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インドの街で見かけるお牛様

2015年10月22日

インド・バンガロールの道に鎮座する。威風堂々とした雌牛

インドに来る前から噂には聞いていたものの、やはり驚いたのは、道にいた野牛です。バンガロールはインドの他地域に比べて先進都市化している場所ではありますが、それでも道の真ん中を歩く野牛を見かけることがあります。そして道を塞いでいる野牛により渋滞が発生するという噂も本当だったということがわかりました。ではなぜインドでは牛が大切にされていて、渋滞が発生しても「お牛様が横切るのだったらしょうがない」と気長に待つことができるのでしょうか。今回の記事では、牛について、バンガロールの複数の友人知人から聞いた知識に基づくお話をシェアさせていただければと思います。実際にインドの方が抱いている牛への気持ちを知ることができると思います。

牛はインドでお牛さま?

インドでは約80%の人がヒンドゥ教です。ヒンドゥ教では、牛は神聖なものとして考えられています。「牛は神聖な生き物だから、インド人は牛肉を食べないのだ」という話は聞いたことがあるかもしれませんが、そのとおりです。牛が神聖とされた理由としては、いくつもの説がありますが、ここでは、私が知人から聞いた2つの説をご紹介させていただきます。

1.ヒンドゥ教で最高神と崇められているシヴァ神の乗り物だから

ヒンドゥは一神教ではありません。日本の八百万の神と同じように、ヒンドゥ教にも無数の神様が存在しています。その中でもヒンドゥ教の最高神の一柱とされているシヴァ神は有名であり、とても人気があります。そしてそのシヴァ神が乗る動物として選ばれているのがナンディンと呼ばれる「牛」だそうです。このナンディンも神として崇拝されているそうです。このことから多くの人が牛を神聖な動物と認識するようになったそうです。ちなみに、すべての牛が神聖化されているわけではなく、たとえば水牛などは神聖化の対象から外れているそうです。

2.昔から人間の生活を支え、重宝されてきた家畜だから

インドに限らず、牛は昔から人間を助けてくれる動物です。特にインドは地方の農村に行くと、満足に電気も通っていない場所もあります。そのような場所では、牛は人間以上の働きをしてくれます。我々人間の代わりに重い荷物を持って運んでくれたり、農作物を耕すときに使う鋤(すき)を背中に装着して人間の代わりに穀物を耕してくれたり、人間に必要な栄養源であるミルクを出してくれたり、何から何まで人間の手伝いをしてくれる素晴らしい仲間だと人々が考えているようです。

このように、いろいろな説はあるものの、ヒンドゥー教において牛は神聖化されているものなので、敬いを受け続けながら都心、農村部の別け隔てなく生き延びることができているのですね。

厳しくなる法律

インドでは、マハラシュトラ州とハリヤナ州がとても牛肉について厳しく、雌牛の食肉処理を禁止しています。両州で違反した場合、最大禁錮10年あるいは10万ルピー(20万円程度)の罰金が課せられます。さらにマハラシュトラ州では、食肉処理がされた肉をもっているだけで、禁錮5年あるは1万ルピー(2万円程度)の罰金です。現地の日本人に対しても現地の日本大使館・領事館から注意がでているようです。

この記事を通じて、インドの人がどのような思いをもって牛に対して日々接しているのか、感じて頂ければ幸いです。訪印の際は、インドの人々に大事にされている牛たちをぜひご覧になってみてください。とても穏やかな目で、あなたを見つめ返してくれるはずですよ。

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現在、マサチューセッツ工科大学のW3C本部に在籍し、HTML開発とインターネット・アカデミーのカリキュラム開発を担当する。

海外支店責任者として、アメリカとインド、日本を行き来する。5年間、マサチューセッツ工科大学のW3C本部に在籍し、HTML開発と普及活動を行ってきた経歴を持つ。

日本の新宿校、渋谷校インストラクター。主にWebマー ケティングとクリエイティブ系の授業を担当。

バンガロール校インストラクター。デジタルマーケティング が専門分野。

Google認定Webマーケティング講座の企画・開発に携わる。「PHPカンファレンス2011」で講演。「PHP公式資格教科書」の執筆など

バンガロール校支店長。Webプロデューサー、インストラクター、エリアマネージャを経て、現在はグローバル展開のビジネスディベロップメントを担当。

「W3C"HTML5 Tour"」での講演や、インド校にてWebデザイナーおよびチーフインストラクターを勤めた経歴を持つ、人気キャリアプロデューサー。

フランスにあるW3CのEUホスト、ERCIM(欧州情報処理数学研究コンソーシアム)に常駐し、Webの研究を行うインド人インストラクター。Webマーケティングに精通している。

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