種類が多くて迷うかも?Adobe製品(Adobe Creative Cloud)用途別ソフト紹介
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- 2018/08/23
クリエイティブ系の職種についている方であれば、「Adobe(アドビ、アドビシステムズ)」のソフトの名称を1度は耳にしたり、利用したりしたことがある方は多いのではないでしょうか。一方で、PhotoshopやIllustratorをはじめとした一部のソフトは知っていても、全種類を把握している方は多くはないでしょう。もしかすると、これまで使ったことのないクリエイティブ系ソフトの中に、皆さんの業務に役立つものが埋もれているかもしれません。
今回は、クリエイティブ系のソフトウェアサービスをパッケージ化したAdobe Creative Cloud(Adobe CC)の中から代表的なものをピックアップし、用途別にご紹介します。
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目次
Adobe Creative Cloud(Adobe CC)について
Adobeは、クリエイティブツールやドキュメントソリューションに関するソフトウェアやサービスを提供する企業です。以前はパッケージ版(ディスク形式)またはダウンロード形式のソフトウェア単体販売のみの展開で、その価格の高さがネックだと感じていた方もいらっしゃるでしょう。
しかし現在は「Adobe Creative Cloud(Adobe CC)」の名称で、クリエイティブ系のソフトウェア群とクラウドサービスを、サブスクリプション方式(利用期間分の使用権を購入する形式)で提供しています。これにより、利用者はアップデートのたびにソフトウェアを購入しなおす必要がなくなり、常に最新のソフトを利用できるようになりました。ソフトウェアを借りる感覚で利用できる定額制になったことで、以前よりも気軽に利用できるようになりました。
Adobe CCのプラン
「Adobe Creative Cloud」は、各クリエイティブ系ソフト単体や、目的に応じたプランで契約し、月額利用することができます。全てのソフトが利用可能になる「コンプリートプラン」も人気を博しています。
1つのソフトだけを利用する単品契約とコンプリートプランのほかに「フォトプラン」という、写真編集に関するソフトのみを選択して契約できるプランも用意されています。
従来のAdobe製品と同様に、学生割引のプラン(アカデミックパック)も提供されていますので、学校法人の学生や教職員の方は、アカデミックパックを利用することもできます。
1.デザイン、グラフィック
写真(画像データ)の編集や、グラフィック関連(イラスト・デザイン制作)のデザインを行うためのAdobe製ソフトをご紹介します。
Adobe Photoshop CC(Photoshop)
「Photoshop(フォトショップ)」は写真編集(フォトレタッチ)ソフトです。写真編集ソフトはAdobeに限らず数多く存在しますが、「画像の修正」と聞いて多くの方がPhotoshopを連想するのではないでしょうか。写真の色調や画質を細かに修正できるほか、切り抜きや合成などの機能も充実しており、それらの感覚的な操作が可能です。
写真から余計な写り込みを削除したり、2枚の写真からそれぞれの被写体を組み合わせ、1枚の写真にまとめたりする作業が、難なくできます。
Adobe Photoshop Lightroom(Lightroom)
「Lightroom(ライトルーム)」は、Photoshopよりもさらに写真を簡単に美しく編集できるようになったソフトです。「写真編集」と「アルバム」の2本柱の機能を備えています。「アルバム」はその名の通り写真を整理する機能で、Photoshopにはない機能です。 モバイル版Lightroom もあるため、外出先でタブレットやスマートフォンを使って途中まで編集した写真を、会社に戻ってから仕上げるという使い方もできます。
PhotoshopとLightroomを併用すると、これまでより簡単にハイレベルな写真編集ができるようになります。
Adobe Illustrator CC(Illustrator)
「Illustrator(イラストレーター)」は、イラストの制作やデザイン作業に欠かせない代表的な描画ソフトで、Photoshopと並んで「クリエイティブ業界の必需品」と呼ばれています。
「PhotoshopとIllustratorは、用途も作業画面も似ているため違いが分からない」という声を耳にすることがありますので、ここで2つのソフトの違いを簡単に説明します。
Photoshopは、写真の補正から加工、動画編集、Webサイトデザインを得意とする「画像編集用ソフト」です。
一方、Illustratorは「ベクター画像」と呼ばれる曲線を用いて描かれた画像データを扱う「図形描画ソフト」として、印刷、Web、ビデオ、モバイルに向けたイラスト制作やポスター作成に向いています。
参考
PhotoshopとIllustratorは、それぞれの特徴を活かして両方を使用することが一般的です。例えば、制作現場ではPhotoshopで写真を加工し、Illustratorでレイアウトを仕上げてポスターを作成するといったように、組み合わせて作業することが多くあります。
2.パブリッシング
文書データの作成・編集に役立つパブリッシング分野にも、Adobeソフトの中におすすめのものが2つあります。
InDesign CC(InDesign)
「InDesign(インデザイン)」は、DTPのためのソフトです。DTPとはいってもInDesignがカバーする範囲は広く、書籍や新聞など出版物に留まらずWeb制作まで多岐にわたります。さまざまなページサイズやデバイス向けのレイアウトを簡単に調整することができ、クリエイターにも人気のソフトです。※DTP(Desktop publishing):卓上出版
InDesignには目次作成機能や、1つの誌面を2段以上で組む「段抜き」、「フレームツール」など充実した機能が備わっています。Illustratorでも誌面のレイアウトをおこなうことはできますが、InDesignのほうが格段に効率的よく作業することができます。
Adobe Acrobat DC(Acrobat)
ビジネスの場でも使われる機会の多い「Acrobat(アクロバット)」は、PDFデータを閲覧したり編集をおこなったりすることができるソフトウェアです。
PDFのメリットは、デバイスや環境を選ぶことなくレイアウトを崩さずに表示・印刷できる点にあります。Acrobatでは、PDFを閲覧することに加えて、編集やデジタル署名・注釈などの追加をすることが可能です。
Acrobatは使ったことがなくても「Acrobat Reader」なら使ったことがある方は多いのではないでしょうか。Acrobat Readerは、PDFの閲覧機能のみに特化したAcrobatの簡略版ということができます。
3.動画(映像)・音声編集
Adobe CCには動画(映像)や音声編集のソフトもあり、初心者からプロまで対応しています。
Adobe Premiere PRO(Premiere)
「Premiere(プレミア)」は、Web上の動画や映画・テレビなどのあらゆる映像データを編集し、1つの完成された作品に仕上げることを目的とした映像編集ソフトです。映像データには多くのフォーマットが存在しますが、それらのほとんどに対応しており、どのような形式のデータも開いて編集できるというメリットがあります。
Adobe After Effects CC(After Effects)
「After Effects(アフターエフェクト)」は、映像データに特殊効果を加えたり、デジタル合成を行ったりするための映像編集ソフトです。映像の画面にPhotoshopのような加工や編集をおこなえる機能や、タイトルを制作できる機能など「映像の画面に効果を加える」ことに特化された内容・機能となっています。
Adobe Audition CC(Audition)
「Audition(オーディション)」は、音声の編集を目的とした音声データ加工ソフトです。動画や映像に収録された音声を編集できるほか、SE(効果音)を作ったり、音声データに乗ったノイズ(雑音)を取り除いたりすることが可能です。
4.Web制作
最後に、Webサイトのコーディングや編集に用いられるAdobeソフトをご紹介します。
Adobe Dreamweaver CC(Dreamweaver)
「Dreamweaver(ドリームウィーバー)」は、プロのWebデザイナー・コーダー・プログラマーには欠かせないオーサリングソフト(制作補助ソフト)です。HTMLやCSS、JavaScriptなどのソースコードを統合しているので、Webサイトの制作・管理が総合的にでき、作業効率を大幅にアップさせることができます。
優秀なコーディングエンジンを備えている点で知られ、ソースコードを入力するときに次に入力する文字を予測してくれる機能(コード補完機能)は、他のコーディングソフトの一歩先を行っているといわれています。また、すばやくコーディングのエラーを検出・告知する機能(コード検証機能)など便利な機能が揃っています。
Adobe Experience Design CC(Adobe XD)
Experience Design(エクスペリエンスデザイン)は、UX(ユーザーエクスペリエンス)デザインに特化したソフトです。Webサイトや、スマートフォン・タブレットなどモバイル用サイトのユーザーインタフェースの構築をはじめ、さまざまなUXを本ソフト1つでデザインできます。
これまで、モバイル向けサイトやアプリのデザインにPhotoshopなどを使っていた方も多かったと思われます。しかし、Experience Design(Adobe XD)ならWeb制作におけるさまざまな機能をオールインワンで利用することができます。
おわりに
今回は、クリエイティブ業界で特に普及しているAdobe Creative Cloud(Adobe CC)の主なソフトについて、用途別に機能・特徴をご紹介しました。
Adobeのクリエイティブ系ソフトへの知識を深めることで、より質の高いクリエイティブを行い仕事の質を高めスピードを早めることにも繋がるでしょう。Adobeのソフトは幅広く使われている普遍性が大きな強みなので、クリエイティブ系業種での活躍範囲が広がります。全てのソフトを使いこなせるようになる必要はありませんが、現在のお仕事や今後就職・転職したい業界で使われているソフトのスキルを磨いておくと、キャリアアップ、キャリアチェンジを有利に進めることができるでしょう。
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