキシャはとてもリーズナブルに利用することができる市民の味方です。歩いて10分ほどの距離の場合、だいたい40ルピー(73円) で利用することができます。健康のために歩かなければと思っても、ついつい使ってしまいます。

オートリキシャの料金メーター

オートリキシャにはタクシーと同様、料金メーターが搭載されています。ただ、残念ながらメーターはなかなか使ってもらえません。料金は基本的に交渉しなくてはいけません。交渉力が鍛えれるので、オートリキシャのドライバーと積極的に話すことをお勧めします。外国人が最初に通過する試練でもありますが、交渉は個人的には、なかなか好きな瞬間でもあります。

外国人価格

オートリキシャの運転手は客が地元のインド人でないとわかると、2倍から3倍以上の運賃をふっかけてきます。例えば、現在オフィスから繁華街まで、30分間ほどの距離で通常200ルピー(367円)で行くことができます。しかし、私や他の外国人だと、400ルピー(735円)から600ルピー(1000円)ほどの値段を当たり前のように提示されます。地元の知り合いとオートリキシャに乗るときには、物陰に隠れ、先に知り合いに値段交渉してもらい、搭乗の瞬間にスッと現れて乗り込んでいます。すると、大概のドライバーは「うわぁやられた!」という顔をします。

ちなみに最近聞いた話ですが、通常以上の料金を請求するのは、何も外国人に対してだけではなく、他州からきた地元の言葉が話せないインド人でも同様に行われているそうです。でも、さすがに外国人と同じように数倍の値段は提示されないようですが...。

オートリキシャの色

ちなみに、オートリキシャには何種類か違った色の車がありますが、黄色と黒、あるいは黄色と緑が通常の色だそうです。運転手に色の違いを聞いたところ、エンジンによって違いがあることを教えてくれました。黄色と黒のボディーはディーゼル・エンジンで、黄色と緑がエコ・ガスを使ってるモデルだそうです。本当にごく稀ですが、全身のボディーが真っ黒なオートリキシャを見かけることがあります。それはなんと、お抱えのハイヤー・リクシャーだとか...。

ディーゼルエンジンを積んだ黄色と黒のオートリキシャー
(ディーゼルエンジンを積んだ黄色と黒のオートリキシャー)

自由気ままなドライバー

料金以外にも驚くことがあります。乗車拒否の多さです。「そっちの方にはいかない、私と向かっている方向とは違う」ということで断られてしまいます。ちなみに、乗車拒否は警察からドライバーへの指導の対象になり、免許を取り上げられてしまうため、表向きのルールとして本当は絶対にしては行けないことだそうです。そのため、運転手はわざと通常の何倍もの値段を言って、こちらから断るように仕向けてきます。この場合は何を言っても乗せてくれませんので、早々に他のオートリキシャを見つけたほうが賢明です。

鉄の掟

これはオートリキシャの運転手から聞いた話ですが、オートリキシャの運転手たちには縄張があり、さらにそれぞれのグループには鉄の掟があるそうです。モール前や駅前にグループで列をなしているオートリキシャがあるのですが、それはグループのリーダーがお客に対して目的地と料金を交渉し、その上で自分のグループの仲間に割り振っているのだそうです。もしもズラーっと並んでいるオートリキシャのグループから高額の乗車料金を提示され、無理だと断ったとしてもちょっと離れたところで別のオートを拾おうとすると、「それは俺の客だ!!」といって運転手同士でトラブルになることがあります。そういった場合には、根気強く最初のグループと交渉するか、完全にそのグループから見えないところでリクシャを拾うようにしましょう。

オートリキシャと警察

通常料金よりも高い金額を請求するオートリキシャの振舞いは、地元の人々も憤りを感じており、もちろん警察も容認しているわけではありません。バンガロールは他州に比べ交通警察に余裕あるため、オートリキシャの固まっている場所には、日本の宝くじ売り場ほどの小さな交番があり、料金のぼったくりを行っていないか監視をしてくれています。

客を乗せ走るオートリキシャー、すこし離れた横からの写真
(オートリクシャーの日常風景)

オートリキシャの運命

バンガロールの友人の話では、最近はタクシーアプリのUber(ウーバー)、Ola(オラ)、 Meru(メル)などの影響により、オートリキシャの利用者がどんどん減っているそうです。私が初めて渡印した2012年ごろには、タクシーアプリが普及していなかったため、必然的にオートリキシャを使わなければならず、外国人価格を提示されることにも、ある程度仕方がないことだと考えていました。タクシーアプリが爆発的に広まった2014年以降は、余計な値段交渉時間がかからず、クレジットカードが使え、請求書もしっかりとメールで届くタクシーを使ってしまい、ほぼオートリキシャは利用していない状況です。オートリキシャとタクシーアプリとでは、告げられる値段が圧倒的に違うのです。現在はバンガロールの街全体に電車が通る計画が進行中で、あと3~4年もすればバンガロール内のオートリキシャの数は激減してしまうかもしれません。

それでも便利なオートリキシャ

でも、やっぱり10分程度の小さな移動や、荷物を多くもっている時にはオートリキシャは便利です。ひどい渋滞の中でもバイクのようにすいすい移動し、小回りがきいて、どんな場所にでも入っていくオートリキシャは今でも強い市民の見方であることは変わりありません。運転手と話すことは何よりの情報源になります。あれはなんだ、これは何だ、と気軽に聞けるため、運転手からとても沢山の話を教えていただきました。

インドを訪れる機会がある方は、まずはオートリキシャで交渉力を鍛えてみてはいかがでしょうか?すぐにインド流の交渉力が身につくはずです。

本ブログは、日本初Web専門スクールのインターネット・アカデミーの講師が運営するWebメディアです。 スクールの情報はもちろん、最新のWebデザイン・プログラミング・Webマーケティングについて役立つ情報をご紹介しています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

現在、マサチューセッツ工科大学のW3C本部に在籍し、HTML開発とインターネット・アカデミーのカリキュラム開発を担当する。

海外支店責任者として、アメリカとインド、日本を行き来する。5年間、マサチューセッツ工科大学のW3C本部に在籍し、HTML開発と普及活動を行ってきた経歴を持つ。

日本の新宿校、渋谷校インストラクター。主にWebマー ケティングとクリエイティブ系の授業を担当。

バンガロール校インストラクター。デジタルマーケティング が専門分野。

Google認定Webマーケティング講座の企画・開発に携わる。「PHPカンファレンス2011」で講演。「PHP公式資格教科書」の執筆など

バンガロール校支店長。Webプロデューサー、インストラクター、エリアマネージャを経て、現在はグローバル展開のビジネスディベロップメントを担当。

「W3C"HTML5 Tour"」での講演や、インド校にてWebデザイナーおよびチーフインストラクターを勤めた経歴を持つ、人気キャリアプロデューサー。

フランスにあるW3CのEUホスト、ERCIM(欧州情報処理数学研究コンソーシアム)に常駐し、Webの研究を行うインド人インストラクター。Webマーケティングに精通している。

テーマテーマ

最新の記事最新の記事

スタッフ別ブログスタッフ別ブログ