BPR(業務改革)とは?なぜ今注目されているのか、業務改善やDXとの違いを初心者向けに解説!
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- 2024/08/20

1990年代に一度関心の高まったBPRですが、今あらためて注目を集めています。本記事では、BPRをDXなど他の業務効率化方法と比較しながら、メリットやデメリットやBPRの主な手法について解説しています。

BPRとDX、どちらも業務効率化を目指すという最終的な目的は同じですが、改善を適応する範囲が異なります。詳しく見ていきましょう。
目次
BPR(業務改革)とは?
BPR(業務改革)とは「Business Process Reengineering(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)」の略称で、既存の業務プロセス全体を見直し、再構築(リエンジニアリング)する、という考え方を指します。業務プロセスとは「特定の業務の開始から終了までの一連の業務の流れ」のことで、研究・開発、人事、経理などいくつもの業務が絡み合って構成されています。
BPRの対象は、1つの業務フローを見るのではなく、業務プロセス全体の見直しを行っていきます。
Geminiで実現されるマルチモーダル
マルチモーダルとは、「画像だけ」「テキストだけ」などと各要素をバラバラに認識、処理するのではなく、人間と同じように「画像」「文字」「音声」「動画」といった複数の要素を同時に扱う能力のことを指します。Geminiはゼロから、マルチモーダルであることを前提に設計されていることが特長です。
業務改善との違い
BPRは「業務フローそのものを根本的に見直す取り組み」であるという点で業務改善とは異なります。 業務改善が「部門単位で業務フローの一部のみを改善する」とするのに対し、BPRは「業務フローそのものを根本的に再構築する」ことが求められます。
また、業務改善は小さな範囲から徐々に見直しを行うため時間がかかりがちですが、BPRは短期間で一括改善を図る場合が一般的です。
BPRとDXのちがい
BPR(業務改革)とDX(デジタルトランスフォーメーション)では、改革する対象の範囲が異なります。BPRは、業務プロセスの効率化を目的に、業務フローや情報システムを再構築するのに対し、
また、DXを進める一環として、BPRが行われると考えることもできます。

以下に、業務改善・BPR・DXのそれぞれの特徴を比較して表にてまとめました。業務改善<BPR<DXの順に規模が大きくなります。
形態 | 業務改善 | BPR | DX |
---|---|---|---|
|
部門単位で業務フローの効率化(ムダをなくす) |
業務プロセスの質・スピード向上、コスト削減 |
デジタル基盤構築、ビジネスモデル・組織環境の変革 |
|
現場レベル(部署、部門単位) | 管理部門が組織全体に対して行う |
企業全体での半永久的な大規模改革 |
BPRが再注目されるのはなぜ?
BPRの概念は、1990年代初頭に生まれました。米国における長期不況によって傾いた企業経営を立て直すための革新として、BPRの概念が提唱され、多くの米国企業が導入しました。 しかし、当初日本では、一過性の話題に終わり、あまり浸透しませんでした。
しかし近年、高齢化や人口減少により、生産年齢人口比率が著しく低下している問題を受け、再び日本国内でBPRが注目されるようになりました。
経済産業省によると、2050年には日本の人口が1億人を下回り、生産年齢人口比率は、ピーク時の約50%にまで落ちると予測されています。国内の生産年齢人口が少なくなっていく中、グローバル化が進み、競争は激化していく一方です。従来より業務効率を意識した組織構成や業務プロセスの抜本的な改革が求められているのです。

BPRのメリット
業務フローの可視化
BPRは、全社的な業務プロセスの可視化につながります。可視化の過程において、複数部門で重複する業務など、業務プロセスのムダを発見できます。企業全体として業務フローを見直し、再構築するため、組織全体での業務最適化が実現されます。
生産性の向上
全社的に業務プロセスを見直すことで、それまで存在していたムリ・ムラ・ムダを発見が可能になり、これらを排除することで業務効率化の実現につながります。 業務効率化は生産性向上の要素の一つであるため、業務効率化を実現することで、生産性向上にもつながります。ムリ・ムラ・ムダを排除した分、経営資源をコア業務に集中させることができます。
従業員満足度の向上
業務上のムリ・ムラ・ムダを排除することは、従業員の負担軽減にもつながります。また、より意義のある業務に集中できるようになってモチベーションアップにつながったりするため、従業員満足度の向上も期待できます。
BPRの主な手法
ERP(統合基幹系情報システム)
ERPとは企業経営に必要な資源要素(ヒト・モノ・カネ・情報)を一元管理して有効活用する「統合基幹系情報システム」です。
昨今では、大手企業だけでなく中小企業でも導入することが増えてきました。EPRの導入メリットは、情報の一元管理にあります。企業内の様々な場所に点在している情報を一箇所に集めることで、その情報を元に企業の状況を正確かつタイムリーに把握することで、認識の齟齬を防ぎやすく、業務の効率化が図れます。
ERP(統合基幹系情報システム)
BPOとは、「Business Process Outsourcing」の略で、企業のある業務プロセスの一部を一括して外部委託することです。対象の業務プロセスの企画・設計から実施までの工程を外部委託するため、委託先の自由度が高くなることが特徴です。
専門性の高い外部企業に委託することで、経営資源を中核事業に集中させることが可能になり、コスト削減や業務効率化が期待できます。
シェアードサービス

シェアードサービスとは、複数のグループ会社からなる企業が、グループ全社の管理業務を一ヶ所に集約することです。これにより、業務の効率化やコスト削減につながります。
企業の生産性向上や、従業員の負担軽減を図るという目的はBPOと同じですが、BPOが外部の企業に業務を委託するのに対し、シェアードサービスは自社グループ内で設置した部門や子会社が業務を代行するという点で異なっています。
SCM
SCMとは、「Supply Chain Management」の略で、原材料の調達から製品配送までの、製品やサービスに関連する商品、財務、データなどの管理を、より効率的に最適化する手法です。SCMは、調達・製造・物流・販売など、複数のプロセスを横断的に連携し、情報を共有することで、コスト削減や納期の短縮、顧客満足度の向上の実現が期待できます。
SCMの導入によってサプライチェーンの各段階で発生するロスを排除し、スムーズな物流と情報の流れを作ることで、企業は迅速な対応とコストの最適化が可能になります。
シックスシグマ
シックスシグマは、品質管理とプロセス改善に用いられる手法です。プロセスの各段階で発生するばらつきを統計学的に分析し、業務遂行におけるミスを減らすことが目的です。
製造部門だけではなく、営業や企画など直接的に売上や業績に関与しない間接部門へも適用されます。例えば、人事部門の採用プロセスや、経理部による購買・在庫管理の効率化などに利用することができます。
おわりに
昨今、業務効率化を急ピッチで進める企業が増えています。BPRは、数ある業務効率化の手法の中でも短期間で一括改善を図ることができる手法です。
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