2017年秋、デザインの感性を磨く個性派アートイベントへ行ってみよう!【前編】
2017年10月11日
海外の有名美術館の展示など、秋には見逃せないアートイベントが数多く開催されますよね。 今回は、そのなかでも普段なかなか見ることができない個性的な展示をご紹介します。 芸術の秋に、いつもとは一味違う刺激を感じてリフレッシュすることで、デザインのお仕事や作品作りにも、 新しい気持ちで取り組めるかもしれません。
サンシャワー 東南アジアの現代美術展―1980年代から現在まで
近年、10年以上高い経済成長を見せている東南アジア地域はビジネスや観光において 世界から大きな注目を集めてきました。実は現代アートという面でも、 東南アジアの多様な文化の中で育まれたダイナミックさに注目が集まっているのです。
ASEAN参加国は、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、 ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスの全10か国。1967年のASEAN設立から、 2017年は50周年という節目となります。
そこで、「サンシャワー 東南アジアの現代美術展―1980年代から現在まで」が六本木、 国立新美術館と森美術館の2館で同時開催されています。
ちなみに、テーマで使われている「サンシャワー」には2つの意味が込められています。
「天気雨」を意味する展覧会タイトル「サンシャワー」は、 東南アジア地域では頻繁にみられる気象現象であり、 紆余曲折の歴史を経てきた同地域を表すメタファーでもあります。
9つのテーマとは
「サンシャワー展」は、9つの異なる視点から体感できる、東南アジア現代アートの史上最大規模の展示です。 2館で開催されるので、セクションによって森美術館なのか、新国立美術館かが異なるので、ぜひチェックしてくださいね。
国立新美術館での展示
1.「うつろう世界」
東南アジアの複雑な歴史と空間を、アーティストの目線から描き出したさまざまな地図が登場します。地図から東南アジアを捉えてみましょう。
2.「情熱と革命」
植民地からの独立や、その後数々の戦争を経験した国がある東南アジア地域。芸術表現の弾圧も見られました。そんな時代を体感したアーティストが、民主化や表現の自由を訴えてきた作品を見ることができます。
3.「アーカイブ」
近年、インターネットの発達により各地で蓄積された美術資料をまとめて公開する動きがあります。シンガポールのアートグループの活動やいくつかの例を見ることができます。
4.「アイデンティティー」
東南アジア各国が独立した後、個人・国家・民族などさまざまなレベルからアイデンティティーを問う現代美術作品が制作されました。
5.「日々の生活」
1990年以降、多文化主義のひろがりによって毎日の何気ない暮らしに、文化的や歴史的な文脈をもたせた作品が、新しい表現として注目されました。
森美術館での展示
6.「発展とその影」
目覚ましい経済発展の影響で生まれた格差、生活が大きく変わることで伝統文化が失われるかもしれない状況を批評的に見たセクションです。
7.「アートとは何か?なぜやるのか?」
社会問題や環境問題に、どのように対処していくべきかを問うアート活動が見られます。
8.「瞑想としてのメディア」
伝統的な工芸を用いて、古来の信仰や宗教に関連した神秘的な世界観を作品化したものです。
9.「歴史との対話」
前の世代のアーティストの実践を継承する動きが見られ、歴史のなかでの現代作品を捉えている作品が紹介されています。
写真撮影できる作品も多数
現地で営んでいる生地店を空間ごと再現した展示品を撮影し、友達と共有することができます。体験型の展示もあるので、より一層東南アジアの芸術を肌で感じ取ることができるでしょう。
展示情報
期間
2017年7月5日(水)~10月23日(月)
会場
開館時間
- 国立新美術館
10:00~18:00(毎週金曜日・土曜日は21:00まで)
火曜のみ17:00まで - 森美術館
10:00~22:00(毎週火曜日は17:00まで)
(両館ともに、入場は閉館の30分前まで)
まとめ
東南アジアのアート、と言われてピンと来ない方は多いのではないでしょうか。 東南アジア現代アートの集大成ともいえる本展示は、その入門編としても適しています。 興味をもたれた方は、早めに計画をたてて足を運んでみてください。
参考サイト
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