空間IDで実現する3次元のデジタル社会!
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- 2023/12/26
2022年7月、経済産業省は「3次元空間情報基盤アーキテクチャ設計報告書」を発表しました。その中には空間IDの活用によって3次元空間情報基盤を設計する、と記されています。
空間IDはその名の通り、空間にIDを振って識別することで、デジタル社会の実現に役立つものです。具体的にどんなメリットや活用事例があるのか、一緒に見ていきましょう!
目次
空間IDとは
空間IDとは、3次元空間を複数のボックスで仮想的に切り分け、位置を特定できるようにする規格のことです。「空間ボクセル」と呼ばれるボックスには空間IDが割り当てられ、それによってすべての事業者が同じ仕様・規格で現実空間をデータに表すことができます。
空間ID導入のメリット
空間IDを導入するメリットは、「現状の課題の解決」とそれによる「デジタル社会の実現」の2つに分けることができます。
空間データの現状の課題
現在は空間IDが導入されていないため、代わりに複数の種類の「空間データ」が利用されています。空間データとは、空間に関するデータで、どの空間に何があるのかなどの情報をデータ化したものになります。 Google Mapなどの地図のデータも空間データに含まれます。 この空間データに関する現状の課題としては、以下のようなものが挙げられます。
- 空間データは業界や事業者ごとに異なる仕様・規格で整備・管理されている
- 空間データの一元的な検索や収集・連携が困難
- 空間データにはメタ情報(データの説明書き、作成者や作成日など)が付与されていない
- 空間データは大概軽量化がされておらず、機械やAIによる高速処理が困難
- 空間データの提供者とテクノロジー開発者やユーザーが業界・地域横断でつながらない
結果として、貴重なデータやアプリなどのテクノロジー開発が一部の業界・事業者の基盤に偏重していて、デジタル社会の発展の妨げとなってしまっています。しかしここに空間IDを導入し、統一性が生まれて連携が容易になれば、これらの課題は解決されます。
デジタル社会の実現
では、上記の課題が解決されるとどのような利点がもたらされるのでしょうか。
- データ流通を加速させるデータ連携の共通基盤の構築
- 自律移動モビリティの安全・効率的な運行
- 業界・企業の壁を越えた協調による、アプリケーション・サービス開発の簡易化
- バーチャルとフィジカル(現実空間)の融合の促進
さらには、これらの利点をフル活用して、事業やプロジェクトの限りなく現実に近いシミュレーションができるようになります。 空間IDやIoTで収集したデータをもとに、コンピュータ上で現実世界を双子のように再現することをデジタルツイン(Digital Twin)と呼びます。このデジタルツイン上で事業やプロジェクトをテスト試行することで、実際にどれくらい期間やコストがかかり、どれほどの効果が見込めるか、どんな課題がありそうかを知ることができます。
空間IDの活用事例
空間IDがどんなふうに使われるのか、みてみよう!
空間IDはエンターテインメントや生活支援といった民間よりの領域から、交通・物流や警備・監視といったビジネスよりの領域、都市環境計画・管理、災害対策といった公共よりの領域まで、幅広い事業で活躍します。
例えばドローンを活用した警備計画について、ドローンが飛行できる範囲、できない範囲をより正確に把握できます。デジタルツイン上で警備計画をテストすることもでき、事前に警備の穴や課題を発見できます。また、天候悪化などといった突発的な事象についても、空間IDと紐づけることで飛行を避けるべき場所を瞬時に情報共有を行えるため、安全にパトロールできます。
IoTと空間IDの関係性
さきほどのデジタルツインの説明でも述べたように、空間IDとIoTは協業の関係にあります。現実空間を正確に把握するためにIoTを用い、それを空間IDで振り分け、分析し、サイバー空間と現実空間を繋げます。
空間IDとIoTはどちらも重要で、相互に影響しています。両方の知識やスキルがあれば、デジタル社会の実現に大きく貢献できるといえます。
おわりに
今回の記事では、空間IDとそのメリットや活用事例についてご紹介しました。空間IDは今後のデジタル社会のカギとなるテクノロジーであることがおわかりいただけたでしょうか。
空間IDの利活用が進めば、デジタル社会の実現にさらに近づき、利便性が向上することは間違いありません。また、IoTとも相互に影響しあっており、両方の知識やスキルがあることで、需要の高い人材になることができます。IoTを学んでいる方や仕事で扱っている方は、ぜひ空間IDについても学んでみてはいかがでしょうか。
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