神奈川工科大での講演レポート「世界の問題を解決する技術を学ぼう」
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- 2024/05/11

インターネット・アカデミーでは、毎年神奈川工科大学で学生向けにWeb・IT技術の有用性を広めるための講演を行っています。14回目の講演となる今回は、インターネット・アカデミーの西川智貴講師が、AIやIoTなどの社会課題を解決するインターネットについて、そして社会に求められる最新技術についてお話させていただきました。
講演は学生に向けた内容ですが、現在転職活動を検討されている方、今後スキルアップをされたい社会人の方など、多くの方に参考にしていただける内容になっています。これからの社会に貢献できる人材、更には世の中に好かれる人になるためには何が重要なのか。当日のオンライン講演内容の一部を、本記事ではご紹介します。
目次
SDGs:世界と日本が抱える課題
脱炭素社会の実現
年々深刻化する地球温暖化による気候変動や、化学燃料の枯渇へのカウントダウンは無視できない問題です。これらをそのまま放置すれば、自然災害の増加・深刻化、生態系への悪影響、エネルギー産業の決壊が起こる可能性が高まります。
最悪の状況を回避するために今世界各国が取り組んでいるのが「脱炭素」になります。「脱炭素」とは二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を実質ゼロ(排出量が植物の温室効果ガス吸収量を下回る状態)にすることです。
グリーンとヘルスケア
日本国内で最も重要な課題は、「グリーン」と「ヘルスケア」の大きく二つに分けることができます。
「グリーン」は、前節同様の地球温暖化や地震などの自然に関するもので、「ヘルスケア」は少子高齢化や見守り、地方過疎化などといった人口に関するものです。日本は2007年に超高齢社会へと突入し、2023年時点で高齢者率は29.1%となっています。この数字は今後も伸び続け、2030年には30%を、2040年には35%を越えると予測されており、このまま進めば、日本は高齢者と子どもの見守りを中心とした若い世代への負担が増大する社会となってしまいます。
この超高齢社会に対応していくためには、インターネット×人による技術の活用が必須です。

AIとIoTは表裏一体
前述のように、社会課題の解決には人がインターネットを動かし、技術を最大限有効活用する必要があります。ここで最も注目されているのが、インターネットにおける最先端の技術、AI(Artificial Intelligence)です。ChatGPTの登場による「第四次AIブーム」は、AIをより人々にとって身近なものにし、その有用性と同時に人材需要の大きさも社会に印象付けました。
ではこのAIをコインに例えると、その裏は何になるのでしょう。
AIをよりレベルアップさせるためには、膨大なデータが必要で、これはまだまだ量が不足しています。そしてこのデータを集めるためには、IoT(Internet of Things)が必要です。そう、AIというコインの裏はIoT(Internet×すべて)です。AIとIoTは表裏一体で、常に相互に影響し合っています。
HEMSを導入したスマートハウスとECHONET Lite
グリーンとヘルスケアが課題になっている社会で特に鍵を握るAI・IoTはスマートハウスだといえます。例えば家庭で使うエネルギーを効率的に管理・利用するためのシステム「HEMS(Home Energy Management System)」を導入すれば、エネルギーの「見える化」「一元管理」ができ、以下のような効果が得られます。
- 電気の無駄遣いの発見、無駄の減少
- 家電の遠隔操作、自動制御
- 自家発電や蓄電管理
これらは省エネによる脱炭素への貢献や、高齢者や子どもの見守りに繋がります。そしてこのHEMSを支えるのが、「ECHONET Lite」という通信規格です。これは異なる企業が提供するIoT家電などの通信を可能にするもので、バラバラの家電を一つにまとめ上げ、一括で制御します。このように、スマートハウスは社会課題解決の鍵で、それを支えるためにECHONET Liteの技術が必要とされています。
今、私たちは何を学ぶべきか

さて、みなさんは学生と社会人のどちらがより楽しいと思いますか?
結論は社会人。学生よりも行動の自由度が上がる上、仕事を通してプライベートでは出会えないような人とも一緒に仕事をすることもでき、とても楽しい生活になるからです。しかし真に社会人生活を楽しむためには、実力が必要です。
では実力とは一体なんでしょうか。それは、社会課題を解決できる、ここまでで紹介してきたスキルのことです。社会が抱える問題を解決すれば、社会に貢献でき、社会に求められる人材になることができます。
そしてスキルを身につけた際、その技術力があることを社会に証明するのに、資格が役立ちます。資格は規格が統一されているため、相対的にではなく絶対的に一定の実力を示すことができます。そのため社会から「この人は必要な人材だ、仕事を任せたい」と思ってもらいやすくなります。
例えばインターネット関連の資格は以下のようなものがおすすめです。
- ECHONET IoT MASTER
- スマートマスター試験
- MOS(Excel)
- ITパスポート
- Webクリエイター能力認定試験
これらを提示することで、自分が学生時代にインプットしたものを証明でき、社会から求めている人材とマッチしていると認識してもらえます。
まとめ
今回の講演では、今社会が直面している課題や、今後どのような技術・人材が求められるのかをお話しました。多くの企業が、社員の方にIT研修をしてまで人材育成を行っていますので、入社前に「インターネット×何か」でスキルをつけている方が就職活動やキャリアチェンジの際に有利になることは間違いありません。
インターネット・アカデミーでは、法人研修だけでなく、AIやIoTに関する個人向けの講座をご用意しています。また、インターネット・アカデミーはECHONET Liteを推進する機関から認定を受け、公式教育プログラムを提供しています。興味のある方は、ぜひ無料体験レッスンにお越しください。

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