プログラミング必修化で学校教育はどう変わる?
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- 2019/03/20
さまざまな業界で大きな転機を迎える2020年まであとわずかとなりました。教育業界では「プログラミング必修化」に向けた準備が進んでいます。この動きが何を意味していて、どうしてここまで取り上げられるのか、理解しにくい面もあるかもしれません。 そこで、プログラミング必修化と教育の関係、そして大人も含めた私たちが、今後どのように対応すれば良いかをまとめています。
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目次
プログラミング必修化とは?
2020年度から、すべての小学校でプログラミング教育が必修化されます。これは、2020年に改訂される小学校の新学習指導要領において、プログラミングの体験を含んだ情報活用教育の充実が明記されるためです。学習指導要領とは、文部科学省が定める、教育課程を各学校で編成する際の基準です。2020年の小学校教育を皮切りに、学校教育のプログラミング必修化が進展していきますが、どのような背景があるのでしょうか。
プログラミング必修化の背景
プログラミングの必修化には大きく、以下の2つの理由があります。
- 国際的な競争力の強化
- IT人材の不足
1つ目「国際的な競争力の強化」には、これから労働市場においてITスキルが必須の要素だと世界的に認識されているという背景があります。未来の学びコンソーシアムによると、世界的にはすでに90%の職業で基礎的なITスキルが必要だとされています。そうした変化に対応すべく、世界各国で学校教育へのプログラミング教育の導入が進み、日本でも小学校教育において必修化が実施されることになります。
2つ目「IT人材の不足」には、経済産業省の調査で2030年には59万人ものIT人材が不足するという結果が背景としてあります。IT人材の不足を補うためには、現社会人に対して教育研修を行うだけでなく、子どもの頃からITに触れ、ITスキルを持つ人材の裾野を広げる取り組みが不可欠なのです。
今後のIT人材の不足規模
経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」より
学校教育とプログラミングの関係
今後日本では、小・中・高等学校での授業を通じて情報活用能力の育成が行われるようになります。情報教育の充実についての基準を定めた新学習指導要領は、小学校が2020年、中学校が2021年、高等学校では2022年から使用されることが決まっています。
では、具体的にどのようなプログラミング教育が行われることになるのでしょうか。
小学校で学ぶプログラミング思考とは
小学校の授業でプログラミングを行うというと、いきなり本格的なコーディングを学ぶのではないかと思われがちです。しかし実際にはそうではなく、「プログラミング」という科目が出来るわけでもありません。小学校の段階では、算数、理科、総合学習などすでにある各教科の中で、プログラミング的思考を養うような学習を行います。例えば、算数の「正多角形」という単元では、平面図形の構成要素や性質を細かく分解・整理し、プログラミング教材を使って作図するという実施事例があります。
小学校過程におけるプログラミング必修化の3つのねらい
前述した通り、小学校課程におけるプログラミング必修化の目的は、プログラミングそのものを覚えることではありません。
プログラミング教育を推進することを目的に、文部科学省・総務省・経済産業省が連携して立ち上げた「未来の学びコンソーシアム」では、小学校におけるプログラミング教育のねらいは3つあると述べています。
- 「プログラミング的思考」を育むこと
- プログラムの動きや良さ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気づくことが出来るようにするとともに、コンピュータなどを上手に活用して身近な問題を解決したり、より良い社会を築いたりしようとする態度を育むこと
- 各教科等の内容を指導する中で実施する場合には、各教科等での学びをより確実なものとすること
学習指導要領には、プログラミングの体験を通じて、コンピュータに自分が意図した処理を行わせるために、論理的に考える力を身につけるための活動だと明記されています。これが、上記の①にある「プログラミング的思考」にあたります。
総じて、小学校のプログラミング教育においては、ソースコードを記述したり、言語を覚えたりするなどのプログラミング言語を覚えることはねらいではないということが分かります。
中学校から本格的なプログラミング学習へ
中学校におけるプログラミング教育は、実はすでに技術・家庭科にあたる科目のカリキュラムの中で必修となっています。必修の内容は「プログラムによる計測・制御」であり、具体的な指導項目としては、「コンピュータを利用した計測・ 制御の基本的な仕組みを知ること」 「情報処理の手順を考え, 簡単なプログラム作成できること」と定義されています。しかし実際は、はあくまで課題解決のためのコンピュータ利用、そしてその方法の一つとしてプログラムの作成が含まれているだけなので、コンピュータを利用してプログラムの作成を行うところまで授業の中で実施していない学校も多いようです。
そこで、新学習指導要領では「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング」が加えられました。これにより、本格的なプログラミングの学習が定められた、学習量が倍増することになります。
高校でもプログラミングが広く学ばれるように
高校では、すべての生徒が履修する科目として「情報Ⅰ」が新設されます。学ぶ内容は、プログラミングや情報セキュリティを含むネットワーク、データベースの基礎等があり、昨今の情報化社会に主体的に対応できる能力の育成が目指されます。
プログラミングはすでに選択科目として存在していますが、採用している学校はわずかで、約2割の生徒のみがプログラミングを学んでいます。2022年から始まる学習指導要領によって、より広くプログラミングが学ばれるようになると予想されます。
学習環境・設備の整備など課題もありますが、子供達が学校でプログラミングを当たり前に学ぶ時代が近づいています。社会に出る前から、プログラミングを含む情報活用に関する知識・スキルを身につけていることが、今後は当たり前となることが分かります。
「なぜプログラミングを学ばなければならないの?」
ここまで、学校教育におけるプログラミング教育の充実についてご紹介しました。ところで、すべての人がITエンジニアやプログラマーになるわけではないのに、なぜ今プログラミングを学ばなければならないのでしょうか。
あらゆるビジネスに浸透するIT
プログラミングが必修化される理由として、IT人材の不足をご紹介しました。これはIT活用を推進するプログラマーやITエンジニア、特にAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といった最先端の分野を担う人材の確保を目指す必要があるためです。
さらには、昨今では業界や職種を問わず、IT技術が活用されるようになったというビジネスの在り方の変化にも関連があります。非エンジニア職であっても、業務効率化だけでなく、サービスの企画・提案、外注先との連携など、ビジネスの場面でITと関わる機会が増加します。そのため、ITの基礎的な仕組みや考え方を理解し、プログラミングなどの技術的なスキルや知識を使いこなすことが、基本的な社会人スキルとなる時代がやってきているのです。
デジタル社会に求められる人材像の変化
ITによって、ビジネス環境だけでなく求められている人材像も変わりつつあります。
外部環境の変化が激しい現代、企業は製品力やサービス力、ブランド力だけでなく、ITを活用し、変化に対応する力がなくては成長が見込めなくなってきています。
それに伴い、企業の経営課題は「新しい価値の創出」へとシフトしています。社員に求められるようになったのは、今までのやり方を踏襲するのではなく、新しい価値創造のために課題を発見し、実現に向けて人と協働し、試行錯誤する力です。
新しい価値創造、そして社会やビジネスにおける課題を解決するには、ITリテラシーをはじめとした情報活用能力が欠かせません。
こうした変化は、早いスピードで訪れています。子どもだけではなく、すでに社会人として働いている方こそ、ITリテラシーやプログラミングのスキルを早めに身に付けておくことをオススメします。
おわりに
プログラミング必修化についてご紹介したように、ITによって社会は着実に変化しています。これを機に、実践的なITスキルを学び、キャリアの幅やビジネスにおける視野を広げてみてはいかがでしょうか。
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