インドのお酒事情
2015年9月10日
インドはとても広く多くの言語があり、多くの文化があります。今回は、私が見聞きして実際に感じたベンガルール(バンガロール)でのお酒の事情についてお伝えします。
「インドはお酒は禁止」というイメージがある方も多いのではないでしょうか。
私も渡印した最初の頃は、宗教の関係なのかなと思っていましたが、ヒンドゥー教ではお酒を禁止しているわけではないそうです。歴史を遡ると、インドで貿易が盛んになるまでは、肉食と飲酒は王族のみの愉しみであり、その後、王に近い富裕層を中心に飲酒の文化が広がっていったという背景があるそうです。
若者の意識の変化
そういった歴史的背景の他にも、インド国内で飲酒が良くないとされる理由は多々あるとは思いますが、私の周りのインド人が口を揃えていうのは、お酒はインド人のモラル規範からして良くないものであると考えられていて、 子供のころからお酒は悪いものと親に教育をされるそうです。
しかし、現在では、ミュージック・ビデオやボリウッド(インド映画のこと)でも俳優が飲酒しているシーンが普通に放送されており、20代~30代前半を中心に「お酒」が悪いものというのは、古い考え方だと思われているそうです。
お酒の意識 in Bengaluru (Bangalore)
ベンガルールでは、多国籍企業が多く、アメリカ、ヨーロッパ、中国、韓国、そして日本などから外国人が訪印しています。その外国人をターゲットにしたお店も多く、他州よりも、お酒に関するネガティブなイメージが低いと感じます。
お酒を手に入れるには二通りあって、直接リキュールショップ(酒屋)に行くか、お酒の取り扱いがあるレストランに行くかのいずれかです。免許制をとっているらしく、スーパーではなかなか手に入りません。今、わたしがいるベンガルールでは、お酒を扱っていいお店は州政府と警察によって完全にコントロールされています。これは他州と同じだそうです。
インドのお酒
インドではお酒はネガティブイメージがあるとお伝えしましたが、実は世界的にも有名なお酒を作っているインド企業もあります。
ビールのキングフィッシャーとワインのスーラです。キングフィッシャーはとても大きな会社で、航空会社も経営しています。私はインドに来るまで、インド産のワインがあることすら知りませんでしたが、ワインの本場ヨーロッパでスーラ・ワインの評価は高く、最近では日本にも輸入がされているそうです。
お酒の値段
お酒類の値段ですが、日本より若干安いくらいだと思っていただければいいかと思います。正確に書くと、インド国内で生産されたお酒は比較的リーズナブルです。ビールは、いわゆる地元の酒屋で購入すれば、500mlがRs100 - Rs120(200円~240円)です。これは、インド国内の企業が生産しているビールのみです。ベルギーから輸入されたヒューガルデンのビールは280mlでなんと、Rs.380(650~700円)ですので、質量で考えると5倍も値段が違います。
ワインに関しても、地元で生産しているスーラ・ワインの場合は、一本Rs600(1100~1200円)程度です。対照的にリーズナブルで有名なオーストラリア・ワインのイエローテイルですが、輸入ワインですのでRs1300~Rs1600 (2800円~3200円)します。高い。
酒屋の店主によると、カルナタカ州では、外国から輸入したお酒には135%の関税をかけているそうで、ものによっては目が飛び出すほど高いものもあります。ベンガルールにきたばかりの時は「えっ! 280mlのアサヒビールが1000円!?」と衝撃を受けたものです。その半面、国内で生産されているお酒は比較的安く感じました。
お酒の味
美味しいです。これは個人の主観になってしまいますが、特にキングフィッシャー・ウルトラは日本人の口に合うと思いました。キングフィッシャー・ブルーはバドワイザーのように喉越しが軽く、インドの油が多く、辛い料理とは、相性が良く感じます。
インドのワインのスーラに関しては、香が豊かで、白も赤も、チリやオーストラリアのワインのように飲みやすい印象をうけました。
お酒禁止の日
ベンガルールにはお酒禁止の日があります。この前はカルナタカ州の選挙があり、その選挙当日はお酒が禁止になりました。リキュールショップもレストランもどちらともお酒の販売はありません。お酒を提供しているレストランの店主の話では、お酒を飲んでいる席で政治的な話になった場合に喧嘩になるかもしれないから禁止になったんだよ。と教えてくれました。
お酒とベンガルール
昨今では、メディアを通じて、世界中の様々な文化がインドに入ってきています。それがお酒であったり、歌であったり、スポーツであったりと、多くのインドの方々の生活を劇的に変化させています。特にベンガルールはその傾向が著しく、スローなイメージのインドとは違う、世界最先端のビジーな街という印象です。だからこそ、インドの文化に触れつつ、外国人である私も今までの習慣を我慢することなく楽しんで暮らすことができるのかもしれません。
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