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業務効率化の手法「IE(Industrial Engineering)」とは?

  • 2024/05/18

今回は、IE(Industrial Engineering)についてご紹介します。IEは、工程管理技術のひとつで、業務効率化のために最適な方法を追及する手法として100年以上前から研究されています。現代でも、トヨタやサイゼリヤなど多くの企業が生産性向上のための手段として採用しています。

AIちゃん
AIちゃん

インダストリアルエンジニアリングってなんですか?

有村先生

作業の効率化のために広く取り入れられている手法です。活用することでどのような効果があるのか詳しく見ていきましょう。

目次

IE(Industrial Engineering)とは

IEとはインダストリアルエンジニアリングの略称で、生産工学、産業工学、管理工学、経営工学などを意味しますが、完全に一致する日本語はなく、そのまま「IE」と呼ばれることが多いです。

具体的には、作業工程、作業内容を科学的に分析し、合理的な改善策に導くことで作業効率向上を図る分析手法、改善手法を指します。現場作業での活用が一般的ですが、事務作業でも活用することができ、コスト削減や生産性向上に有効です。

作業におけるムリ・ムダ・ムラ「3M」

3Mとは、業界や業種によっていくつか意味合いがありますが、生産現場での3Mは「ムリ・ムダ・ムラ」を意味します。
IEの目的をわかりやすく言うと、この「ムリ・ムダ・ムラ」を排除し、業務を効率化するための手法ということです。作業量を負荷、キャパシティを能力としたときの3Mのそれぞれの定義は以下の通りです。

  • ムリ:能力以上の負荷がある状態です。余裕のないスケジュールなどもこれにあたります。
  • ムダ:能力に対して、負荷が下回っている状態です。宝の持ち腐れというイメージです。
  • ムラ:ムダとムリの両方が発生する状態です。

このように、3Mによって余分な生産や余計な手間、つまり人員不足や人員過剰などが発生してしまうことがわかります。IEは、3Mが作業のどこに存在するのかを細かく分析し、解消することで生産性向上につなげます。

実際の分析手法

IEの作業研究は、大きく分けて方法研究と作業測定の2種類で構成されています。

方法研究

工程、方法、動作を細かく分析し改善する手法で、以下のようなものがあります。

  • 材料から製品までの一連の流れを分析して改善する工程分析
  • 作業者が行うすべての動作を分析して最適な動作を求める動作研究

作業測定

作業時間や効率を客観的に数値化し、作業に必要な標準時間を設定するなど、作業を定量的に測定し、非効率な作業を除外する手法で、以下のようなものがあります。

  • 作業にかかる時間を計測する時間研究
  • 作業者や設備の稼働状況を把握して稼働率の比率を調べる稼働分析

作業研究は、個々の動作を分析し、最適な動作を追求するための研究です。そのため、方法研究と作業測定のどちらか一方だけをとっても十分な分析はできません。実効性のある改善策を導くためには、これらの両方を相互に組み合わせて実施する必要があるのです。

IE手法の活用事例

トヨタ

IE手法を取り入れている代表的な企業としてトヨタが挙げられます。
トヨタ生産方式ではIEの考え方をベースとして独自の7つのムダが定義されています:

  • つくりすぎのムダ
  • 手待ちのムダ
  • 運搬のムダ
  • 加工のムダ
  • 在庫のムダ
  • 動作のムダ
  • 不良・手直しのムダ

作業工程を分析した結果、これらの7つのムダを省くことでの生産性向上を目指し、昭和40年代後半にトヨタ生産方式が体系的にまとめられマニュアル化されました。このようにトヨタは量変動に応じて生産性を落とすことなく、適正な作業員の配置を行う事のできる工程づくりと、売れた製品を売れた時に売れた量だけ造り・運ぶという生産スタイルで功績を納めました。

サイゼリヤ

国内外にチェーン展開するイタリア料理店「サイゼリヤ」もIEを取り入れています。最適な品質の商品を最適な価格で提供することを目的に、生産性の向上や効率化に取り組みました。
各段階でのムダを省くため、素材の開発・集荷、加工、店舗調理、商品提供までを自社で一貫して行う製造直販を採用し、IEの手法に基づいて数値化による合理化を推進しています。接客や調理など作業のすべての工程を撮影し、作業を秒刻みの動作に分解してムダを発見し、改善を行ったことで作業効率化が進み、国内1000店舗以上のチェーン展開を達成しました。

パナソニック

外部要因により作業変動が起こりやすい物流と流通にIEを取り入れました。現場の作業を可視化し、各作業ごとの標準値をものさしとして設定し、実作業とのギャップの原因を特定し、改善を繰り返し実行することで、サプライチェーン現場の改善と収益向上に取り組みました。
物流業務にIEを取り入れ継続的にプロセスを改善したことで現場作業の生産性を25%向上させ、作業コストを約11%削減、分析にかかる工数を40分の1まで削減することに成功しました。

IE活用のための注意点

IE手法を活用する際のポイントとして、分析が客観的かつ定量的であるかどうかを考える必要があります。結論に説得力を持たせるため、誰が行っても同じ分析結果になるように、感覚的な要素を排除し、数値や数量などで表した定量的なデータを収集することを意識しましょう。

分析の手順

STEP1 基準を数値化できるように作業の指示を定量化する。測定器や変位計を用いて実際の作業を数値化します。
STEP2 収集したデータをグラフ化や図表化する。こうすることで、どこに改善点があるのかを探しやすくなります。
STEP3 収集したデータから洗い出した改善点を適用し、またデータを収集する。

より効果的な方法を追及するためには1〜3を繰り返し行うことが重要です。

おわりに

今回はIEについてご紹介しました。作業工程を細分化し、分析することで業務効率化のために最適な方法を導き出すことができます。IEを意識してムリ・ムダ・ムラを解消し、コスト削減、生産性向上に取り組んでみてください。

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