バーチャルリアリティーと視覚障がい者
2016年7月 1日
バーチャルリアリティーと言ったら、みなさん3D映像を思い浮かべるかもしれません。 しかし、バーチャルリアリティーは、日本語に直訳すると「仮想現実」という意味です。 視覚に限られた技術ではありません。
聴覚や触覚、さらには嗅覚に働きかけるバーチャルリアリティーの開発も進められています。
今回は聴覚に訴えかける、視覚障がい者のためのバーチャルリアリティーに焦点を当ててみたいと思います。
聴覚に訴えかける3次元音響
このバーチャルリアリティーを体験するには、スクリーンメガネをかけるのではなく、 ヘッドホンを使用します。
そこで使われているのは、3次元音響(立体音響、3D音響とも呼ばれる)。 音の大きさだけでなく、3次元的な音の方向や距離、広がりなどを表現することができます。
この3次元音響バーチャルリアリティーは、視覚障がい者の大きな助けになり得ます。 たとえば、歩行補助装置としても活用できます。 センサーが察知した周囲の障害物などの情報を、音に置き換えて伝えることができます。 また、視覚障がい者は視覚を使って学ぶことが出来ないので、教育やリハビリテーションのために3次元音響が使われることもあるそうです。
一方、晴眼者(視覚障がいのない人)がバーチャルリアリティーで、 視覚障がい者が見る世界を体験できるような研究もされています。 例を挙げると、「The Machine to Be Another」というサイトでは、晴眼者が視覚障がい者の感覚を体験できるだけでなく、亡命を求めるスーダン難民になる、異性になる、あるいは体に障害を抱えて生きるなど、多岐にわたる共有経験が紹介されています。
バーチャルリアリティーによって、よりお互いが分かり合える世の中が実現されていくことを願っています。
3次元音響に関わらず、このバーチャル・リアリティーの技術では、HTML,CSS,JavaScriptが基礎スキルになりますので、それらのWeb技術を勉強されたみなさんの力が必要とされています。ぜひ、バーチャル・リアリティーの分野での活躍も視野に入れてみてください。
素晴らしい新しい技術、こんな風に人を助けるのに役立てていけるといいですね。
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