HTML5.1は2016年9月に勧告？

2016年4月10日

4月6日に、W3Cブログで「Working on HTML5.1」という記事が公開されていました。HTML5が2014年の10月に勧告されてから約1年半が過ぎていますが、これからHTML5.1の勧告に向けて、どのような作業があるか、どのような目標で取り組んでいくか、といったことが記載されています。

2016年9月に勧告？

ブログの中では、これからのHTML5.1のスケジュールについて触れられていました。W3Cの仕様書が勧告されるまでには、「草案(Working Draft)」→「最終草案(Last Call Working Draft)」→「勧告候補(CR: Candidate Recommendation)」→「勧告案(PR: Proposed Recommendation)」→「W3C勧告(Rec: Recommendation)」という5つのステップがあります。現在は、まだ最初の草案の段階なのですが、6月中旬までにはCRまで持っていきたいというのが、Web Platform Working Group の目標のようです。

追加される要素や機能は？

HTML5.1は、その名の通りHTML5の機能を拡張したマイナーアップデートバージョンです。HTML5.1で追加されるものを今回は2つだけご紹介します。

picture要素

まずはpicture要素です。レスポンシブWebデザインが当然になってきている中で、画像の扱いに困った経験を持つ人は多いと思います。デスクトップ対象の場合には、横幅全面に大きな写真を載せたいけれど、スマホ向けの時には画像解像度を小さくしてファイルサイズを極力小さくした写真を使いたいなど。img要素を使って、これを実現しようとすると、DOMを操作したり、サーバーサイドでブラウザを判別して返す画像を変えるなど、結構苦労するものです。picture要素はその問題を解決するために、複数のsource要素を持ち、「何px以上の時はlarge.jpgを、それ未満の場合はsmall.jpgを」といった設定ができ、img要素で表示する画像を賢く変更してくれるわけです。これでデバイスごとに画像の最適化が圧倒的にしやすくなりますね。

表の並び替え

HTML5.1では、table要素にsortable属性を加えることで、表のデータを並び替えることができます。これまでは、jQueryプラグインのDataTablesなどを使って並び替え機能を実装するということもできましたが、HTML5.1でこの機能が実装されれば、制作者側としてはとても楽になりますね。2016年4月10日現在は、まだどの主要ブラウザも対応していないようですが、この機能はぜひとも実装して欲しいところですね。

今後の予定

W3Cでは、定期的なHTML5のマイナーチェンジを行っていく予定で、HTML5.1に完璧を求めるのではなく、Web制作者や実装者が、手軽に自信を持って扱えるしようを目指しているようです。HTML5.0よりは良いものであり、HTML5.2が勧告するまでの最高のHTML仕様であることを目指すということですね。今年の9月、そしてその次にはすぐにHTML5.2の仕様も気になるところですので、重要なポイントはずっと追っていきましょう！

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